冷房による手足の冷えや、ずっと続くだるさを「仕方ないもの」と思っていませんか?
実はその不調、「血流アップ」で改善することができるんです!
不調撃退のカギは、私たちの体に無数に張り巡らされた血管と、そこを流れる血液。
血管の老化を防ぎ、血流をよくするテクニックを、専門家がたっぷりレクチャーします。
まずは、あなたの「毛細血管」の状態と、なぜ毛細血管が重要なのかをチェック!
CHECK LIST □ 疲れやすく、風邪を引きやすい |
▼
▼
▼
実はこれ、全部「毛細血管」の老化のせい!
病気じゃないのに不調が続く、肌や髪などのカサつき、しぼみ。こうした健康や美容のさまざまな問題は、血管と血流が大きなカギを握っています。
体の隅々まで血液を運んでいる毛細血管が老化して使われなくなり、血液が末端までしっかり流れていないことが、これらの問題を引き起こしているのです。
0~2個当てはまる
▶ 危険レベル1 隠れ「ゴースト血管」に注意!
今のところ危険度は低いですが、休眠中の毛細血管をしっかり復活させられれば、もっと元気に&若々しくいられます。
3~5個当てはまる
▶ 危険レベル2 着々と衰えています
すでにいくつか症状が表れているあなた。このままの生活を続けていると、危険レベル3 になるのは時間の問題……。
6~8個当てはまる
▶ 危険レベル3 今すぐケアを!
夏に限らず、一年中何かしら不調があるのでは? できることからケアを始めて、老化の加速にストップをかけるべし!
「血管=動脈や静脈など太いものをイメージする人が多いと思いますが、実は全身の血管の99%は毛細血管なのです」と話すのは、webマガジン『OurAge』の連載「Dr.根来の体内向上プロジェクト」でもおなじみ、ハーバード大医学部客員教授、医師、医学博士の根来秀行さん。
「毛細血管は直径100分の1㎜にも満たない超極細の血管で、肉眼では見えません。ですが、これらは私たちの体を構成する60兆個の細胞すべてに酸素と栄養素を届けるために、体中のありとあらゆる場所に張り巡らされており、いわば人体最大の臓器。
毛細血管は酸素や栄養素のほか、免疫物質、ホルモンなどの物質を細胞へ届けたり、体温調節を担うなど、命の営みの最前線として働いています。私たちが日々生きていられるのは、毛細血管のおかげなんですね」
体の必要な場所に栄養や酸素を届ける
体中すべての細胞に、生命活動に必要な酸素と栄養素を届ける毛細血管は、さながら命の最前線に必要物資を届ける配達員。
そして、二酸化酸素や老廃物などの不要なものを回収して、健全な"現場"を維持しているのです。
体にとって、とても重要な毛細血管。「ところがこの毛細血管、年齢とともに徐々に劣化していきます」と根来さん。
「毛細血管の壁を構成する細胞の結びつきがゆるくなり、隙間が広がって、各細胞へ届けるべき酸素や栄養素、細胞から回収した二酸化炭素や老廃物が外に漏れ出してしまうのです。
この状態がさらに悪化すると、血管がもろくなり、血液がきちんと流れない『ゴースト血管』になっていくことも。
機能が落ちて使われなくなった血管は、やがて消えていきます。こうなると、細胞に酸素や栄養素が届きにくくなり、新陳代謝ができなくなったり、免疫が機能しなくなったりして、さまざまな不調や病気を招き、体が老化していくのです」
健康な血管
末端までのびて血流もしっかり
毛細血管が先端までのびており、太さも均一。血液が先端まで行き渡り、必要な栄養素や酸素を細胞にしっかりと受け渡すことができる。
ゴースト血管
管はあるのに血液が流れていない
毛細血管の輪郭はあるものの、形が崩れて不揃い。血管内に血液が流れておらず、血管の一部は消えかけ、退縮してしまっている部分も。
(提供:あっと株式会社血管美人)
「だいたい30代から毛細血管の劣化は始まり、60代では20代の4割減になるといわれます。でも安心してください。毛細血管は自分で増やすことができるのです。毛細血管の先まできちんと血液を流し、血管を使ってあげれば、衰えていたものもよみがえります」(根来秀行さん)
血液の流れがあるとゴースト血管が復活
衰えていたゴースト血管にきちんと血が流れるようになれば、血管が復活。細胞の新陳代謝が活発になり、不調改善や若返りも!
では、血管を復活させるために、どんなことをすればいいのでしょうか?
「必要なのは、特別なことではなく、毎日の睡眠や食事、運動といった、ちょっとした生活習慣のテクニック。血流を上げ、血管をゆるめて、傷ついた血管を修復する時間を作る。この3つを心がければ、誰でも毛細血管を増やすことができるんです。
暑いから、年だから仕方ないとやり過ごしていた不調や悩みも、毛細血管を増やすことで、きっと解決するはずですよ」(根来秀行さん)
次回は、生活習慣の見直し編。日々老化する毛細血管を修復し、血流をよくするために最も重要な「睡眠」についてお届けします。
イラストレーション/多田景子 取材・原文/遊佐信子
※詳しくは2018年8/7発売LEE9月号をご覧下さい。
LIFEの新着記事
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。