“岡田杏里の企画展│Anoches vi un sueño/昨夜わたしは夢をみた”へ。@JIKE STUDIO/横浜
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TB はな
2024.07.08
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(※写真撮影およびブログ掲載の許可を快く頂いております。ありがとうございます…!)
Special Exhibition@Jike Stuidio
│企画展│岡田杏里の世界展
「Anoche vi sueño/昨夜わたしは夢をみた」にお邪魔しました
日本とメキシコを拠点に活動されている、東京藝大ご出身のアーティスト・岡田杏里さんの企画展「Anoche vi sueño/昨夜わたしは夢をみた」にお邪魔して来ました。(現在、会期は終了しています。投稿までタイムラグがありすみません…)神奈川県の北横浜に位置する里山、寺家ふるさと村内のギャラリー兼カフェ“JIKE STUDIO”にて開催されていました。
1歩ギャラリーに踏み入ると、鮮やかで大胆な色遣いと絵画一つひとつに宿ったストーリー性、岡田杏里さんワールドに圧倒されます…!JIKE STUDIOにおいては2年ぶり2回目の企画展なのだそうです。
Anri Okada
絵画作品・コラージュ作品
カラフルで愛らしい絵柄の中に或る重厚なテーマ
東京藝大の大学院では壁画を専攻されていたという岡田杏里さん。メキシコシティを拠点に、国内外で作品を発表されるほか、世界各国で壁画、版画、セラミック、インスタレーション等を制作されるなど多方面で活躍されているアーティストさんです。訪れた土地の神話や詩、言い伝え、伝統、日常生活と非日常の風景から着想を得て、現実と幻想/土着と外来/生と死/光と闇/内側と外側/原始と現代/大胆性と繊細性など相反する要素を鮮やかな色彩で表現されているのが特徴です。2022年には、岡本太郎現代芸術賞(通称TARO賞)を受賞されています!!
岡田杏里さんが制作拠点として住まわれているメキシコは、かつてマヤ文明やアステカ文明が栄えた歴史的背景があります。岡田杏里さんは先住民インディへナの村や遺跡・教会・博物館でのフィールドワークを通してインディへナの古代美術に見られる土着文化に触れられたり、オルメカ族・サポテカ族・ミシュテカ族の人々が1,500年以上原住していた、原住民の文化が色濃く残るオアハカ歴史地区に半年住まわれていた頃に、死に直面する経験もされたのだとか…!!
死と隣合わせになる経験以降、作品に「黒」を使うようになったのだとか。
私の中で、メキシコを舞台にした映画と言えば、ディズニーピクサー共同制作の『リメンバー・ミー』!!メキシコでは日本のお盆のような「死者の日」という催しがあることや、鮮やかな色彩の切り絵「Papel Picado(パペルピカド)」の存在も映画を通して初めて知った訳ですが…、死者を想って音楽会を開いたり、マリーゴールドの花を散らしたり…「死」に対してもメキシコ人って明るくて陽気なんだな…と驚いたのを覚えています。先述の通り、岡本杏理さんは2022年に岡本太郎現代芸術賞を受賞されていますが、岡本太郎氏もメキシコに強い興味関心を示されていたことで有名で、メキシコを「生と死が抱き合っているような国」と表現されています。
動物モチーフや色遣いがいちいち可愛くて。いつか壁画も実際に見てみたいです…!
岡田杏里さんがメキシコで一番最初に惹かれたのは、アステカ文明の遺跡から発掘された「マスク」なのだそうです。6世紀に滅びたテオティワカン文明時代に作られたマスクを、15世紀のアステカの人々が文化財とともに掘り起こし、磨き上げ、再び神殿に埋めて神聖化したものだとか。マスクは映画『リメンバー・ミー』にも出て来ますよね。カラフルに絵付け・飾り付けされた骸骨マスク「カラベラ」は死者の日に街中で見られるようです。岡田杏里さんはご自身の作品にも「アステカ神話」と題したものがあります。また、マヤ文明の神話「人はトウモロコシから作られた」をモチーフにしたものや、マスクのようにも見える顔のオブジェも。
そんなメキシコ・スピリットが反映された岡田杏里さんの作品群は、メキシコの人達の屈託のなさ・陽気さを感じます…!
メキシコでは、動物たちも家族のように考える文化が息づいており、『リメンバー・ミー』でもそれが感じられました。
今回の展示会のテーマは、「昨夜わたしは夢をみた」。女の子が寝ている横でムカデが浮いている絵が印象的です。
Ceramics…
セラミック作品も!
岡田杏里さん絵付けの酒器やオブジェ、小皿など
メキシコの「Taller Mono Rojo」工房で作られたという、セラミック作品。工房の人たちが器を作り、岡田杏里さんが絵付けをされたそうです。お皿いろいろ。岡田杏里さんご自身の生まれた干支がヘビ年だそうで、蛇モチーフの作品が多いような。マヤ文明の歴史が残る、メキシコのチェチェン・イッツァ遺跡にあるピラミッド「エル・カスティーヨ」では1年のうちたった2回、春分と秋分だけに降臨するククルカン(ヘビの神様)が祀られているそうです。
酒器やボウルなど。
蛇のオブジェ。カラフルで可愛い。我が家にもヘビ年生まれの子がいるので買って帰れば良かったなぁ…。
不思議な生きものたち…。
今回の展示を通して、岡田杏里さんが作品を通して訴えかけるメッセージ性や、ひいては岡本太郎氏とメキシコの関係性、古代アステカ文明やマヤ文明、先住民の神話や土着文化…に俄然興味が湧きました。(正直、個人的にこれまでノーマークだったことだらけです…)
岡田杏里さんもJIKE STUDIOも、展示会情報などをInstagramやFacebookにて発信されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね◎
TB - はな
主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー
41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。
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