大人の女性必見! 85才にして現役の最高裁判所判事、ルース・ベーダー・ギンズバーグに迫るドキュメンタリー
2019.05.09
全米が熱狂するパワーウーマンの生きざまに惚れ惚れ、驚嘆!
『RBG 最強の85才』
85才にして(現在はすでに86才!)、現役で最高裁判所の判事を務めるスーパーウーマン、ルース・ベーダー・ギンズバーグに迫るドキュメンタリー。
関連本の出版、Tシャツやマグカップなどのグッズ販売、『サタデー・ナイト・ライブ』ではモノマネがバカ受けするなど、全米に“RBGフィーバー”を巻き起こした彼女の生きざまが、やけにおもしろい。本年度の米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞のみならず、歌曲賞にもノミネートされたことからも、注目度の高さがうかがえる。
NYブルックリン生まれの彼女は、女性の進学が少ない時代にコーネル大学に入学。そこで生涯を添い遂げるマーティンと出会い、結婚。ともに名門ハーバード大学へ進学し、子育てしつつがんに倒れた夫を支えて首席で卒業するが、女性弁護士を雇う事務所はなく、夢破れる形で……と言いながら30才でラトガーズ大学法学部の教授に。そこで立ち上げに尽力した「女性の権利プロジェクト」の顧問弁護士として法廷に立つ。女性やマイノリティの権利裁判で勝訴を重ね、’93年、クリントン大統領から最高裁判所の判事に任命される。
男女不平等が当たり前の時代、今では当然のように私たち女性が享受する権利や自由を、いかに彼女が苦闘して手に入れてくれたことか。誰の証言からも彼女が非常に控えめで物静かだということが、より魅力を輝かせる。敬愛する母の“淑女であれ、そして自立せよ”を守り抜き、“同僚の男性判事も性差別の存在を知らない。幼稚園の先生になったつもりで説き続けるしかない”を実践し続けた姿に、敬服せずにいられない。ファッションへの目配せもまたチャーミングだ。
だが最大の魅力は、対照的に陽気で社交的なマーティンとの夫婦愛。クリントン元大統領にルースを売り込んだのは自分だと、ユーモアたっぷりに語る彼の人柄にも魅了される。作りに変哲はないが、ユーモラスな金言に満ち、背すじが伸びるパワーチャージ必至作だ。
(5月10日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開)
女好きの浮気男が真実の恋を手に入れるラブコメディ
『パリ、嘘つきな恋』
新たな『最強のふたり』とフランスで大ヒットも納得!
(5月24日より新宿ピカデリーほかにて公開)
取材・原文/折田千鶴子
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