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お金のプロの「保険」と「教育費」

現役FPに聞く!保険と教育費、どう選んでいますか? vol. 2

  • LEE編集部

2019.03.09

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家計の中でも気になるのが、保険と教育費のやりくりについて。そこで、子育て中の現役FP(ファイナンシャルプランナー)に、自身が選んだ保険&教育費の貯め方、選び方を直撃取材!
プロが考えるとっておきのコツとテクをたっぷりお見せします。

この記事は2018年10月7日発売LEE11月号の再掲載です。


お金のプロのリアルな選択vol. 2
保険は最低限の保障でこまめに内容を見直す

FP事務所代表
中澤絵里さん〈仮名〉(47歳・夫51歳・子ども14歳、10歳)
16年前にFP資格を取得。出産を経て、9 年前に個人事務所を開業。ローンの審査に通らない人が増えているという現状から、主に住宅取得の際のローンなどの個人カウンセリングを行う。セミナーの講師や住宅メーカーでの相談員なども。中学2 年生と小学4 年生の二児の母。

 

収入

世帯年収 約 860万円(手取り)
 メーカー(正社員)/手取り月収: 約42万~45万円、ボーナスの年間手取り額: 200万円
 個人事務所(自営業)/手取り月収: 約13万円、ボーナスなし

総貯蓄額 約 650万円(保険含む)
普通預金100万円(毎月の収入−支出で余剰があれば貯蓄)、投資信託150万円、財形年金130万円、従業員拠出年金18万円(5000円/月、3 年目)、夫社内預金260万円

中澤さんは「貯蓄と保険を完全に別物と割り切る」という考え方で、保険をセレクト。

「夫が独身時代、保険の営業にすすめられるまま死亡保障5000万円の保険に入っていたことがきっかけでFP資格を取得したこともあり、保険についてはかなり検討。基本的には預貯金があれば必要ないので、病気になったとき今と同じ生活が維持できる範囲で保障内容を決めています。
ただ、必要な内容は加齢や子どもの成長などライフステージによって変わるので、見直しは必須。わが家が夫婦で加入している夫の会社の団体保険は1年ごとに見直せるので、知り合いががんになった際には人ごとではないと思いがん保険を、夫40代からは介護保険を追加したりと、こまめに検討中」(FP中澤さん)

 


会社の団体割引の死亡保険
(保険料7200円/月・死亡時4000万円・掛け捨て)35歳加入

医療保険
(保険料7580円/月・入院時1 万円/日、ケガ通院時2000円/日、自宅療養時3000円/日、高度医療制度1000万円までなど)35歳加入、(介護一時金50万円)45歳加入、(がん診断時一括100万円、がんの場合は入院費プラス1万円)37歳加入

» 両方合わせて保険料 14780円 /月Point 1)

 


死亡保険
(保険料1240円/月・保障500万円・満期70歳・掛け捨て)31歳加入

医療保険
(保険料5176円/月・夫の会社で家族も加入できるため夫とほぼ同じ内容・入院時1万円/日、ケガ通院時1000円/日、高度医療制度1000万円までなど)32歳加入、(介護一時金50万円)30歳加入、(がん診断時一括100万円、がんの場合は入院費プラス1 万円)33歳加入

» 両方合わせて保険料 6416円 /月Point 1)

 

第一子
学資保険Point 2)
» 海外の投資信託に切り替え 3万ドル /10年間 18歳以降で受け取り

第二子
学資保険Point 3)
» 海外の投資信託に切り替え 3万ドル /一括払い 18歳以降で受け取り

 

会社の団体保険って本当にお得?
会社などの団体が保険契約者となり、社員が加入できる団体保険。団体割引で保険料が安くなる、頻繁に更新ができて見直せるなどメリットが多いので、自分や夫の会社の保険制度についてぜひ一度調べてみて。

「学資保険」って途中でやめられるの?
学資保険の場合、低解約返戻金型終身保険とは異なり、途中で解約しても返戻金が支払われる場合が多数。ただし、保険会社や種類によっては、支払額よりも返戻金額が少なく損をすることが多いため確認が必要。

» Point 1 保険は最低限の保障で掛け捨てを選択

保険は、保険料が高くなりがちな積み立て型ではなく、掛け捨てを選択。

「基本的に保険は預貯金があれば必要ないので、いざというときのための最低限の保障があればいいと考えて、夫婦ともに死亡と医療のシンプルな保険に加入。わが家の場合、例えば夫の死亡保険は保障額が4000万円、さらに医療保険にがん特約などをプラスした内容。
本来なら合わせて2 万円以上でもいいくらいなのに、合計で1 万5000円を切るところに団体保険のお得さを感じています」(FP中澤さん)

 

» Point 2 高齢出産のため、下の子の学費を手厚く準備。学資は解約し、海外の投資信託をチョイス

妻36歳、夫40歳のときに第二子を出産。夫の退職時期と第二子の大学進学が重なるので、下の子の学費を先に一括払いで用意したそう。

「学資保険は途中で解約し、学資目的で積み立てる海外の投資信託を選択しました。
外貨建ては、払い込み時より円高になったときに換金すると返戻金が元本割れする為替変動リスクがあるので、学費作りには避けがちなもの。でも私が検討したときは1 ドル=80円を切る金額だったので、満期時に円安ならそれだけでも得だと判断し、ネットで資料請求をして手続きを取りました。
ただやはりリスクはあるので、購入する際は検討が必要だと思います」(FP中澤さん)

 

» Point 3 早期購入のため、家のローン返却と学費の貯めどきがバラける

32歳頃マイホームを建て替えて、二世帯住宅のため、両親も頭金を負担。また、借り換えや繰り上げ返済もあり、今後1 年で完済予定。

「第一子が中学3 年生で完済なので、ローンにあてていたお金は、教育費や老後の資金に。大きなお金を貯めるタイミングは、ずらせると安心です」(FP中澤さん)

中澤さん経歴

 

18歳 建築会社に就職。住宅ローンの窓口業務
仕事で必要だったため20歳で簿記2級、22歳で宅建などの資格を取得。
29歳 結婚
結婚後に夫の保険を調べてみたところ、独身時代に保険の営業にすすめられるまま加入した保険内容に驚愕!なんと死亡保障5000万円の保険に入っていた。保険会社への不信感が募り、FPの資格に興味が。
31歳 FP資格取得。夫婦で保険見直し
夫の保険内容への不信感に加え、夫の会社で確定拠出年金が開始したため、もっとお金について知ろうとFP資格を取得。夫婦で保険内容をスリム化。1年ごとに更新できる団体保険のため、見直しも簡単。同時期に、二世帯住宅で家を建て替え。
32歳 退職
33歳 第一子出産。学資&がん保険加入
若くしてがんになった職場の先輩の存在をきっかけに、がん保険にも加入。
36歳 第二子出産。学資保険に加入
38歳 FP事務所開業
前職の退職後、不動産業でアルバイト、住宅ローンの講座、FP仲間との勉強会などで知識と人脈を少しずつ増やし満を持して事務所を設立。
43歳 学資保険を解約。海外の投資信託を購入
第一子9歳、第二子5歳のときに、学資保険を解約し海外の投資信託に切り替え。返戻金270万円のうち、240万円で第二子の分を一括払い。

 

学費は、なかなか増えない学資保険を思い切って解約!

「金融に詳しい友人から、学資目的で積み立てる海外の投資信託の存在を教えてもらったのがきっかけで、学資保険の解約を考え始めました。
加入からの期間や保険の種類などにもよるのですが、私の加入していた学資保険は中途解約しても返戻金があるということで乗り換えを決意。外貨建ては為替によって元本割れの可能性も大きくあるので、今後円高になった場合は教育費にあてるのはやめ、外貨預金として保管。現在の貯蓄の中から第一子の学費を捻出する可能性も視野に入れています」(FP中澤さん)


イラストレーション/macco. 取材・原文/野々山 幸
この記事は2018年10月7日発売LEE11月号『お金のプロの「保険」と「教育費」大公開!』の再掲載です。

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LEE編集部 LEE Editors

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