梅干しづくり、<梅雨明け前にすべき5ステップ>とは?
梅仕事の季節ですね。
個人的な話をすると、梅シロップにはトライしたことがあるものの、
梅干しづくりはなんとなくハードルが高そうに思えて手を出せずでした。
今回は「パルシステムの産直梅&梅干しワークショップ」というイベントに参加するチャンスを得たので、思い切って挑戦してみることに。
正直うまくできるか不安だったのですが、「え? もう仕込み終わり!?」と拍子抜けするほど簡単でした。
私と同じく梅干し初心者の方々向けに、つくり方をご紹介します!
「梅干し袋漬け」レシピ(氷砂糖を使う減塩タイプ)
※パルシステムが推奨しているレシピをベースにしていますが、講習で「これでもOKですよ」と教えていただいた短時間でできるシンプルな工程をご紹介します。
<梅雨明け前にすべき5ステップ>の材料&工程
◆材料(作りやすい分量で。梅の量に合わせて、調味料の分量を変えてください)
梅(南高梅や十郎など)500g
塩65g
氷砂糖50g
焼酎25ml(容器と梅の消毒用)(※「ホワイトリカー35」など、35度以上のもの)
◆準備するもの
竹串orつまようじ
キッチンペーパー
ざる
ボウル
ジッパー付き袋1~2枚
重石(※漬物用重石のほか、水の入ったペットボトル、分厚い雑誌などでも。
熟した梅なら同じ重さ、やや青い梅なら1.5倍の重さがおすすめです)
■工程
1.梅を流水で洗い、ざるにあげて水気をきったら、キッチンペーパーなど清潔なもので十分に水気をふきとる。
2.竹串またはつまようじでヘタを取り除く。
(ヘタを取り除いた部分に水分が残っていたら、もう一度キッチンペーパーでふく)
3.ジッパー付き袋に梅、調味料(焼酎、塩、氷砂糖)を入れ、全体にまんべんなくからめる。全体を平らにし、空気を抜きながらジッパーをしっかりと閉じる。
4.重石をして、冷暗所に置く。重石は、よく熟した梅なら梅と同じ重さ、梅がやや青い場合は1.5倍の重さがおすすめ。
5.2~3日後に水分(梅酢)が出てくる。梅酢に漬かっていない部分がカビやすくなるので、1日に数回、袋を揺すって上下を返し、塩や氷砂糖と梅を充分なじませる。
梅雨明け前に行うのは、以上の5ステップです。
※塩や氷砂糖は、入れるタイミングを何回かに分けてもよいそうですが(パルシステムのレシピでは、2度に分けて調味料を入れたり、漬け終わってから2~3日後に水分が出てから氷砂糖を足す、となっています)、
講習では短時間で仕込みが終わる簡単な方法も教わったので、そちらをご紹介しています。
重石はわざわざ専用のものを買わずとも、分厚い雑誌などで代用がきくそうです。
(弊誌編集部内での情報ですが)料理家さんの中には、開封前の塩袋を乗せておくという方もいらっしゃるとか。パルシステム広報の方のお宅では、冷蔵庫内の少し高さがあるスペースに梅干しの袋を置き、
その上に缶ビールを横にして置いているそう。缶ビールの冷やし忘れもなくなり、一石二鳥とのことですよ。
そして、初心者が恐れるカビ問題について。
カビがはえてしまっても失敗ではないそうで、
・梅酢に少しカビが浮いている場合は、清潔にした網じゃくじなどで取り除く。
・梅の実にカビがついてしまったら、35度以上の焼酎で洗って、清潔なふきんでふけばOK。
・梅酢が濁るほどのカビが出た場合は、コーヒーフィルターなどでこしてから、鍋で煮立てて冷ます。
容器やふたももう一度よく消毒し、消毒した容器にこの梅酢と梅を戻して漬けなおす。
この手順をふめばOKだそう!
カビないようにするためには、上記<梅雨明け前にすべき5ステップ>内の、
1.キッチンペーパーできっちりと梅の水気をふきとる
3.ジッパー付き袋の空気をきちんと抜く
このふたつを抜かりなく行うことが重要となってきます。
また、5.で水分(梅酢)がなかなか出てこない場合は、
市販の梅酢を入れると“呼び水”的に、水分が出やすくなるそうです。
梅干しづくりの後半戦!<梅雨明け後にすべき2ステップ>とは?
梅雨明けから9月半ばくらいの日光が強い時期に、梅干しの「干す」工程を行います。
干す……手間がかかりそうだし、タイミングを逃して挫折するかもしれない。梅干しづくり初心者の私は密かにそんなふうに思っているのですが、
梅雨が長引いたりして土用干しができない場合は、
梅酢が上がった1カ月後に、もみしそを入れた「梅漬け」にする!!
という裏技で、おいしくいただけるそう!
干さずにその後1カ月ほどおくと食べ頃になる、とのことです。
<梅雨明け後にすべき2ステップ>の材料&工程
◆準備するもの
盆ざる(大きめのもの)
保存瓶
7.土用(7月下旬~8月上旬)のころ、晴天の続く日を選び、盆ざるに並べて、
日が当たり、風通しのよい場所に梅を干す。
3日かけて3~4回表裏を返す。1日目と2日目は、朝出して、夜は家の中へ。
3日目は朝出して翌朝までおき、夜露に当てる。
8.干し上がったら保存びんに詰める。
すぐに食べられるそうですが、おいしくなるまでには干しあがってから2ヶ月ほどかかるとのこと。
ひと冬越して翌年の2月ごろになると、さらにおいしさが増すそうですよ。
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後半の工程、3日も干すなんてできる自信なし、と思ったのですが、
梅が肌色に変わったら干すのは終えてよいので、2日ほどで終わるケースも多いそう。
また、これは料理家の先生の取材を長年している弊誌編集部スタッフより聞いた話ですが、
天日干しをスタートしてしまったけれども、途中で雨がふってしまったり、
仕事などで忙しく連続で干すのが難しい……という場合は、
梅酢の中に戻しておけば、日が空いてしまっても大丈夫、という説もあります(合計3日干せばよいとか)。
また、梅から出てくる水分、「梅酢」は清潔な小びんに取りおいておけば、調味料として活用できます。
ドレッシングやみょうが漬け、おにぎりの手水などで楽しめるほか、
炭酸割りや、砂糖やはちみつを加えてスポーツドリンクとしても
おいしくいただけるそう。
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段階的にはまだ<梅雨明け前にすべき5ステップ>しか終えていない私ですが、
予想外に簡単でしたし、せっかく仕込んだ梅たちをうっかり干しそびれるようなことがあっても、「梅漬け」にすればムダにしないですみそうで、心理的にだいぶ楽になりました。
梅干しづくりは敷居が高そう……と踏み出せなかったというお仲間の皆さまの
参考になれば幸いです。
高見澤恵美 Emi Takamizawa
LEEwebエディター・ライター
1978年、埼玉県生まれ。女性誌を中心に女性の性質や人間関係の悩みに迫り、有名無名千人超を取材。関心あるキーワードは「育児」「健康」「DIY」「観劇」など。家族は夫と4歳の息子。