周りの声や思い込みから“こうしなきゃ”とママたちを縛る数々の呪い。実際ママたちはどんな呪いにとらわれているの? 専門家や先輩ママの声から呪いを解くためのヒントも探ります。
経験不足からくる不安が“呪い”に。思いどおりにできないことで、ママたちはこんなに罪悪感を感じていた!
とにかく多かったのが「母乳で育てなければ」の呪い。
●母乳で育てないとダメ、周りのママは産んですぐに母乳が出るんだから私も出るはずだと思い、常におっぱいを吸わせていた。それでも母乳の出が悪く、乳首も切れてつらくて、途方に暮れました。(むー子)
周りの人たちからの声で追い詰められたケースも……。
●母乳があまり出なくて、ミルクにしようと思っていたら、夫が母乳育児の本を買ってきた……。彼なりのやさしさだと思うけど、プレッシャーになりつらかった。(ちょこ子)
●母乳が詰まりやすく、乳腺炎になった際に産婦人科に駆け込むと、助産師さんから「どんなごちそうを食べてたの?」「自己管理ができてない」と怒られた。胸の痛みよりも、悲しさと怒りが込み上げてきました。風邪の患者にはきっとこんなことを言わないのに、どうして母親には厳しいのだろう。いい母乳を出すのがいい母親、という考えが根強いのだなと感じました。(Tenguno)
また、戸惑うことが多い新生児期には、こんなさまざまな呪いが。
●新生児は肌が弱いと聞いて、こまめにおむつを取り替えることに神経質になった。(りんごあめ)
●ネントレの本を読んで、お昼寝の時間を徹底管理していたのでお出かけができず。自由に出かけるママさんがうらやましかった。(リサパンダ)
野菜たっぷりのバランスのいい食事を食べさせなきゃ……。そう強く思うあまりに呪いに縛られる人が多数。特に離乳食には苦い思い出が。
●離乳食はかなり呪縛だった。好き嫌いがない子に育つようにと、ひたすら野菜をミキサーにかけ、シラスやひき肉を煮て……。栄養バランスを考えるのに必死でした。一生懸命作ったのに、あまり食べてくれないと落ち込んでしまうことも。今思えば、もっと食事タイムを楽しめばよかったです。(kei)
●離乳食は手作りするものと思い込んでいて、1日3回食になった頃、キッチンに立ち続けることが苦痛に。先輩ママに「1日1回ぐらい市販の離乳食でいいのに」と言われ、目からウロコ。周りも意外にベビーフードに頼っていると知り、使ってみたらとても楽に。(さおり)
また、子どもが大きくなっても、食事をきちんと用意できないと罪悪感を持つママが多い。
●フルタイムで働いていることもあり、平日の食事が手抜き。大皿にドカンと大量に作ることが多く、繊細な料理を作ってあげたことがないかもしれません。(miruku)
●いつも適当な朝ごはんですが、学校が休みの日は、ごはんも作らずについ朝寝坊。子どもが自分でパンなどを食べていてくれるけれど、ダメな母親だなと落ち込む。(さんご)
特に子どもが小さい頃は、育児書や育児サイトなど、あらゆるところですすめられる“読み聞かせ”。その呪縛は相当なようで……。
●学力が伸びる子はママが読み聞かせをするという話を聞いてやってみたが、うちの子はまったく興味がなく、本で遊んだり破ろうとしたり……。とても残念な気持ちに。(マウ)
●義母から「子どもを全員東大に合格させた有名ママは、毎日絵本を10冊読んでいた」と圧が。毎日10冊、異なる内容の本を読み聞かせるのはハードルが高すぎる!(ムーコ)
●図書館の幼児向けの読み聞かせ会に積極的に参加。子どものため!と思い、遠くの図書館まで天気の悪い日も通っていました。(かおしお)
ほかにも“子どものために”とこんな呪いに縛られるママも。
●子どもは元気に毎日公園で遊ばせるべきなのでは?と悩んだ。私が億劫なので週に1〜2回くらいのペースで公園遊びをしていたものの、周りのママたちは毎日何時間も外で遊ばせていて、プレッシャーに感じました。(かちゃこ)
●子どもの特技を見つけようと、片っ端から習い事体験へ。でも集団行動が苦手な息子はなじめず、そんな息子に私もイライラ。どれもうまくいかず、お互いにストレスになるだけだった。今は習い事はやめて、子どもが好きな虫捕りなどに出かけて自由に過ごしています。(ゆう)
“子どもに友達を”という思いが強く、がんじがらめになるママも。
●子どもが集まる児童館に連れていかないと、と思い込み、苦手なのに無理して行っていた。息子はひとりっ子でほかの子とのかかわりがうまくなく、楽しくなかったはず。今思えば、親子で公園で遊んでいたほうが気が楽だったかも。(mika)
●義母から「児童館へ行かないと子どもの成長が遅れる!」と言われ、長男のときは首が据わらないうちから入園まで子どものためにと頑張って通いました。次男は、余裕がなく全然児童館へ行けなかったのですが、成長が遅れることもなく普通に成長。もっと気軽に行く回数を減らせばよかった。(かわさけ)
また、“ママ友を作らなければ”と力が入ってしまう人も少なくない。
●気を使いすぎてしまってママ友付き合いが得意ではないのに、子どものために私もママ友と交流をしなくちゃ、サークルにも参加しないと、と無理をしていた。たまにしんどくてサークルに行くのをさぼると、すごい罪悪感に駆られます。(まる)
●幼稚園の園バス見送り後の、ママ友とのトークが苦痛だった。逃げたくて仕方がなかったけど、母親だったらこういうときにうまく話ができて当然だと思う自分がいて、毎日2、3時間頑張りました。今考えてみたら、そこまでしなくてもよかったのかなと感じます。(まちゃろ)
母はいつも明るくやさしく。そんな“いい母親のイメージ”がママたちを苦しめていた!
●母親は家族の太陽。いつも明るく笑顔でいなければならない、子どもを愛していなければいけない……。私の母がそういうタイプではなかったから、憧れとしてもそうありたいと思うものの、なかなか難しい。(なっちゃん)
●“24時間ママでいないといけない”と思い、ずっと子どもに合わせた生活をしていた。子どもが入園するまでは一日が長く感じて、少し疲れていたと思います。(ふみ)
●子どもを怒りすぎてしまう。しかも、感情のままに怒ってしまったときに、ダメな母親だと罪悪感を感じます。(むー子)
●在宅勤務中、余裕がなく、話しかけられても笑顔で対応できない。子どもに悲しそうな顔をされると、こちらも落ち込む。(ねこだいすき)
また、母らしさを求められるファッションやメイクにも違和感が。
●独身のときはファッションやメイク、ネイルなどのおしゃれをするのが大好きだったのに、母親になったらそれらしい格好をしないといけないなと、ネイルもヘアカラーも我慢するようになって、いろいろなことが楽しめなくなっていた。子どもが小学生になり、最近は母親でもおしゃれを楽しんでもいいんだと思い直し、心が楽に。(みんくらママ)
次回は「子育てママが回答する【子育ての呪い】小学校以降編、子育てママの本音座談会」をご紹介いたします! 詳しい内容は2020年LEE5月号(4/7発売)に掲載中です。
イラストレーション/かねもと 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
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