シンプルで素朴ながら素材の風味をしっかり感じられるスイーツに定評がある、京都の大人気カフェ『歩粉』。“優しい”味わいを、おうちでも再現できる“易しい”レシピで、店主・磯谷仁美さんに提案していただきます!
Vol.
036
おもてなしのデザートにも!「バターミルクパンナコッタ」
バターミルクとは、日本では聞きなじみのないものですよね。アメリカでは牛乳コーナーの周辺に置かれていて。ふわっとした食感のスコーンやパンケーキを作るときに使ったり、スープやソースのコクや風味付けとして使われたりしています。
今回は日本では手に入りにくいバターミルクの代用として、牛乳とヨーグルトをミックスしたものを使い、柔らかな酸味を感じるバターミルクパンナコッタが完成しました。
12月はクリスマスもあり、親しい人と食事をともにする機会も多い時季。可愛い型から抜いて、真っ赤なジャムソースを添えたら、一気にみんなの笑顔が溢れること間違いなし! 食事の最後にも重たすぎないプルンとした今回のパンナコッタ、何度も作っている私のお気に入りレシピです。
材料(70ccのプリン型 約7個分)
- A
- 生クリーム 200g
- 牛乳 100g
- きび砂糖 30g
- 塩 0.5g
- バターミルクの代用
- プレーンヨーグルト 70g
- 牛乳 30g
- B
- ゼラチンパウダー 7g
- 水 30g
- ジャムソース
- ジャム 70g (お好みのジャムで。今回はミックスベリーのジャムを使用)
- 水 50g
- きび砂糖 5g
- レモン汁 5g
下準備
- バターミルクの代用のヨーグルトと牛乳を混ぜておく。
- 小さな器にBの水を入れ、ゼラチンパウダーを振り入れて、ふやかしておく。
- ジャムソースを作る。小鍋に材料全てを入れて中火にかけながら火を入れる。好みのとろみになってきたら火を止めて冷ましておく。
作り方
- 鍋にAを入れゴムべらで混ぜながら中火にかける。きび糖が溶けてきて50℃くらいになったら(指を入れて少し熱いと感じるくらい。やけどに注意)、準備しておいたゼラチンを加え、弱~中火で溶けるまで混ぜる。準備しておいたバターミルクの代用も加えて混ぜ、こし器でこして、ボウルの底に氷水をあてて冷やしながらとろみがつくまでゴムべらで混ぜる。
- 水でぬらした型に 1を流し入れ、冷蔵庫で2時間以上冷やし固める。
- 2を型から外す。ボウルに50℃くらいのお湯を用意し、型の底を3秒ほど温め、型の口に平皿をのせてひっくり返し、ゆすりながら外す。好みでジャムソースをかけて出来上がり。
バターミルクパンナコッタのことを私が知ったのは、アメリカ・バークレーの「シェ・パニーズ」というオーガニックのレストランでインターンとして厨房の中のお菓子部門にいた頃。
バターミルクパンナコッタが、1年を通してたびたびデザートとして出されていたのです。横に添えるソースは、その時々の季節によって、ブルーベリーだったり柑橘系だったりといろいろ。
今回は、型から抜いてソースをかけて……という提案なので、ゼラチンでしっかりと固めていますが、
型から出さないで、容器ごとそのまま食べるという場合なら、ゼラチンの量を減らして少し柔らかめの食感にしてもおいしいですよ。私はどちらのタイプも好き。その時の気分で変えてみるのもよし、なのです。食感も自由に調整して、お楽しみくださいね。
さて、この連載は今回が最終回。
当初、LEEwebでのお菓子レシピ連載のお話をいただいた時には、「20代の頃からずーっと私の感性を育むうえでもお世話になってきた雑誌だ~」ということで、「私で大丈夫ですか?」と恐縮していたのですが…
この連載のテーマが “簡単に作れておいしいお菓子” ということで、これは大変だぞ!と思いつつ、私のできる限りのお菓子に対する知恵と舌を頼りに頑張ってみよう!とお引き受けしてから、あっという間に3年が過ぎました。
おいしいお菓子を作るのは、手間と時間が必要な場合もありますが、できるだけ手軽に作れて、しかもちゃんとおいしい!という、どっちもいいトコ取りは、レシピを考えるのに工夫が必要でした。
そんな制限がある中でも、自分でもこんな簡単でこんなに美味しいなんて!って自画自賛できるようなレシピが生まれたり、こちらのコーナーの担当編集者さんが毎回いち早く作って感想をくださるのが、いつも私のモチベーションアップとなっていました。
もちろん読者の皆さまの「作ったよ~」の投稿が、いつも励みとなっておりました。
楽しい時間を本当にありがとうございました。
連載が終わってもLEEwebでレシピのアーカイブは見れるようなので、また何回でも思い出しては楽しんでいただけたら嬉しいです。
私ごとですが、歩粉の京都の店舗が、この12月いっぱいで閉店となります。
歩粉はまた形を変えて続いていきますので、これからもおいしいお菓子、楽しいお菓子時間を発信していきたいという変わらない気持ちでいます。
歩粉・ 磯谷仁美を、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Staff Credit
製作・撮影/磯谷仁美 バナー写真撮影/津久井珠美
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