子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、どんな言葉がけをするべき?
ケースに応じた具体的な子どもとのやりとりを、子ども対応のプロ、キッズコーチング協会理事長 竹内エリカさんがレクチャー!
子どもが「学校に行きたくない」と言ったときの心構えや、年齢による対処法の違いもぜひご参考に。
●この記事は2019年10月7日発売LEE11月号の再掲載です。
対処法を専門家がレクチャー!
「学校に行きたくない」と言われたら、親はどうすればいいの?
ある朝突然、「学校に行きたくない」と言われたら、どきっとしてしまうこともありますよね。
そんな時の心構えや対応を、具体的な4つの会話例でお届けします。
会話例1|「学校に行きたくない」と言いだしたらどう返す?
● オウム返しで子どもの本音を引き出す
「学校に行きたくない」と言いだしたら、まずは子どもの気持ちをすべて吐き出させて、全面的に受け止めて。
気持ちを聞き出す「RQR(リピート・クエスチョン・リクエスト)」のリピートが有効。子どもの言うことをオウム返しすることで、子どもは受け止めてもらえると判断します。
繰り返すと、どんどん子どもの本音が。とことん本音が言えるとスッキリして、なんでもない顔で学校に行くことも。
実際には思っていなくても「学校に行きたくないならやめてもいいよ」ぐらいまで、全面的に肯定するのがポイント。
会話例2|学校に行きたくないと思った理由はどう聞く?
前の会話例のように、子どもの気持ちを受け止めたうえで
● どうしたら行きたくなるか?を聞いてみる
「なんで学校に行かないの?」と聞いても、子どもは答えにくいもの。前の回答にある「RQR(リピート・クエスチョン・リクエスト)」を活用。リピートで子どもが気持ちを出し切ったら、親が少しずつ質問(クエスチョン)を。
特に、行きたくない理由ではなく「どうしたら行きたくなる?」と質問すると、そこに理由が隠れていることも。
その後はリクエストで、親から「先生に話す?」「友達と相談する?」など、なるべくたくさんの解決策の提案をして。
会話例3|実際に学校を休んだらどう過ごすべき?
子どもと真剣に話し合って、学校を休むと決めたら
● 1日だけは思う存分好きなことをして休養
子どもがどうしても学校を休みたいと言ったら、かなり疲れている証拠。また、自分がしたいことを100%受け入れられると回復が早いので、最低でも1日だけは好きなことをさせてあげて。
学校の話題にはあまり触れず、ゲームをしたり漫画を読んだり、親との楽しい時間が過ごせれば、すぐに心が回復して翌日にはケロッと学校に行くことがほとんど。できれば、前の2つの質問で子どもの状況や本音を把握して、ある程度の理由もわかり、今後どうするかを考えられると◯。
「みんなが勉強しているのにサボって」と焦る親の気持ちは理解できるものの、ここで無理をすると休みが続いたり、不登校につながりかねないので注意。
会話例4|仕事しているので学校に行ってくれないと困る……親の気持ちは伝える?
仕事って急には休めないんだ
● 「仕事がある」ことはキッパリ伝えてもOK
親にも自分の人生があるので、仕事があって、急には休めないことは伝えてもOK。
ただ「仕事があるから早く学校に行って!」と突き放すのではなく、気持ちはしっかりと受け止めを。「ママは仕事だけど、学校を休んだらどうする?」と子どもに考えさせてみて。
「おじいちゃんの家に行く」「ママの会社の近くで待ってる」など自由な発想で考えた末に「やっぱりママが休めるまで学校行くよ」と言いだすことも。忙しくても、短い時間でいいので、真剣に子どもと向き合うことが大切。
NGワードに注意!
理由を問い詰めることと、「行きなさい」と無理強いは×️
NGワードはいくつかあって、まずは「なんで? どうして行きたくないの?」と理由を追及すること。
簡単に理由が言えないのは、問題が深いか、複雑になっていて本人にも明確にわからないことが多いので、あまり問い詰めないで。
「行きなさい」系もNG。特に本人の言葉を軽んじて「そんなこと気にしないの」「別にいいじゃない。学校に行けばなんとかなるから」などと言うのは、子どもは親が話を聞いてくれないと判断し、心を閉じてしまいます。
「自分で先生に相談しなさい」「自分で解決しなさい」も突き放されたと思い、子どもの心の負担に。
子どもの「学校に行きたくない」親の心構えは?
キッズコーチング竹内さんの「5つの声かけのポイント」
ポイント1|誰にでもあること!重く受け止めすぎない
子どもが登校をしぶると、親は自分のしつけが悪かったのかと悩みます。でも、大人でも仕事を休みたい日はある。行きたくないことは誰にでもあるので、重く受け止めすぎないこと!
ポイント2|「学校に行きたくない」は子どもが成長するチャンス
子どもは次のステップに成長するときに問題行動を起こすもの。学校に行きたくない理由が友達なら人間関係を、先生なら大人とのやりとりを学ぶ機会。課題が潜んでいるので、ぜひ子どもと一緒に向き合って。
ポイント3|小学校低学年は、新たな環境になじめず情報過多に
小学校低学年の登校しぶりの多くは、学校という新しい環境になじめず、思うようにいかないことが原因。勉強、宿題、友達づくりと情報過多なのもつらいので、一度休むのが◯。ゆっくりと環境に慣れていけば、次第に進んで登校するように。
ポイント4|小学3、4年生は仲間をつくる過程でトラブルが発生
ギャングエイジと呼ばれるのが小学3、4年生。子ども同士の人間関係が進むことで、相手からの見られ方を気にしたり、自分が集団でどう存在するかに悩みます。
これが小学校高学年、中学生になるとさらに複雑化して、いじめや仲間はずれがあると不登校に。「学校に行きたくない」と言いだす年齢が高いほど、我慢している期間があるので、ある程度休む期間は必要。
ポイント5|先生には悩みが浅いうちに早めに相談してもOK
子どもが学校に行きたくないと言いだしたら、学校の先生にはすぐに相談しても大丈夫。
不平不満ではなく、学校での様子や状況を聞きたいという姿勢なら、対応してもらえるはず。早めに先生にも伝えたほうが、子どもを気にかけてもらえます。
撮影/細谷悠美 取材・原文/野々山 幸(TAPE) イラストレーション/漫画家 小林 薫さん
イラストを担当してくれた小林薫さんは、娘が中学生のときに不登校に。フリースクールに通ったり、私立へ転入をしながらも、現状への不満や将来への不安も……。著書『娘が不登校になりました。「うちの子は関係ない」と思ってた』(¥1000/ぶんか社)には、親子の思いが赤裸々に描かれています。
この記事は2019年10月7日発売LEE11月号『わが子の「学校へ行きたくない」に親ができること』の再掲載です。
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