器が気になるようになってきたこの頃。とはいえ、あれもこれもと買える身分でもないので、お気に入りを長く使っています。
陶器は割ってしまったら泣く泣く処分していました。が、日本には金継ぎって修復方法があるじゃないか! というわけで、金継ぎ体験をしてきました。
“なんちゃって金継ぎ”ならカジュアルにできる!
金継ぎはその名の通り、漆に溶いた金などの金属粉で破損した部分補修すること。業者にお願いすると欠けている部分の長さなどによって金額は変わるものの、1万円以上かかる場合も。それ、器より高いよ!
そこで見つけたのが、東京・都立大学駅にある「Maker’s Base」が開催しているワークショップ「はじめての金継ぎ体験」。ここでは代用素材を使って、リーズナブルに“なんちゃって金継ぎ”ができます。
母の湯のみが割れたので、これを復活させます。講師の方いわく「金が映えそうなデザインですね」とのこと。
漆の代わりとなる接着剤が、このエポキシ樹脂接着剤。
A剤とB剤を同量ずつをしっかり混ぜ合わせ、欠けた部分にたっぷりと塗っていきます。
そして接着剤がはみ出るくらい、しっかりと張り合わせていきます。
5分ほどで仮留めは完了。
ちなみに破片が全部残っていないと金継ぎはできないのかと思いきや、破片はエポキシ樹脂接着剤をパテにして作ることができるそう。
ゴールドの部分が金継ぎで埋めたところ。こういうデザインだと言われれば、そう見えるぐらい自然です。
接着剤が乾いたら、アートナイフや彫刻刀といった刃こぼれしにくい刃物ではみ出しを削っていきます。
陶器の表面を削らないように慎重に進めます。うまく刃が入ると、すっと剥がれていって、これが快感。
削り終わったら、耐水性の紙やすりに水をつけて残った凸凹を整えます。
ビギナーでもそれらしく仕上がるのがうれしい
続いて金を塗っていきます。“なんちゃって金継ぎ”で使うのは合成うるしと金属粉。
これらを3:1の割合でブレンド。さらっとした質感だと線を引いた時に立体感が出ずにペイントっぽくなってしまうので、適度な粘度がある方がいいそう。
混ぜ終えたら、筆や楊枝に取ってラインを引いていきます。
線に強弱や厚みがあると味が出るというアドバイスに従い、線を引くというよりも、点々と置いていく感じ。あれ、なんかそれっぽい仕上がりになりそう。
細いラインを引くのは難しかったですが、こう1つに集中して作業するというのは楽しいですね。あっという間に作業を終了してしまいました。
完成したのがこちら!
金色は器の地色が黒や青といった深みがある方が映えるそうで、講師の方の最初のお言葉どおり、この器は金継ぎ向きだったのかも。
想像よりも難しくなかったし、材料もホームセンターで揃うものばかり。仕事、育児、家事を並行する毎日だとどうしてもマルチタスクで1つに集中できません。誰にもじゃまされず夢中で作業できて、いい気分転換にもなりました。
また金継ぎしたいので、器を割ってしまおうかしら…と本末転倒なことを考えてしまうほど、本当に楽しかった!
Maker’s Base
住所:東京都目黒区中根1-1-11
TEL : 03-6421-1571
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津島千佳 Tica Tsushima
ライター
1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。