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お金の貯まる夫婦、貯まらない夫婦

保険、支払い、ネット銀行・・・「お金が貯まる夫婦の20の習慣」<後編>

2016.10.27

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将来のビジョンが共有されている「貯まる夫婦」なら、ストレス浪費とは無縁!夫婦共通の目的が定まっていれば、お金の使い方にも自然にメリハリが出てきます。
「お金が貯まる夫婦の20の習慣」後半は、より家計に踏み込んだ10の習慣に注目!貯まる夫婦がどんな考え方や行動をしているかを知って、一つずつでも自分の習慣を見直してみて。

 

お金習慣

赤字を出さない家計のやりくりのコツは意外に単純。ぜひ参考にしてください。

習慣11 お金を下ろすのは月1回

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貯めている人がしているお金習慣の一つが、「給料日に生活費を一度に下ろす」ということ。今月使えるお金はこれだけ、という数字を意識することが大事なのです。
お財布にお金がなくなったらまたATMへでは、手数料もかかるうえ、今月いくら使い、あといくら使えるのかが見えません。口座引き落とし分の金額を残して一度に下ろし、各費目ごとに袋分けし、その範囲で使うようにすれば、今月使える予算がはっきりわかり、使いすぎを防げるのです。

 

習慣12 予備費があればやりくり上手

普通の家計簿の費目には見当たらない「予備費」。でも、予備費のある・なしが、貯まる家計との分かれ目と言ってもいいでしょう。
予備費はいわば「家計の安心料」で、ほかの費目がどうしても足りなくなったときや冠婚葬祭など予定外の出費をここから出します。できれば月1万円はとりたいところですが、少なくとも5000円はキープを。もちろん使わなければ、まるまる全額が残るので、いざというとき用の貯蓄として残しておいて。

 

習慣13 余ったら貯めるではなく、貯蓄口座を別に持つ

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貯蓄の基本は「先取り貯蓄」。貯めている人でしていない人はまずいません。勤務先に財形貯蓄制度があればそれを利用するか、給与振込口座のある銀行で自動積み立ての手続きをすれば、あとは勝手に貯まります。
余ったら貯めるでは、たとえ口座に一定のお金があっても純粋な貯蓄がいくらかわかりません。生活費の口座と貯蓄口座を別にすることが基本です。ただし無理な積み立ては赤字のもとなので身の丈に合った金額で。

習慣14 家計簿は収支もきちんと書く

貯まっていない人の家計簿には共通点があります。それは、月末に収支の計算をしていないこと。家計簿に書いた支出と手元にある残金が合わないと嫌になり、結局「使ったお金を書くだけ」になっている家計簿に。それでは赤字なのか黒字なのか全然わかりませんよね。
毎月の終わりには必ず収支の計算をして、そこで残金が合わなければ使途不明の使いすぎのお金があると認識して。家計簿アプリなど手間のかからない方法で続けましょう。

おすすめアプリ

●残高がいくらかを見やすく表示「Zaim」
https://zaim.net/

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550万人以上が使う家計簿アプリ。スマホでレシートを撮影すると自動で品目を読み取り、月の予算を決めると使った金額から残高がいくらかを表示してくれる。約1500の銀行やクレジットカードの入出金を自動取得・分類する機能もあり。

●食材を使いきるレシピ提案も「レシーピ!」
http://receipi.jp/

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長いレシートでも読み取りやすい長尺モードあり。毎月の収支や支出費目の内訳を示すグラフで、自分のお金の使い方を簡単にチェックできる。家計管理だけでなく、購入した食材で作れるレシピを提案してくれるので使いきりが進み、食費節約にも。

 

習慣15 保険は極力シンプルに

毎月払う保険料が多すぎて、家計を圧迫してしまうのはよくあること。特に健康面への不安が強い女性は、医療保険の特約をあれこれつけて手厚くしがちです。
お祝い金が出る保険を選ぶ人もいますが、お祝い金は保険会社のサービスではなく、毎月の保険料に含まれているだけ。公的な健康保険に加入していれば高額な医療費がかかっても自己負担には限度がありますし、保険をシンプルにして、何にでも使える貯蓄を増やすほうが安心。

<高額療養費制度>

所得区分 ひと月あたりの自己負担限度額(円)
年収約770万~約1160万円 167400+(医療費−558000)×1%
年収約370万~約770万円 80100+(医療費−267000)×1%
~約370万円 57600

かかった医療費のうち自己負担する金額は一定額までですむ制度。健康保険組合や国民健康保険など公的な保険に加入している人なら誰でも利用できる。
標準報酬月額(会社員の場合4月・5月・6月の収入の平均から算出)ごとに上限額が異なる。年収770万円の人が月100万円の医療費がかかったとしても、自己負担は約8万7000円程度。

習慣16 子供や趣味……聖域のお金をつくらない

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聖域のお金とは、「これは必要だから絶対に削れない!」と思考停止してしまう支出のこと。子供の習い事や塾代、夫の趣味のお金、妻のカルチャースクール代など、初めから見直し対象に入っていないお金です。
習い事などは毎月かかるお金なので、この聖域が多ければ多いほど、削れないお金が増えて、貯蓄に回す余裕がなくなります。「無駄遣いしていないのに積み立てに回せるお金がない」という家計は、この聖域がたくさんあるのかも。
特に、子供の教育にかけるお金は減らしにくいもの。こういうお金こそ、夫婦や家族でじっくり話し合って、今かけるべきお金かどうかを決めましょう。

 

習慣17 できるものはボーナスから1年分まとめ払い

貯蓄達人がよく利用しているまとめ払い。毎月払う生命保険料やNHK受信料、国民年金の保険料などを1年まとめ払いをすると総額を安くでき節約できるからです。
1年のまとめ払いなら1000円単位でお金が浮くので預金の利息以上におトクな計算に。ただし、まとまったお金が必要なので、最初はボーナスから出し、翌年から積み立てで用意しても。

 

習慣18 定期的な支払いが終わったら貯蓄に回す

子供が進学して保育料・幼稚園代が不要になった、分割払いが終わったなど、毎月定期的に払っていたお金が浮いたら積み立てに上乗せしましょう。生活費に足してしまうと、つい何かに使ってしまい、気づかないうちに生活費が膨らんでしまいます。
生活費は一度増やすと減らすのは大変。将来、老後に収入がガクッと減ったときに困ってしまうことにも。これまでどおり「なかったお金」として貯蓄に回せばストレスなく自然に貯まります。

習慣19 児童手当は収入にカウントしない

中学生までの子供がいる家庭には児童手当が支給されますが、これを生活費として使っていい収入にせず、教育費としてキープを。子供が生まれたときから中学卒業までそのまま貯めておくと200万円近くになります。
子供1人あたりの教育費のめどとして、大学入学までに300万円は貯めておくべきといわれているので、児童手当だけでも3分の2は達成できることに。児童手当の振込口座と生活口座は別にしておくのが肝心です。

<子供2人家庭の場合>
0歳~中学卒業まで貯めると、1人あたり198万円
※平成28年度の金額で計算

0~3歳未満 一律15000円/月
3歳~小学校卒業まで 第1子、第2子10000円/月
(第3子以降:15000円)
中学生一律 一律10000円/月

※所得制限あり(扶養人数によって異なります)

 

習慣20 ネット銀行を利用し、お金の情報に敏感に

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貯め上手な人は給与振り込み口座のある銀行のほかにネット銀行を上手に使っています。ネット銀行は大手銀行より振込手数料が安い、取引に応じてポイントが貯まる、コンビニATMで無料で出金できるなど銀行によってさまざまなサービスがあるからです。積極的にお金の情報を集めようという姿勢の有無が、貯まる夫婦への分かれ道でもあるのです。

 

●イオン銀行
http://www.aeonbank.co.jp/

  • ATMは24時間365日手数料無料、イオン内の店舗では日曜・休日も営業
  • クレジット・電子マネー機能付きキャッシュカード保有者に預金金利上乗せ

イオングループの店舗やコンビニに設置された自行ATMでは365日引き出し手数料が無料。キャッシュカード一体型のイオンカードセレクト保有者には普通預金の金利0.1%上乗せ特典もあり。取引や残高に応じてWAONポイントがもらえ、住宅ローンを契約するとイオンでの買い物が5 年間毎日5 %オフになる(条件あり)。

 

●スルガ銀行
http://www.surugabank.co.jp/surugabank/internet/

  • 特色のあるインターネット支店が充実している(全国から申し込み可)
  • 銀行取引に応じて共通ポイントやマイルが定期的に貯まる

地方銀行だが、定期預金の預け入れや、給与振り込み・クレジットカード代金の引き落としなどの取引に応じて特典がつくインターネット支店が充実。マイルが貯まるANA支店、各共通ポイントが貯まるTポイント支店・リクルート支店・dポイント応援バンクなど、自分の貯めたいポイントによって選べる。

 

●ソニー銀行
http://moneykit.net/

  • ネット銀行ならではの機動性を生かし、金利をこまめに見直す
  • 外貨預金をそのまま海外で使えるので為替の変動を気にしなくてもいい

ネット銀行らしいスピード感で金利を見直す。手数料無料で他行から資金をスイッチしての積み立ても可能。外貨預金をすると米ドルやユーロなどは海外旅行先で外貨のまま引き出しもできる。デビット機能付きのキャッシュカード「Sony Bank WALLET」で買い物をすると、国内の利用金額に応じたキャッシュバックもあり。
20の貯まる習慣、ぜひ貯蓄を増やす参考にしてください。
次回は貯まらない夫婦の「家計のお悩み診断」です。

取材・原文/松崎のり子 イラストレーション/熊野友紀子


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