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LIFE

映画ライター折田千鶴子のカルチャーナビアネックス

アラサーの胸キュンド真ん中『ママレード・ボーイ』!原作者・吉住渉さんも吉沢 亮さんの王子様ぶりに太鼓判!

  • 折田千鶴子

2018.04.25

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あの伝説の少女マンガが遂に映画化!

LEE読者の皆さんは、少女マンガ「ママレード・ボーイ」に胸をキュンキュンさせていた、そのド真ん中世代ではないでしょうか? 90年代に「りぼん」で連載され、シリーズ累計1000万部を突破、アニメーション化もされた、大ヒットコミックが遂に映画化されました!!

もはやコミック原作の映画化は珍しいことではないのですが、周りのアラサー編集者にも狂喜している人がかなり多い、さすがの根強い人気を実感しています。だって今、続編的な「ママレード・ボーイ little」が、「ココハナ」で連載されているくらいですから。

さて、注目の映画はどうかと言うと……原作者の吉住先生も目をキラキラさせるくらい、女子が妄想を掻き立てられたあの“遊”を演じた吉沢 亮さんが、まんま漫画から抜け出て来たような“遊っぷり”です。もう、それだけで満足できちゃうくらいス・テ・キ

そんな吉沢さんと吉住先生の対談が実現しました。

吉住 渉
一橋大学在学中の84年に漫画家デビュー。少女漫画誌「りぼん」で長期連載された「ハンサムな彼女」に続き、92年に同誌で「ママレード・ボーイ」を発表。94年3月~テレビアニメ化もされるなど、一世を風靡した。他の代表作に「ミントな僕等」「ランダム・ウォーク」「ウルトラマニアック」など。現在、月刊誌「ココハナ」で「ママレード・ボーイ」の十数年後を描いた続編「ママレード・ボーイ little」を連載中。

 

吉沢 亮
1994年2月1日、東京都生まれ。「仮面ライダーフォーゼ」シリーズ(‘11~12)で注目を浴びる。ドラマ&舞台「ぶっせん」(13)に主演。昨年はまさに大ブレイクの年となり、『銀魂』の他、4本の映画に出演。主な出演作に『アオハライド』(14)、『オオカミ少女と黒王子』(16)、『トモダチゲーム』(17)など。今年の映画公開作は既に公開された『リバーズ・エッジ』の他、『猫は抱くもの」(6月23日公開)、『BLEACH』(7月10日公開)、『あのコの、トリコ。』(秋公開)などを控える。

 

――25年も前に書かれた作品なのに、ずっと愛され続け、今、映画化というのもスゴイ話ですよね。

吉住「とても嬉しいです。ただ逆に、最近は電子コミックがあるので、以前に比べて古い作品でも気軽に読んでいただけるようになったんです。少し前までは、すぐに絶版になってしまいましたが、今は割に若い人が読んでくださっているので、ありがたいな、と思っています」

吉沢「僕は普段、少女漫画を読まないので未読でしたが、コミックのタイトルだけは知っていたんです。今回の映画化でいざ読んでみたら、僕も思わず普通にキュンキュンしてしまいました(笑)。25年前に書かれた漫画とは思えなくて、今の若者が読んでも素直にキュンキュンできる作品だな、と。両親S(りょうしんズ)のパートナーチェンジとか設定はぶっ飛んでいるけれど、不純物が何も入っていないような、すごく純粋な恋愛をしていて。同い年の男女が同じ屋根の下で暮らすことになるなんて、女子が憧れるシチュエーションであり、すごく女子の夢が詰まっているんだろうな、とも感じました。また遊と光希の物語だけでなく、名村先生と茗子(光希の親友)、キラキライケメンの銀太に告白されて光希の気持ちが揺れるとか……色んなキュンキュンがありました」

『ママレード・ボーイ』 4月27日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
ⓒ吉住渉/集英社 ⓒ2018 映画「ママレード・ボーイ」製作委員会

 気になる“保健室でのキス”シーンは!?

――吉沢さんが原作を読んだ際の最大のキュンポイント、吉住先生が映画を観た際の最大のキュンポイントをそれぞれ教えてください。

吉沢「原作を読んでいてまず来たのは、やっぱり保健室のシーンですね。あの、いきなりのキスはもう……キュンキュンポイントでした」

吉住「それは良かった(笑)! 映画でも、それが見事に再現されていて、素晴らしかったですね!」

吉沢「本当ですか?うわ、良かった~」

吉住「原作とは左右の位置が違っていたけれど(笑)、ホントに綺麗に撮れていて。吉沢君の睫毛を堪能できるシーンでしたね。私は映画の中では、遊と光希が落ち葉を掛け合うシーンが、すごく可愛くて気に入っているんです。あれは、原作にはないシーンなんですよね」

吉沢「はい、現場で生まれたシーンなんです」

吉住「2人が楽しそうにしているシーンは、どれも綺麗で可愛くて。(光希役の桜井)日奈子ちゃんも、写真より動いている方が魅力的に感じて。映像で本当に可愛く撮られていて。2人が本当に良かったです」

吉沢「ありがとうございます(笑)」

 

 

原作のままのセリフもクサくなくて自然でした(吉住)

さて、みなさんご存知だと思いますが、念のためストーリーをサラッとおさらい。

高校生の光希(桜井日奈子)は、ある日突然、両親から離婚すると告げられる。それだけでもショックなのに、何と旅先で出会ったある夫婦と気が合い、母親がその夫と、父親がその妻と恋に落ちたために、お互いパートナーチェンジして再婚するという。2家族一緒にシェアハウスで暮らすというが、相手の家族には光希と同い年の遊(吉沢 亮)という息子がいた!! いきなりの同い年の男の子との同居に、光希は大いに戸惑うが――。

出演:桜井日奈子 、吉沢 亮、 中山美穂、檀れい、谷原章介、筒井道隆、佐藤大樹、優希美青    監督:廣木隆一

 ――吉住先生が映画をご覧になられて、驚かれた点は何かありましたか?

吉住「結構、原作のままのセリフが多いことに驚きました。脚本を読んだ段階から、“あ、これ言うんだ”と思って。漫画キャラなら違和感がなくても、実際に生身の人間が言ったらクサ過ぎるんじゃないかなとか、自分で書いておきながら思ったりしたのですが(笑)、吉沢さんは完璧に、クサくもなく自然にサラッと言われていて、すごいなぁと」

吉沢「わ、嬉しいっ!! 特にどの辺りを心配されていましたか?」

吉住「終盤の北九州でのホテルで、遊が光希に、あるとても大事な決断を告げるのですが、生身の人間がズバリ言うのって単純にどうなるんだろう、とか心配していたんです。それが全然、大丈夫でした」

吉沢「確かに後半のあの辺りのシーンは、僕もやっぱり色々と考えました」

吉住「その旅行のシーンを、廣木(隆一)監督がiPhoneを使って撮影されたんですよね? その映像も、なんか面白かったですね。原作より真面目なラブストーリーになっていましたが、それも楽しく観させていただきました」

 

涙が自然にこぼれてしまった(吉沢)

――京都の駅のシーンが、かなり切なかったのですが、あの場面を演じられたエピソードと、吉住先生がご覧になられた感想は?

吉住「あの駅のシーン、吉沢君、泣いていたよね⁉ 原作では泣くシーンではなかったけれど、監督の演出でそうされたの?」

吉沢「いえ、演じているうちに流れてしまった涙でした」

吉住「あ、そういうお芝居も、役者さんが決めていいものなんですね!」

吉沢「あの時は、そういう感じでした。何かを演じるのではなく、実際にそこに存在し、その時の感情を出していく、というか。その思わず出てしまった感情を、拾ってもらったという感じなんです。だから泣こうと思って泣いたわけではなく、自然と涙が出てしまったんです」

吉住「原作では、遊が涙を見せるのは1場面だけなんです。でも映画では、遊が予想以上に泣いていたので、少し驚きつつ、それらは監督の指示かと思っていました」

吉沢「確かにちょいちょい泣いていましたね(笑)。台本に泣く、と書いてある場面もありましたが、多くは自然に感情があふれた上での涙という感じでした」

吉住「遊の涙は、意外というか驚いたポイントでしたが、それはそれで良かったです。吉沢君、泣き方も美しいから。片方から綺麗に涙が流れて来て……」



妄想女子は遊=吉沢 亮にうっとり!!

――さて、吉住先生は、訪れた撮影現場で吉沢さんの顔の成り立ちを観察したかったそうですが、あまりできなかったそうですね。

吉住「はい(笑)、最初、吉沢さんが輝きすぎていて直視できませんでした。いまはだいぶ慣れてきたので、普通に見られるようにはなりました。ぜひ睫毛の生え方を、確認したいと思います。吉沢君も、その顔面力を今回はフル活用できたな、という満足感があるのでは?

 

吉沢「つい情報解禁のとき“顔面力をフル活用”とか言ってしまいましたが(笑)、遊という役はそもそも、身なりはカッコいいかもしれないけれど、女子にモテたい、とかいう意識のもとに生きているタイプじゃないんですよね。だから僕自身も、そこは全く意識せず、ごく普通にお芝居をしていた感じなんです」

――でも、ちょっとくらいは、出来た映画を観てフル活用できたゼと感じたり?

吉沢「えー、もう、“出来たでしょうね”と言っておきます(笑)! でも正直、本当に自分ではよく分からなくて。自分のいい時の顔ってどの顔なのかも分からないし、自分的に良くても、女子にとっては全然ってこともあるだろうし……」

吉住「たまに吉沢君の素っぽいところが出ているな、というシーンも面白かった。例えば、要士さん(谷原章介扮する遊の父親)に“お土産買ってくるね” と言われて、すごくどうでも良さそうに“お願いしまーす” って言っているシーンとか(笑)」

吉沢「あ、それ本当かもしれないです(笑)。すごく流して“はい、はい、どうぞ行ってらっしゃい”と送り出す感じで」

吉住「いくつか、“あ、これは”と思ったシーンがあって(笑)。それも私は楽しかったですね」

素顔はとってもシャイなのに、現場では座長としてみんなを引っ張っていったそう。それを聞くとまた、吉沢さんへの愛しさが募りますよね!!

――では最後に吉住先生に、連載当時リアルタイムで胸キュンしていたアラサー世代に、改めてこの機会に、どんな風に胸キュンして欲しいのかをお聞きしたいです。

「原作をお好きな方には、漫画と俳優のイメージが違うと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、廣木監督がとても素敵なラブストーリーにされているので、ぜひ観て欲しいと思います。そして是非この機会に、また原作も読み返して欲しいですね。現在連載中の「ママレード・ボーイ little」では、その後の光希や遊も見られるので、家事や仕事の息抜きに読んで、楽しんでくださいね!」

主に今回、すっかり吉沢亮さんの“王子様ぶり” “美男ぶり”を中心に舞い上がって書き連ねてしまいましたが、少し反省! だって吉沢さんも桜井日奈子さんも、ものすごくいいお芝居を見せてくれているんです。思い返して遊と光希の表情が脳裏によみがえると、もう切なくてまた泣きたくなってしまうほど。

ぜひ皆さんも、劇場で胸キュン&切な泣きを存分に味わってください!!

 

吉住渉/集英社

原作コミックス「ママレード・ボーイ」全5巻(吉住渉/集英社文庫<コミック版>)好評発売中

 

 

折田千鶴子 Chizuko Orita

映画ライター/映画評論家

LEE本誌でCULTURE NAVIの映画コーナー、人物インタビューを担当。Webでは「カルチャーナビアネックス」としてディープな映画人へのインタビューや対談、おススメ偏愛映画を発信中。他に雑誌、週刊誌、新聞、映画パンフレット、映画サイトなどで、作品レビューやインタビュー記事も執筆。夫、能天気な双子の息子たち(’08年生まれ)、2匹の黒猫(兄妹)と暮らす。

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