ブラジル生活最終章はリオのカーニバル。踊ってふれあって「今日」をゴキゲンに!【駐妻ライター佐々木はる菜の 海外で見つけた「暮らしのヒント」Vol.9】
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佐々木はる菜
2023.03.19
今度はアルゼンチンへ異動!…の前に訪れたリオのカーニバル
昨年から夫の海外転勤でブラジル・サンパウロに住んでいる我が家ですが、なんと4月から今度はアルゼンチン・ブエノスアイレスへ住むことになりました!
私と子どもたちの渡航はコロナ禍で約2年延期し(これまでの変遷はコチラ)、やっと家族揃って楽しく過ごしていたところ、8か月経たないうちにまた違う国へ…
そんな心身ともに慌ただしい中ですが先日、カーニバルを観にリオ・デ・ジャネイロへ行ってきました。
ブラジルから最後となる記事をお届け!
間近で観ることのできたパレードはもちろん、ブラジルと言われ思い浮かべる方も多いコルコバードの丘に建つキリスト像などを訪れたことはまさに一生に一度の経験。でもそれ以上に心に残ったのが現地の方々とのふれあいでした。
街じゅうに溢れる華やかな仮装をした人々の湯気が出そうな熱気を体感でき、私がこれまで感じてきたブラジルという国の良さが凝縮された旅でもあったと感じてます。
ブラジルからの記事は今回が最後!
そこでお世話になったブラジルへの感謝の気持ちも込めて、カーニバルを軸に面白かった印象的な出来事や驚きをご紹介しつつ、私が今後の人生でも大切にしていきたいと考えている、ブラジルで学んだ「暮らしのヒント」についても書かせていただきたいと思います。
リオ・デ・ジャネイロが1年で1番熱狂する日
リオに降り立ちまず感動したのが、遠くに本物のキリスト像が見えたこと!
その興奮冷めやらぬまま迎えのバスに乗り街へ出ると、様々な姿に仮装した人たちが街の至る所に溢れていました。言うなれば、ハロウィンの渋谷スクランブル交差点がそこら中にある感じ!そんな大騒ぎの中、まずはリオの名所を二日に渡って観光しました。
キリスト像、ポン・ジ・アスーカル、セラロン階段や大聖堂…これまで本やテレビなどでしか見たことがなく、私の場合は夫の海外転勤でブラジルに来なければ実際に訪れることはできなかったであろう景色を次々と目の当たりにして夢のようでしたが、実は一番心に残っているのは、街で盛り上がる人々の姿かもしれません。
超レア!徒歩&地下鉄でもリオの盛り上がりを目の当たりに
ブラジルはやはり治安はかなり悪く、私が住むサンパウロでも、夫の会社から地下鉄やバス利用は止められています。さらにリオ、特にカーニバルの時期は集まる人々を狙って普段以上に犯罪が増え、周りからも散々「気を付けろ」と注意されたため結構緊張しながら現地を訪れました。
しかし今回リオを案内してくださったのは、ブラジル在住歴が60年近いという超ベテランガイドさん。おかげで観光地はもちろんですが、食事は地元の人であふれるローカルなお店で楽しみ、交通手段も途中からは徒歩&なんと地下鉄にまで乗ることができました。
最初はこんな機会はなかなかないとワクワクしていましたが、電車内にひしめく仮装した若者たちの姿に圧倒される私たち…
一方で、普通の格好をしてやれやれと大騒ぎを眺めている方々もいて、娘はそんな中の一人に席を譲っていただきました。そして降りる駅が近づき席を立った瞬間、仮装した人たちがジャポネス~と次々と道をあけてくれました。
先ほどから何か私たちの話をしているとは気づいており心配していたのですが、そんな必要はなく、仮装集団の一人はわざわざ英語で話しかけてくれ(ブラジルはなかなか英語が通じない)、さらに降りた後は車内の人たちがみんな一斉にこちらに向かって手を振ってくれました。
これまでも何度も感じてきましたが、多民族国家で社交的な人柄の方が多いブラジルは基本的に外国人にも優しく、中でも子どもたちのことを本当に可愛がってくれます。
間近で見たカーニバル、日本の祭りと共通点も?!
街中の喧騒でカーニバルの雰囲気はもう充分味わえたように感じていましたが、会場で観た本番はさらにすごかった!
カーニバルというのは実はコンテスト形式で、様々なグループが音楽や衣装、踊りを競い合います。
期間中は各地様々な場所でパレードが行われますが、今回はリオ・デ・ジャネイロのメイン会場で最高峰のパレードが見られるスペシャルグループの開催日に、間近で演技を見られる指定席で楽しむことができました。
パレードが始まると巨大なステージが会場中央の通路を順番に通り、その上と周りでダンサー達が華やかな踊りを披露します。音楽はだいぶ違いますが、日本人は日本の祭りや山車を連想する方も多いのではないかと感じました。
最初私は一つの山車が1グループかと思っていましたが、1チームは数千人にものぼり、一つの演目に5~6台の山車が通ります。
山車の中には紙吹雪を撒き散らしたり、ダンサーの方が上からボールや風船を客席に向かって投げたりするようなパフォーマンスもあり、子どもたちはどうにか受け取ろうと必死!
人生最後かも?子ども達と明け方まで踊ったスペシャルな夜!
カーニバルは夜中まで続くため途中でウトウトしていた時間帯もありましたが、子ども達も声をあげ踊り、明け方までパレードに参戦。最後のグループまで観ることはできませんでしたが。それでもホテルに帰り着いたのは朝5時前でした。
客席にもこれからご出演ですか?というぐらいゴージャスな仮装をしている方々もいて、パレードが始まる前からみんな音楽に合わせてノリノリで踊っていました。
お客さんの中にもパレードの山車の上でも、おじいちゃんおばあちゃんの姿も多く見かけ、皆さん元気に楽しそうに踊っていた姿が格好良く、印象的でした。
本当に老若男女みんなが心から楽しんでいて、私も子どもたちと一緒に明け方まで踊ることなんてもうないかもしれず、色々な意味で忘れられない経験になりました。
有名なコパカバーナビーチでも感じた「人種のるつぼ」
そんなカーニバルと同じくらい心に残っているのが、翌日1日のんびりしたコパカバーナビーチです。
ビーチにはこれまた様々な国の人がひしめき、その間を多種多様な商売をする人々が練り歩き、ただ座って眺めているだけでも一日飽きませんでした。
アイスや飲み物はもちろん、手で運べる七輪みたいなものを持ってその場でエビやイカを焼いてくれる人、たくさんのとうもろこしが蒸されているワゴンを引く人、なぜか綿あめ、水着や雑貨、そして自分が作ったおしゃれなワンピースを販売したり、髪の毛を編んでくれたりする女性も見かけました。
棒に商品を掲げている人が多く不思議に思っていたら、潮が満ちてきてたまに砂浜の奥の方まで波が来ると、みんな自分の商売道具を一斉に頭上に掲げて濡れないように避けており、なるほどと納得。
そして一番忘れられないのがビーチでのマッサージ!全身マッサージを受けている方も見かけましたが、そこまでは脱げない私はリフレクソロジーをお願いしました。
担当してくれたのはアンゴラ出身だという女性。私の拙いポルトガル語と、お互い流暢ではない英語での会話でしたが、リオでマッサージの勉強をして今はビーチで仕事しているけれどいつかサロンを持ちたいという話や、ブラジル人は亭主関白な人が多いけど日本人はどう?あなたの夫は?といった身近な話題など、小一時間色々と話をしました。
アンゴラ出身の女性と日本から海外転勤でブラジルに来た私がコパカバーナビーチで出会い話をするというまさに一期一会!おそらく二度と会えないと思いますが、でも別れ際 Instagram を交換し繋がることができたのは今の時代ならでは、とても想い出に残っています。
ブラジルで私が学んだ、生きるヒントとは?
私がブラジルでの生活から学んでよかったと感じていることを一言で表すと「自分で決めて、行動する力の大切さ」ではないかと思っています。
これまでは例えば何かを決めなければならない時、失敗したくない・正解を選びたいという気持ちが強く、周りがどうしているか気にしたり、溢れる情報に振り回されたりしすぎてしまうところがありました。
でも多民族国家のブラジルで「外国人」として過ごしていると、人それぞれ全く異なる価値観があり、当然ながら自分の答えは自分で決めるしかないのだと実感する機会が日々本当に多くありました。
私は日常生活では自分の考えをはっきり言うことに苦手意識がありますが、ここでは主張することが当たり前で、そうでないと相手に伝わらないし理解し合うこともできません。
変化の多い海外生活だからこそ、目の前の「今日」を大切に
加えて「海外転勤」という独特の状況に身を置いており、今の生活が期間限定なこと、出会いと別れが多いことなどから「日々をどう過ごしたいか」と考える機会や、先の見えづらい中で自分や家族の今後についてどう向き合うか迫られる機会も増えました。
周囲の意見を聞いたり、良い関係を築いていく努力は今後も大切にしていきたいと思っています。
でも自分の想いや考えと向き合い、それを伝えることを繰り返すうちに以前よりも自分自身を信じられるようになり、周りに振り回されてしまうことが減ったと感じています。
また、W杯やカーニバルは国を挙げて盛り上がるだけでなく、何気ない毎日をゴキゲンに過ごしているブラジル人の姿にも影響を受けました。
当たり前ですが人生は「今日」という日を繰り返す中で過ぎていき、今日は「今」の積み重ね。目の前の毎日に感謝し楽しむことをもっと大切にしたいと考えるようになりました。
もちろん私は日本が大好きで、ブラジルに住んでいると日本では考えられないような問題(と私には思えること)も数知れず、どちらが良い!というような話ではありません。
海外で貴重な経験ができている一方、生活の劇的な変化や8か月でまた次の国へ引っ越すことなど、様々な大変さにも直面しています。
でも、環境が大きく変わる中でも自分を信じて進んでいけることが増えたのは私にとっては成長。ブラジルから教わった「自己決定力」を、これからも引き続き大切にしていきたいと考えています。
そして次の国アルゼンチンでも、皆さんの暮らしをちょっと明るくするようなヒントを見つけ、発信していけたらと思っています。
これからもよろしくお願いいたします!Muito Obirigada, Brasil!
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。