2018年の4月から生命保険の保険料(毎月払っているお金)が下がるというニュースを見聞きした人も多いでしょう。これは保険会社が保険料率を算定するために使う「標準生命表」が11年ぶりに改訂されるため。
簡単に言えば、これまでの想定より長生きする人が増えたので、保険会社が払う死亡保険金がもっと少なくなると想定され、そのぶん加入者が払う保険料も減らせるようになった、というわけです。ただし、今すでに加入している保険の場合は対象にはなりません。4月以降に新たに死亡保障に入るケースや、定期保険に入っている人は次回の更新時に、引き下げになった新しい保険料で計算されると思われます。一律で下がるのでは、と思っていた人は残念!
しかし、逆に長生きすると支払いの機会が増えてくると想定される保険もありますよね。医療保険やがん保険などがそれ。今回の改定では、死亡保障の保険料が下がる代わりに、医療系保険は値上がりするのではと言われていました。しかし、ふたを開けてみると各社とも保険料は据え置きというところがほとんど。というのも、今、加入数が増えているのは、こうした生存給付型の保険。病気になったら、働けなくなったら、介護が必要になったら…と、生き続けるために必要なお金を受け取るための保険が販売の主流なのです。
生命保険文化センターの調査(2015年)でも、保険加入の目的は「医療費や入院費のため」(58.5%)が、「万一のときの家族の生活保障のため」(53.1%)を上回っているうえ、直近に加入した保険のなかでは、前回調査より医療保険の伸び率が19.7%→24.4%と、どの種類よりも高くなっています。こうした加入者の志向に加え、ネットで条件を入力すれば各社の保険が横並びで比較できてしまう時代ですから、少しでも保険料を安くして自社を選んでもらいたいと考えると、なかなか上げにくいというわけです。
入院保障のついた医療保険は必要?
しかし、保険は他の買い物とは違い、保険料が安いから入ろうというものではありません。入院日数が減ってきている昨今では、特に入院を基本条件とした医療保険の意義が薄れてきています。厚生労働省の調査によると、病院では0~14日までの短期入院が67%を占めているのです。もし、日額5000円の給付を受けたとしても14日の入院なら7万円。手術をして5万円の給付金を受けた場合でも合計12万円ということに。受け取れる額はそれほど多くありませんね。この先10年20年30年と保険料を払い続けるといくらになるかも計算したうえで、加入の検討をするべきでしょう
また、高額の医療費がかかった場合でも自己負担に上限がある高額療養費制度や、病気やケガで会社を長期に休む際に健康保険から支給される傷病手当金など、公的な保障制度もあります。そういう知識を持つことと、いざという時に使えるお金を貯めておくことも心強い備えになるでしょう。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。