見てのとおりの麗しさで、“とにかくカッコいい男の象徴”的な役を任されることも少なくない、演技派・三浦春馬さん。ところが本作『アイネクライネ ナハトムジーク』ではイケメンオーラを消し去り、ごく普通のサラリーマン・佐藤を等身大に演じている。
自分でも観て笑ってしまった愛らしいキャラクター

「“ごく普通”は難しくもありますが、聞き方や話し方など、つい出てしまう芝居のくせを一つ封じるだけでも役作りになるんです。ただ今回は支えがもう一つ欲しかったので、スタニスラフスキー(ロシアの演出家/役を生きる演技理論の提唱者)の“キャラクターからイメージする動物の動きを取り入れる”メソッドを使いました。もちろん、どの動物かは秘密ですが」
道で子どものイジメを見かけると放っておけない佐藤は、むしろ “いい人すぎる”ともいえる。
「人のよさも、不器用なところも、好感の持てるキャラクター。先輩の奥さんとの劇的な出会いの話を聞き、財布が落ちていないかキョロキョロ探す挙動不審な姿も愛らしくて(笑)。“ダメだなぁ、でもこれが佐藤だな”と、自分も観て笑っちゃう場面が多々ありました」
多部未華子さんとは、なんと恋人役で3度目の共演。演技派の2人がドキドキを盛り上げる!
「もちろん安心感もありますが、自分の苦手なところも知られているので、かなりの緊張感で臨みました。すごくいいワークパートナー感覚です。繊細な表情の変化など、すごくうまい女優さんなので、今回も引っ張ってもらいました」
本作を手がけたのは、今年、『愛がなんだ』でがぜん注目度を高めた、新進気鋭の今泉力哉監督だ。
「明確な指示をボソッとつぶやき、背を丸めて去っていく姿が愛くるしい方で(笑)。“とにかく相手を使ってあげてください”と言われ、そうだ、相手の表情やしぐさにもっと敏感になるほどリアルな表現につながる、と再確認できて。経験や自信から、自分の中で生まれた感情を出すことにとらわれすぎていたかもしれない、と初心に戻れたことに、すごく感謝しています」
佐藤を中心とした群像物語が、出会いの大切さ、人とのつながりの温かさを感じさせてくれる。
「劇的なことは起こりませんが、普通の男が10年という時間をかけ、小さな愛情や奇跡を手繰り寄せ、最後に一つの愛の形を届ける。その姿にニヤけたり、ほっこりしながら、皆さんが近しく感じてくれる恋愛映画になっています」
では、そんな三浦さんが人付き合いで大事にしていることは?
「僕は、おもしろい言葉を使う人、語彙を持っている人に惹かれる傾向があって。でも逆に、語彙が足りていないだけで、熱はあるのにそれを伝えられない人、特に年下の子たちにそういう温度を少しでも感じたら、じっくり時間をかけ話を聞きたいと思っています」
取材のたび、三浦さんの博識と研究熱心さには常々驚かされる。
「この仕事は自分が商品なので、価値を自分自身が高めていかなければならない。いいパフォーマンスのための勉強と同時に、チームでモノづくりをする、人の気持ちのつかみ方、癒し方も学びたい。休みの日は、早めに起きて稽古やボイストレーニングをするのが、一番の精神安定剤で。家でボーッとすると、“時間を無駄にした!!”と、それだけで不安になり具合が悪くなる(苦笑)。常に3カ月先、半年先の準備をしたい人間なんです」
Profile
みうら・はるま●1990年4月5日、茨城県生まれ。NHK連続テレビ小説『あぐり』でデビュー。近年の代表作に『SUNNY 強い気持ち・強い愛』『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(ともに’18年)など。ミュージカル『キンキーブーツ』の熱演も話題に。現在放送中の連続ドラマ『TWO WEEKS』に主演中。
『アイネクライネナハトムジーク』

©2019「アイネクライネナハトムジーク」製作委員会
ある日、わけあって街頭アンケートをしていた佐藤(三浦春馬)は、答えてくれた紗季(多部未華子)と知り合い、付き合うように。10年後、ついに紗季にプロポーズするが……。佐藤を中心に、不器用な人々が繰り広げる出会いと人生の選択を、10年の時を越えて描く群像劇。人気作家・伊坂幸太郎の初にして唯一の連作恋愛小説集の映画化。9月20日(金)より全国ロードショー。
撮影/戸松 愛 ヘア&メイク/倉田明美 (Cinq NA) スタイリスト/岡井雄介 取材・文/折田千鶴子
ジャケット¥70000/モールド(チノ) カットソー¥20000/スタジオ ファブワーク (ヨーク)
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