薄井シンシアさんの「育児書を捨てよ、子どもを見よ!」

夫婦ともに英語が苦手。どう教える?【薄井シンシアさんの「育児書を捨てよ、子どもを見よ!」第3回】

 

親も英語が苦手で・・・

前回同様、今回も英語への接し方についてお話したいと思います。お伝えしたように、英語は「学ぶ」のではなく、楽しく「体験する」というのが私のモットー。「教えよう」とするから、親も構えてしまって苦しくなるのだと思います。とはいえ、「体験する」にも親の英語力がないとダメなんじゃない? と思っていませんか? そんなことはありません! 今回は、そんなお悩みについてお答えしたいと思います。

 

子どもへの教え方が分からない……

Q:夫も私も英語は受験英語で止まっていて、日常会話もおぼつかないかっこ悪いレベルです。3歳の娘はいまのところ、英語のアニメDVDなどを見ていて、本人は真似したりして楽しんでいるのですが、夫婦ともに英語力にまったく自信がないので、これからどうやって英語を学ばせていけばいいのか、親がついていけるのかと、不安です。(33歳・女性)

一緒に学ぼう!

A:私は、子育てで決めていたことがありました。娘にこうして欲しいと思うことは、親である私も同じようにやるということです。親って、その立場を使って子どもに無理を言いがちなんです。でも、子どもは意外に親の背中をよく見ているもので、自分にばかり要求して、親がそれをやらないのは「ズルイ」と感じてしまうんです。

英語環境は身近にある!

たとえば、これはバンコクのインターナショナルスクールで経験したことですが、日本の親御さんたちは、子どもに日本人同士で固まらず、外国人の中に入っていってほしいと考えている様子でした。でも私は、親のほうはどうなの? と感じていました。私はPTAの会長をやっていたので、実際に、親御さんたちにもそう言いました(笑)。

私はフィリピン出身で、英語の環境で育ちました。日本語は留学で身につけたスキル。聞くのも喋るのも英語の方が楽なんです。でも、娘に日本語の本を読ませたいなら、私も日本語の新聞を読まなければと思い、それから英字新聞はピタッとやめました。親子でいっしょにやりましょう、と。

あなたが娘さんに英語をマスターしてほしいと思うなら、親であるお二人も英語に再トライする。一緒に英語をやろうよ、という姿勢を見せることです。それがスタートではないでしょうか。

恥ずかしいのは最初だけ

では、子どもといっしょにどんな英語体験ができるのか? いろんな言語があちこちから聞こえてくる外国のようなダイバーシティーのある環境ならともかく、日本はそうではありません。肌で英語に触れる機会が少ないから、不安になるのはわかります。でも、周りを見てください。最近はコンビニやレストラン、観光地には外国人が増えてきています。私なら、まずはそういう環境で、英語を使ってみようと思います。恥ずかしいですか? でも、それは最初だけですよ。

私もウィーンでドイツ語を始めたとき、文法も発音もめちゃくちゃでしたが、エイヤという気持ちでスーパーで喋りまくっていました。単語を並べただけの会話なので、同じくドイツ語を学んでいた娘にも、「ママのドイツ語は……」と呆れられましたが、ちゃんと通じましたからね。言葉はコミュニケーションの手段だから、通じればOKなんです。将来、外国語を使う職に就くなら、そのときには、さらなる学習が必要かもしれませんが、子どものうちは、まず苦手意識を持たせないこと、楽しむことを優先させた方がいいと思います。子どもが楽しいと思えば、あとは自ら勝手に学び始めるはず。いまはその土台をつくることが大事だと思います。

 

苦労している姿を見せる

知り合いから、こんな面白い話も聞きました。両親ともに語学は不得意だけど、子どもには小さいうちから海外体験をさせたいというので、毎年、夏休みには海外旅行に出かけたそうです。しかも、都会ではなく、親が必死で頑張らないといけない辺鄙なところ。そうすると、子どもたちはパパが拙い英語で苦しんでいるのを見て、「ああいう風にはなりたくない」と思うだろうな、という算段だったみたい(笑)。思い起こせば、私にも同じ経験がありました。フランス旅行に行ったとき、夫も私もフランス語ができずにまごまごしていました。娘の方がフランス語はできたから、どう思っていたでしょうね。でも、親がそうやって苦労する姿を隠さず見せることも、ときには大切なのではないでしょうか。

上達の秘訣は「カッコ悪い道を通る」こと

娘にも、同じ体験がありました。小学生のとき、ニューヨークでフランス語を学んでいたとき、ほかの科目は全部Very goodなのに、フランス語だけ Satisfactoryだった。本人はすごいショックを受けていましたが、先生に聞くと“You never say anything”だと。そこで娘は気持ちを切り替えて、臆せずどんどん喋るようになったんです。発音も文法もまったく気にせず、伝えたいことをビャーッとね。高校生になったとき、そのことを思い出して娘はこう言っていましたね。「語学は、カッコ悪い道を通らないと、喋れない」と。

大切なのは、語学力よりも気の持ちようかもしれませんね。日本の受験英語を突破したなら、それなりのレベルがあるはずです。あとは、カッコ悪くてもいいから、コミュニケーションしたい!という強い思い。そうした姿勢を子どもに見せれば、子どもも積極的になるのではないでしょうか。ぜひ今日から試してみてください!

構成/鵜養葉子

 

 

【質問募集】
子育てのお悩みについて、シンシアさんへの質問を受け付けています。どんな些細なことでも構いません。ぜひお寄せください。採用された方には、図書カード(500円)をプレゼント致します。

シンシアさんへの質問はこちらから

薄井シンシアさんの「育児書を捨てよ、子どもを見よ!」

シンシアさんには、今、NYで活躍している娘さんがいます。娘さんは、ハーバード大学、イェール大学、プリンストン大学、ウィリアムズ大学と、錚々たる大学に合格した才媛。しかしシンシアさんは、勉強を無理強いしたことは一度もないそう。「じゃぁ、もともと出来がよかったのね……」と思ってしまいそうですが、そこには、シンシアさんなりの工夫がありました。

この連載では、子どもが無理なく楽しんで学べるさまざまなアイデアをお伝えしたいと思います。

キーワードは、連載タイトルの通り、「育児書(今は、スマホかもしれませんね)を捨てよ、子どもを見よ!」。

そう、万人に共通するメソッドなんてないのです。だから、「我が子の『育児書』は、自分にしか書けない!」という意気込みで、この連載をヒントに、我が子に合った方法を試行錯誤しながら見つけていってくださいね。

Writer Profile

Cynthia Usui

17年間の専業主婦生活の後、「給食のおばちゃん」からラグジュアリーホテル勤務を経て、現在は大手外資系企業で働きながら、講演活動や出版活動も行う。著書に『ハーバード、イエール、プリンストン大学に合格した娘は、どう育てられたかママ・シンシアの自力のつく子育て術33』(KADOKAWA)、『専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと』(KADOKAWA)がある。

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