CULTURE NAVI「CINEMA」

エンドクレジットにも驚きが! 想像をはるかに超える波瀾万丈、アイ、トーニャ半生の実話

フィギュアスケート界を揺るがした衝撃の実話に仰天!

『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』

©2017 AI Film Entertainment LLC

世界を震撼させた“ナンシー・ケリガン襲撃事件”を、うっすら覚えている人もいるのでは? 冬季オリンピックの中で最も華やかな女子フィギュアスケート界で起きた、仰天の実話をつまびらかにしたのが本作だ。’94年のリレハンメル五輪前にライバルのナンシーを襲撃させたとされるトーニャ・ハーディングとは、一体どんな人物なのか。そしてトーニャ自身が関与を否定する事件の真相は!?

女子史上2人目(初は日本の伊藤みどりさん!)でトリプルアクセルを成功させ、2度オリンピックに出場したトーニャが、赤裸々にカメラの前で半生を振り返る冒頭から、その佇まいに驚いてしまう。控えめに言ってもかなり品がない。

物語は回想へ飛び、3歳のトーニャが貧困脱出のためスケートを習わされ、毒母に罵倒されながらスケート漬けの日々を送る、そのエピソードに納得! 衣装も母、後にトーニャ自身の手縫いである(それゆえ趣味が悪い)。やがて頭角を現すが、技に比して点が伸びない。詰め寄る彼女にスケート協会は“スケートではなくあなた自身が理由”とまさかのNG! さらにダメ男と結婚してDVに晒され、世界選手権メダリストなのにウェイトレスでバイト等々、すべてが仰天尽くし!

そしてある日、「オリンピックに出るなと脅迫された」と単細胞な夫に相談すると、あらぬ計画が動き出し……。徹頭徹尾“まさか”の連続だ。

’91年に全米初優勝し一躍時の人となった、トーニャのスケートシーンも大きな見どころ。彼女を演じるマーゴット・ロビー(『スーサイド・スクワッド』でプチブレイク)の、どこからが代役かわからぬ入魂のスケーティングに驚嘆! 個性的な毒母(アリソン・ジャネイが本年度アカデミー賞助演女優賞受賞)による、観客の悲鳴と噴き出しを同時に引き起こす妙演も最高だ。

果たしてトーニャを好きになれるかは人によるが、想像をはるかに超える波瀾万丈な半生には、人を惹きつけずにおけないものがある。エンドクレジットにも驚きが隠されているので、最後までお見逃しなく!(全国ロードショー中)

沖田監督の紡ぐ時間を五感で感じて、心豊かに

『モリのいる場所』

©2017「モリのいる場所」製作委員会
94歳の画家、モリこと熊谷守一(山﨑努)は30年間ほぼ外出することなく、古い家屋と庭がすべて。草木や虫を観察し、毎日それなりに忙しく過ごしている。妻の秀子(樹木希林)に支えられ、毎夜アトリエに通う一日がゆっくり紡がれる。監督は『南極料理人』『横道世之介』の沖田修一。ユーモラスな世界観は変わらず魅力的で、クスリと何度も笑ううち、心が豊かになるよう。(5月19日よりシネスイッチ銀座ほかにて公開)

取材・原文/折田千鶴子

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