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北欧に暮らす日本人の家/2018.LEE11月号

【北欧インテリアルポ】日本の民芸と北欧デザイン、意外な組み合わせを試すのが楽しい

2018.10.13

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LEE11月号の別冊付録は、大人気、北欧インテリアルポ!
今回は、北欧に暮らす日本人の家を訪ねました。

豊かなライフスタイルの裏側にある文化や習慣、考え方。日本のものと北欧のものの相性のよさ。その素敵な組み合わせ方。
両方のインテリアや暮らし方を知っている方々から、心地よい暮らしのヒントをうかがいます。

 

インテリアショップ「COMMON」オーナー
中村雅子さん、中村浩介さん

 

日本で北欧アイテムを扱うショップに勤務していた浩介さん。2004年に夫婦で移住し、2007年、ヘルシンキに「COMMON」をオープン。扱っているfog linen workやSyuRo、白山陶器など、日本のものはヘルシンキでも人気です。

住まいは仕事場のショップから徒歩2分。通勤時間が短いこともあって、日本より生活ペースがゆっくりになり、家で過ごす時間が増えたという夫妻。

家族がいつも集まるダイニングテーブルはエーロ・アールニオのヴィンテージ。長男、天悟くんの宿題スペースにもなっています。
ヨーナス・ボリーンの銅のランプがアクセントに。出窓は本や絵を飾るコーナーです。

インテリアのベースは何にでも合う白。ラグやクッションのさし色を空間の半分以下に抑えれば、鮮やかな色や大柄も挑戦しやすくなります。冬が長いので、植物は意識して取り入れているそう。

白い空間のポイントになるポスターは、天悟くんも好きなキース・ヘリングの作品。天井が高い空間にイサム・ノグチの和紙ランプが映えます。ベッドにかけているファブリックは’70年代のマリメッコのデザイン。

こちらは絵画教室に通う天悟くんの絵のコーナー。飾るコーナーを決めると空間がすっきり保て、家族で話題にすると本人のやる気にも。ヴィンテージベンチには日本の友人からもらったノッティング(座布団)を。

「日本ほど外食の選択肢が多くないので、おいしいものが食べたければ自分で作るしかない(笑)。お茶も日本ではペットボトルだったのが、急須できちんといれるようになりました」

お気に入りは、フィンランドのヴィンテージ、ウッラ・プロコッペデザインのティーポットと、沖縄民芸の個性的な柄の湯飲み。物の背景は違うけれど、温かみのある組み合わせです。

人が集まったときに活躍する小石原焼の大皿は、抑えた色彩がフィンランドの空間に似合います。深い色の琉球本藍デニムのランナーとメリハリをつけて。

「シンプルなもの同士はもちろん相性がいいけれど、どっしりと厚みのある民芸をすっきりした北欧のデザインに合わせるのもおもしろいと気づいて」

フィンランドに来てから、日本の地方の豊かさを再発見したのだそう。

もうひとつ、フィンランドで気づいたのは、家具などの経年変化の美しさ。質のいいヴィンテージが手に入りやすく、フリーマーケットで食器や植木鉢を探すのも楽しみです。

来客時に活躍するアルテックの「スツール60」は色違いでそろえて。重ねられるので場所をとりません。経年美も魅力で一番上はヴィンテージ。

「とはいえ家具は最小限に、それ以外のものもなるべく増やさないようにしています。増えすぎたら処分するか、アパートの倉庫にしまうのがルールです」

本当に必要なものを見極める、それが好きなものに囲まれながらすっきり暮らす心得です。


Photograph/Chikako Harada Coordination/Masako Nakamura Original Composition&Text/Taeko Ishii Masami Fukuyama

※詳しくは2018年10/7発売LEE11月号別冊付録をご覧下さい。

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