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映画ライター折田千鶴子のカルチャーナビアネックス

イケメン×ニャンコの癒し度MAX映画! 『猫忍』、大野拓朗さん&猫の金時さん登場!!

  • 折田千鶴子

2017.05.18

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この映画で初主演を飾れて、ものすごく幸せです!

おおの・たくろう●1988年11月14日、東京都生まれ。2010年、ホリプロ創業50周年記念事業として開催された『キャンパスター☆H50』でグランプリを受賞。同年、映画『インシテミル~7日間のデス・ゲーム~』で俳優デビュー。ドラマはテレビ東京「三匹のおっさん」シリーズ、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」、大河ドラマ「花燃ゆ」等の話題作に出演。映画は『サバイバルファミリー』、『高台家の人々』、『セーラー服と機関銃』等に出演。舞台でも活躍し、人気ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ではロミオ役で好評を博した。   写真:中澤真央

ただいま人気急上昇中の大野拓朗さん。最近ではミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のロミオに、胸をときめかせていた方も多いのではないでしょうか。そんな大野さんが初主演を務める映画『猫忍』が、もうすぐ公開されます。

大野さんが扮するのは、陽炎太という忍者。その姿の麗しいこと!! ロン毛を緩く結んだ陽炎太のほつれ毛もセクシーですが、常に一緒にかなりのポッチャリ猫が!! もう、写真を見るだけで思わずニヤニヤしそうになりませんか⁉ だって、こんなイケメン×もふもふニャンコが同時に楽しめるなんて、最強の癒しですよね!

その大野拓朗さんと、“父上”を演じた猫の金時さんがLEEwebに登場です。一人&一匹に映画の魅力を存分に語っていただきましょう!

『猫忍』
配給:AMGエンタテインメント
5月20日(土)より角川シネマ新宿ほか全国公開
(C)2017「猫忍」製作委員会
http://neko-nin.info

猫×侍→猫×忍者へ。渋ユル~い作風がこの企画の特徴

映画『猫忍』は、大野さん自身も大ファンだったと語る、<猫と時代劇という異色のコラボ>で大ヒットを記録した、『猫侍』(‘14)のスタッフが再結集した、時代劇エンターテインメントです。

「僕も『猫侍』シリーズの大ファンで、あの渋ユル~い作風が大好きだったので、「猫忍」シリーズ(1~3月にドラマが放映。本作はその劇場版)のお話をいただいたときは、本当に嬉しかったです。思わず「え、「猫忍」?今度は猫と忍者?最高じゃん!!」と興奮してしまったほどです(笑)。初主演映画が『猫忍』で、本当に幸せです! 『猫侍』シリーズの北村一輝さんをリスペクトし、心を込めて参考にさせていただきました」

そう大野さんが語っている間にも、金時さんは気ままに部屋を歩き回り、筆者にも体をこすりつけて来てくれたりと、余裕のリラックスぶり。その、ふわふわモフモフ具合は、映画や写真で見るよりずっと、想像以上のなめらかさで気持ちいいんです。

さて、時は泰平。霧生忍者の陽炎太(大野さん)は、忍び込んだ屋敷で、生き別れた父にそっくりのデブ猫(金時さん)に遭遇し、なぜかその猫を、伝説の忍びであった父・剣山(船越英一郎さん)が秘伝<変化の術>で化けた猫だと思い込んでしまいます。そこで陽炎太は、父を人間の姿に戻そうと、忍者の掟を破って村から抜け出し、秘伝の術が書かれた巻物を探す旅に出るのです。もちろん猫になった“父上”と一緒に――。

軽く物語を聞いただけでも、思わずプッと噴き出したくなりませんか⁉

 

 

今回の陽炎太は、滅茶苦茶強くてアクションもカッコいい!

猫を父親と思い込み、“父上”と呼んで懐に入れるなんて、笑えますよね!」

そう言って大野さんも大笑い。

途中から取材が進まないと退場させられるほど、みんな金時さんにメロメロ……

でも、忍びの掟を破った陽炎太は、裏切り者として霧生忍者に追われる身となってしまうのです。ところが囲まれても追い詰められても、陽炎太はすごく強くて、カッコいい。でも懐には、常に“父上”がいるわけで、またつい笑ってしまう具合が絶妙です。

「ドラマ11話の後を受けた映画なのですが、ドラマ版では陽炎太がまだ全く成長しきれていなくて、一人前になれない忍びだったんです。他の忍者に、すぐに負けてしまうほど弱くて。でもドラマの最後で吹っ切れて成長し、それを受けての映画版では、完全に別人になっていて、陽炎太が滅茶苦茶強くて、アクションもカッコいい(笑)! ドラマ版とは逆に、陽炎太が周りを変えていく物語になっているんです」

実は、ドラマも映画も同時に撮っていたというから、驚きです。

「できるだけ分けてはいましたが、時に2話と7、8話を撮り、別の日に1話と劇場版を同じ場所で撮る、ということもあり、少し大変でしたね。陽炎太の成長がどの程度か、笑わない陽炎太が笑うようになった、その変化のレベルを調整するのが難しかったです」

これぞ、俳優の腕の見せ所! ユルい作風の中でも、役者・大野拓朗の演技力を味わえる映画でもあるので、その点にも注目を。

忍者アクションもステキ!ユルさの中にカッコ良さも潜んでいます。もちろん大事そうに抱えているのは、猫になった父上!



撮影中、抱っこすると目を閉じて寝ちゃうんです(笑)!

追っ手の忍者たちと闘い、かわしながら、陽炎太は父上を人間に戻すための旅を続けていくのですが、宿に泊まれば“父上”を上座に座らせ、平身低頭でニャンコに尽くす姿、その真剣な姿に何度もプッと噴き出してしまいます。

「陽炎太と“父上”は親子の関係でありながら、実は陽炎太も父上を父親として敬うという以上に、猫に対する愛情が生まれちゃっていると思いました。そこが間抜けで笑えるのですが、「父上!」と言いながら毛づくろいをしてあげたり(笑)、猫として可愛がっちゃっている感が隠し切れない。ダダ漏れの猫愛(笑)!」

 

佐藤江梨子さん扮する紅葉も、くノ一。かなりぶっ飛んだキャラクターで楽しい。

大野さんと金時さんの絶妙なコンビネーションに、観ている間、幸せ気分に浸れること間違いなしです!

「金時は人間に心を許していて、抱っこも大好きで大人しくしてくれているので、撮影もしやすかったのですが、慣れて完全に懐いてくれて、抱っこするとすぐに寝ちゃうんです(笑)! 撮影上は目が開いていなければならないので大変なのですが、僕としては「あ、安心して寝てる」と嬉しくて、ついニヤニヤしちゃっいました(笑)!」

 

 

これは究極の癒し、心のマッサージ映画です!

さて、この映画を大野さんはLeeWebの読者の方々に、どんな風に楽しんで欲しいですか?

「一に癒し、二に癒し、三、四がなくて、五に癒し。金時の可愛さ、憎めない悪役たちも含めての登場人物の面白さ、ストーリーの程よい緩さ。カッコ良さげだけどどこか抜けていて、感動させそうで笑わせる、本当に気楽に見て、絶対にほっこりできる優しい作品なんです。子供から大人まで楽しんでいただける内容なので、日々の疲れを癒しに、心のマッサージを受けに観に来て欲しいですね!」

 

監督:渡辺武
出演:大野拓朗、佐藤江梨子、藤本泉、渋川清彦/柄本明、麿赤兒、船越英一郎ほか 語り:森本レオ

 

それにしても、<忍者>という存在は、子供にも大人気。映画や小説や漫画などの題材にもよく登場する日本独自の存在です。

「僕も子どもの頃から、忍者が好きでしたね。ちょうど戦隊もので、「忍者戦隊カクレンジャー」をやっていたので、子どもの頃はみんなで忍者走りをずっと真似していましたし(笑)、やっぱり憧れましたね」

「でも今回演じてみて、忍びの生き方自体は、僕には絶対に無理だと思いました。僕、フルオープンの人間なので、絶対に忍べない(笑)。ただ演じた陽炎太自身も、そんな忍びの生き方に疑問を持ち、それでいいのだろうかと漠然と感じていた。それで忍びの掟に反発し、破って出て行ったキャラクターですが」

 

 

趣味は、動物の動画を見てニヤニヤすること(笑)

さて、デビューして8年目になる大野さんは、非常に多忙で順調にキャリアを築いています。でも、そんな忙しさを、ご自身はどう感じているのでしょうか。

「僕が何に癒されるって、今、仕事をしているときが一番、楽しいんですよ。だから全くストレスが溜まらないんですよね。たまに睡眠不足になってキツイなと思うことはあるけれど、体力もある方なので、よほどのことじゃないと疲れない」

「だからストレス解消もまったく必要がないんです。ただ趣味として、好きで動物の写真や動画はよく観ていますね。今の、外の待ち受けは金時、中の待ち受けは家のワンコだし。もう、動物の動画を見るのは趣味というか日課ですね。さ、寝る前に一つ見ちゃおうっかなぁ~と、サモエドの赤ちゃんや、サモエドがパパを起こしに行くのを見て、ニヤニヤしながら寝る、みたいな感じです(笑)」

大学在学中にオーディションを受けて芸能界入りされた大野さん。元々俳優志望ではなかったそうですが、今はもう、死ぬまでこの道一筋だと腹をくくっているそうです。

「お芝居が面白くてやりたいと思う気持ちは、オーディション中に芽生えたんです。合宿オーディションの時に演技レッスンを受けたのですが、それがもう楽しくて。単純にスポーツの楽しさ、別に理由はないけれどバスケをやって楽しいというのと同じ感覚です。奥が深くて魅力的で、どんどんやりたくなっていって。普段は慎重派ですが、仕事を決めるときだけは、「やりたい!」という思いだけでした。その時に、死ぬまでこれをやろう、という覚悟はありました」

今年は既に舞台の主役を務めるなど、とても充実した日々を過ごされている大野さん。

「本当にこの1、2年、すごくいいチャンスをいただけるようになってきたな、と実感しています。今年はまた、新たな挑戦をさせてもらう予定があるんですよ!」

これから益々注目を集めそうな大野さん。そんな大野さんにいち早く癒してもらいに、映画館に足を運んでください!

折田千鶴子 Chizuko Orita

映画ライター/映画評論家

LEE本誌でCULTURE NAVIの映画コーナー、人物インタビューを担当。Webでは「カルチャーナビアネックス」としてディープな映画人へのインタビューや対談、おススメ偏愛映画を発信中。他に雑誌、週刊誌、新聞、映画パンフレット、映画サイトなどで、作品レビューやインタビュー記事も執筆。夫、能天気な双子の息子たち(’08年生まれ)、2匹の黒猫(兄妹)と暮らす。

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