ミートソースと一口に言っても、主役の肉のチョイスから、人それぞれに個性あり!調味料使いで新鮮な味になったり、ぐっと時短になったり・・・
LEE1月号では、人気料理家が試行錯誤の末たどり着いたおいしさの秘密を、どどーんと大公開!
第2回目は、料理家・小堀紀代美さんのレシピ。あっさりがおいしい、大人の"白い"ミートソースです。
「牛肉と赤ワインで作るしっかりした味のミートソースも好きなのですが、もうひとつうちの定番が、白ワインで作るタイプ。あっさりやさしくて、ちょっと大人っぽい味になるんです。あっさり味の分、肉は牛肉だとちょっと強いので、合いびきに。野菜は玉ねぎ、にんじんをやや少なめ、セロリを多めに。甘味が控えめになって、すっきり仕上がります」(小堀さん)
わが家の肉
合いびき肉を先に焼きつけて
肉は合いびきで、できれば粗びきにしてもらうのがおすすめ。鍋で煮込む前に別のフライパンで焼きつけて余分な脂や水分をペーパーで取ると雑味が抜け、うま味が増す。
わが家の味つけ
白ワインでやさしい味わいに
ミートソースといえば赤ワインのイメージがあるけれど、白ワインを使うのが新鮮。しっかり食べごたえはあるのに、やさしく、いくらでも食べられそうな仕上がりに。
わが家の野菜
セロリ多めで甘味を控えめに
割合的に玉ねぎは少なく、セロリがやや多め。甘味が控えめになり、大人っぽく仕上がるのに一役買っている。トマトは生だから煮込み時間が短く、フレッシュ感が残る。
ミートソースレシピ
材料・作りやすい分量(パスタ8人分)
- 合いびき肉……800g
- にんじん……小1本
- セロリ……2本
- 玉ねぎ……1.5個
- トマト……2個
- にんにく……1かけ
- オリーブオイル……大さじ3と1/2
- 白ワイン……200㎖
- ケイパー(酢漬け)……大さじ3
- 塩……小さじ2
- 黒こしょう……適量
- ローリエ……2~3枚
- タイム……2~3本
作り方
- にんじんは皮をむいて細かいみじん切りにする。セロリ、玉ねぎもみじん切りする。トマトは湯むきして叩く。にんにくは皮をむいてつぶす。
- 鍋にオリーブオイル大さじ2とにんにく、タイムを入れて弱火にかけ、にんにくがきつね色になったら取り出す。にんじん、セロリ、玉ねぎを加えて弱めの中火にし、塩少々(分量外)振って、透き通ってしんなりするまでじんわり炒める。トマトを加えて水分を飛ばすように炒めて火を止める。
- フライパンにオリーブオイル大さじ1と1/2を入れて熱し、合いびき肉の表面の水気をペーパータオルでぬぐって加えて平たく広げる。しばらく触らずに香ばしく焼きつける。水分と脂が出てきたら、ペーパータオルで取る。
- 焼き色がついたら返してもう片面も焼き、へらで大まかにほぐす。塩と黒こしょうを振って炒める。白ワインを加えて煮立てながらへらで鍋底のうま味をこそげ取る。
- ④、ケイパー、ローリエを②の鍋に加え、フタをして弱めの中火で10分煮込む。フタを取ってさらに10~15分ほど、水分を飛ばすように煮る。時々、鍋底が焦げないようにへらで大きくかき混ぜる。水分がほぼなくなれば出来上がり。
あっさりなのに深いおいしさ
ペンネ ミートソース
材料・2人分
- ペンネ……140g
- ミートソース……出来上がりの1/4量
- オリーブオイル……小さじ2
- イタリアンパセリ(刻む)、黒こしょう……各適量
作り方
- 鍋に、水1.5ℓに塩小さじ1と1/3程度(分量外・水に対して約0.6~0.7%の塩)を入れて沸かす。沸いたらペンネを入れて袋の表示時間の2~3分短めにゆでる。ゆで汁を1/2カップ程度とっておく。
- フライパンにミートソースとゆで汁1/4カップを入れて中火にかけ、ペンネとオリーブオイルを加えて煮からめる。途中、味をみてペンネがかたければ、様子をみながらゆで汁を大さじ1 ずつ加え、ほどよいかたさになったら出来上がり。器に盛って、黒こしょう、イタリアンパセリを振る。
※塩辛いようならゆで汁ではなくお湯を加える。
フリッタータ
「オムレツの具にすると一気に豪華なおかずになります。普通のオムレツでもいいですし、今回はスキレットで作る、ちょっとおしゃれなフリッタータに」
材料・1~2人分
- 卵2 個
- 塩ひとつまみ
- パルミジャーノチーズ(粉)大さじ1
- ミートソース大さじ2
- バター10g
- イタリアンパセリ(刻む)、黒こしょう各適量
作り方
- ボウルに卵を割り入れ、塩、チーズを加えてほぐす。
- 小さいサイズのスキレットを中火で温め、バターを入れる。バターが溶けたら①の卵液を入れて、フォークでくるくると空気を入れるように2 、3回かき混ぜ、ミートソースを数カ所に落とし入れる。
- そのままオーブントースターに入れて、4~5分焼く。仕上げにイタリアンパセリ、黒こしょう、粉のパルミジャーノチーズ(分量外)を振る。
「パスタは種類を選ばず何でも合うのですが、ショートパスタは時間がたってものびないので、人が集まるときの一品にするのもいいですね」(小堀さん)
次回はMakoさんのミートソースをお届けします。
撮影/濱松朋子 スタイリスト/朴 玲愛 取材・原文/海出正子 本誌編集部 撮影協力/UTUWA
詳しくは2016年12/7発売のLEE1月号に掲載 [最新号] 試し読み・定期購読はこちら
小堀紀代美
料理研究家
料理家。料理教室「LIKE LIKE KITCHEN」を主宰。食卓に映えるおしゃれで美しいおやつから、シンプルで簡単なのに見映えのするふだんのおかずまで、幅広いオリジナルレシピが人気。著書に『ライクライクキッチンの毎日和食』(枻出版社)など。