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うまくいってる? 夫婦の「家事シェア」

【座談会】この8年で私たちの家事、本当にラクになった!?「夫婦の家事シェア」をもっとよくする5つのヒント

  • 藤原千秋

2026.08.07

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分担しているはずなのに、気持ちがスッキリしない…

うまくいってる? 夫婦の「家事分担」

うまくいってる? 夫婦の「家事分担」

共働き家庭が増えている今、もはや当然のように語られる夫婦の「家事シェア」。男性の家事参加が増えている実感はあるものの、負担が平等にはならないモヤモヤや、夫の家事スキルへの不満も……。読者へのアンケート、リアルな本音から「家事シェア」の今とこれからを探ります。

Index
  1. うまくいってる? 夫婦の「家事分担」
  2. この8年で私たちの家事、本当にラクになった!?
  3. 妻の苦手な家事、時間での家事参加など、夫の負担増
  4. “当事者意識が薄い”夫にモヤモヤすることも
  5. 適切に言語化することが家事シェアを進めるポイント
  6. 妻が思うほど、家族は高い家事レベルを求めていない
  7. 家事シェアをもっとよくする5つのヒント
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家事のスペシャリスト 藤原千秋さんと読者が“モヤモヤ”をトーク

この8年で私たちの家事、本当にラクになった!?

家事事情に詳しい藤原千秋さんを囲み、30代後半〜40代のLEE100人隊が、夫婦家事シェアの本音を語り尽くしました!

この8年で私たちの家事、本当にラクになった!?
藤原千秋さん

藤原千秋さん

住生活ジャーナリスト

家事、住まいなどをテーマに記事を執筆し、LEEwebでも連載中。夫と23歳、19歳、15歳の3人の娘の5人家族。約7年前から夫が家事の主軸に。

ななおさん

ななおさん

LEE100人隊 No.014

46歳。夫、12歳の息子の3人家族。派遣社員で共働き。コロナ禍以降、自身のリモートワークが増えたことや、息子の成長に伴い家事分担も変化。

つーこさん

つーこさん

LEE100人隊 No.026

37歳。夫、5歳の息子、1歳の娘の4人家族。正社員、フルタイム勤務で共働き。自称〝ロジカル主婦〞で、AIに相談しながら家事分担も模索中。

pepeさん

pepeさん

LEE100人隊 No.075

41歳。夫、3歳の息子の3人家族で、第2子を妊娠中。フリーランスで共働き。毎日の家事のタスクは消化したいという完璧主義なところも。

妻の苦手な家事、時間での家事参加など、夫の負担増

藤原 私は普段、家事についていろいろな角度から記事を書いているのですが、最近また「家事シェア」が気になっていて。言葉は定着してきたけれど、今の30〜40代の家庭がリアルにどのぐらい家事シェアできているのか、聞いてみたいと思っていたんです。皆さん、実際のところどうですか?

ななお わが家は妻8割、夫2割ぐらいですね。もともと私が多く担っていましたが、コロナ禍以降、リモートワークが増えたこともあり、料理、掃除、洗濯、買い物といった日常の家事はほぼ私がやっています。夫がウッドデッキの床下掃除や、車や家電の維持管理といった私が苦手な分野を担当してくれるのは助かっていますね。

車や家電の維持・管理など私が苦手な家事を夫が担当。助かるけど、細かい部分で不満も

車や家電の維持・管理など私が苦手な家事を夫が担当。助かるけど、細かい部分で不満も(ななおさん)

ななおさん

pepe うちは妻7割、夫3割ほど。ただ、夫はもともと汚部屋の住人で、家事が苦手だったんです。料理、買い物、洗濯物干し、ゴミ出し、トイレ掃除など、言えばやるのですが、スキルが追いつかず難しいこともあるよう。

つーこ 実際は妻6割、夫4割ぐらいかなと思いますが、できるだけ平等になるよう、Excelで家事分担表を作成して、タスクを振り分けています。タイムスケジュールで管理しているのですが、「夫がごはんを用意したら、妻が子どもたちに食べさせる」など、そのタイミングでお互いができるだけ効率よく動けるように工夫していますね。夫は、夕方〜夜の家事、育児の大変さを痛感して仕事のシフトを調整し、早く帰宅できるようにしてくれました。

藤原 皆さん、それぞれのかたちで家事シェアをしていますね。かつては、夫が担当する家事といえばゴミ出しが定番で、それも妻が家中のゴミを袋にまとめて玄関に置いておいたものを、夫はゴミ捨て場に運ぶだけ、なんて時代もありましたが……。今は、妻はもちろん夫も少しずつ変わっているようで、安心しました。

“当事者意識が薄い”夫にモヤモヤすることも

藤原 とはいえ、事前に皆さんに答えてもらったアンケートだと「夫の家事分担の割合やスキルに満足している?」という質問には、3名とも「どちらとも言えない」と回答していますね。この理由が気になります!

pepe やってくれることはありがたいし満足しているのですが、先ほども話したように夫はもともと家事が大の苦手。洗濯物の干し方が雑だったり、お風呂掃除なら壁やフタなどの細かい部分も洗ってほしいなと思ったり。スキルがなかなか追いつかず、「もっとこうしてほしい」と思うことが多々あるため、「どちらとも言えない」になりました。

ななお 私の在宅時間が長いので、家事の割合が多くなることも納得はしているのですが、細かい部分ではやはり不満もありますね。例えば、洗濯物を自室に持っていく頻度やタイミングが遅いのが気になる、夫の帰宅が夜遅いので何度もごはんの準備をすることに負担を感じるなど。ただ、夜ごはんについては、最近夫が自分で準備から片付けまでするようになり、少しラクになりました。

つーこ 私も皆さんと同じで、夫が食器をしまう場所や鍋の洗い方など、なかなか自分の理想どおりにはいかないな、と諦めモードになることが。また、わが家はExcelで家事分担表を私が作って、スムーズにいかないところがあると見直すのも私。妻側がここまで主体的に細部にわたってお膳立てしないとシェアできないものなの!?と不満に思うことがあります。

藤原 夫側が“当事者意識が薄い”ということですよね。これは家事シェアのモヤモヤの原因になりがち。どうしても家事は、妻が“監督責任者”になることが多く、不平等感が否めません。

夫は料理好きで、やるならとことん。「パスタが食べたい」と言ったら麺から打ち始めました(笑)

夫は料理好きで、やるならとことん。「パスタが食べたい」と言ったら麺から打ち始めました(笑)(pepeさん)

pepeさん

pepe あと、夫は料理が好きで作るとなったらとことんやらないと気が済まないんです。あるとき軽い気持ちで「パスタが食べたい」と言ったら、なんと麺から打ち始めて(笑)。出来上がる頃には、食べたい欲もすっかり消えてしまっていた、なんてことが。

藤原 それはすごい! でもうちも似たことがあって……実はわが家は夫が早期退職したことをきっかけに、7年前から家事のメイン担当が夫に変わったんですね。料理も主に夫が作るのですが、塾に行く前の三女、大学生の次女、残業が終わって遅い時間に帰る長女と、食べるタイミングが違う娘たちのために、3回に分けてトンカツを揚げるんですよ。私は先に仕上げて早くキッチンを片付けたいタイプなので、優先したいことの違いではあると思うのですが、その徹底ぶりはすごいですね。

ななお 夫はキャンプが好きで、家でもキャンプ料理を作るんです。自己流だからおいしいこともあれば、そうでないことも(笑)。置いておいて翌日もおいしく食べられるような料理でもないので、余ると困るし、何とも言えない気持ちになります。

pepe うちの夫のパスタもそうだけど、日常の料理ではなくて“趣味”なんですよね。家事としてはとても効率が悪いけれど、楽しく作っている趣味に口出しするのもどうかなと思ったり……。

つーこ 私の夫も、食洗機を使わず食器を手洗いしたり、乾燥機を回さずに自分で干したりと、原始的な方法を選びがちなんです。時短とコスパを取らないなんて!と、思うこともあります。

藤原 夫と妻では家事の優先順位が違うんですね。妻は料理や洗濯だけじゃなくて、ほかにもやるべきことがたくさんあるとわかっているから、ひとつのことに時間と手間をかけられない。そこの感覚もシェアしていかないと、回らないのかもしれないですね。



適切に言語化することが家事シェアを進めるポイント

藤原 つーこさんはExcelで家事分担表を作っているんですね。どんなふうに管理しているのか、教えてもらえますか?

タイムスケジュールに合わせて家事分担表を作成。やるべき作業を可視化しています

タイムスケジュールに合わせて家事分担表を作成。やるべき作業を可視化しています(pepeさん)

つーこさん

朝5時の起床から、妻と夫がやるべき家事をリスト化
朝5時の起床から、妻と夫がやるべき家事をリスト化。「ゴミ回収/ゴミ袋を張る」の隣に「※ゴミ袋ストック管理」と付随するタスクもしっかり記載。

つーこ 1日のタイムスケジュールに合わせて、私と夫の家事を振り分けて、できるだけ負担が半々になるようにしています(上記参照)。いろいろなやり方があると思うのですが、わが家の場合は時間軸で見せるのが一番夫に伝わりやすいかなと。

ななお これはすごいですね! わかりやすい。

つーこ マストでやるべき家事・育児、私と夫がそれぞれ得意な家事、仕事の勤務形態などをAIに相談すると、優先順位やスケジュールを組んでくれるので、参考にしながら作っています。

藤原 画期的ですね! 家事シェアを推し進める方法は家庭ごとに違うと思いますが、これだけロジカルに、具体的に可視化するのはひとつの有効な手段かと。

つーこ 言語化により、家事タスクの解像度が上がりました。「片付け」と表現すると実際のタスクが見えづらいけれど、「定位置へ戻す」だと夫婦で定位置を共有できるので共通認識が持てる。表現の仕方は大切だと感じます。

藤原 確かに、片付ける、掃除するとかって言葉がふんわりしすぎていて、夫に伝わらないのはあると思います。だから、2018年頃に「名もなき家事」「見えない家事」という言葉が流行って、「トイレットペーパーを替える」「シャンプーの詰め替え」など、家事の項目をたくさん書き出すことをしてみたんですよね。でもこれは細かすぎて、実作業に落とし込むのが難しくなってしまった印象があります。大雑把すぎても、細かすぎても手をつけられなくなるから、スケジュールに合わせてやるべきことを整理するのは、現代の忙しい共働き夫婦に合っているのかもしれません。

pepe 言わずに察して、は絶対に無理ですもんね。結婚当初は、なぜ伝わらないんだろうと思っていましたが、だんだんとやってほしいことはすぐに口に出すようになりました。

つーこ やってほしいことを伝えるときも、できるだけ論理的に。「この家事はここまでやっておいてくれないと、次に使うときに困ることがあるよ」など、なぜダメなのか、変えてほしいのか、理由を一緒に話すようにしています。

藤原 感情論になってしまうと、相手は聞いてくれなくなりますね。適切に言語化、可視化して、理由とともにやるべきことをはっきりさせることは大切。今よりも家事シェアを推し進めるための一案と言えそうです。

妻が思うほど、家族は高い家事レベルを求めていない

pepe 私は家事シェアと大きくかかわってくるのが“どれぐらいの家事の仕上がりを目指すか”だなと思っていて。もともと完璧主義なところがあって、毎日同じ家事のルーティンを全部こなさないと気が済まなかったんですね。でも、仕事の関係で2拠点生活をしていたときに、どちらの家もきちんと管理しなくては、と自分で自分を追い詰めて苦しくなってしまって。夫はそもそも家事が苦手でスキルが追いついていないし、あまり高い理想を持つのもつらくなってしまうなと気づきました。

藤原 すごくわかります! 仕事柄、掃除や片付けの撮影に自宅を使っていた時期があったんです。撮影に入っても大丈夫な家を保つのは並大抵のことではなくて、かなりのレベルの掃除や片付けが必要になる。自覚はなかったけれど、毎日イライラしながら家を整えていたんだと思います。子どもたちから「当時のお母さんは怖かった」と言われるんですね。家での撮影をやめてきれいにしなきゃと思うことがなくなったら、イライラもしなくなって。健全じゃなかったな、家族を巻き込むのはよくなかったなと、今は思います。

pepe そうですよね。うちも夫が元汚部屋の住民で、一緒に暮らし始めてお互いがどこまで歩み寄るかとなったときに“部屋が片付いてきれい”だけが正義でもないよなと。夫もわざと汚くしようとしているわけじゃなくて、多趣味で物が好きで片付かないだけで、彼の大事な空間なんですよね。今は、夫の部屋だけは独立した場所として、片付いていなくても気にしないようにしています。

ななお 私も、家族は自分が思うほど家事をきちんとすることを求めていないなと思ったことがあります。あるとき、本当に疲れて限界で夕飯を作れず、息子に「今日は何もないです!」と言ったら、むしろ喜んで、好きなカップラーメンなどを食べようとしていて(笑)。そんなに頑張らなくていいのかも、と思った瞬間でした。

藤原 “やらなきゃの呪縛”って思っている以上に女性を苦しめているんですよね。以前、講師として参加した家事の教室で「麦茶を作り続けるのがつらくて仕方ない」と泣く女性がいたんです。「夫が最後の1cmぐらいを残して冷蔵庫に容器を戻すことに、憎しみすら感じる」と。私が「麦茶は絶対作らなきゃいけないものではないし、水道水でもいいんじゃないですか」と言うと、ものすごく驚いていて。知らず知らずのうちに抱えている家事への思い込みってたくさんあって、それを夫にも求めると苦しいし、家事シェアは進みづらいかもしれません。

つーこ でも「ここぐらいまでは家をきれいに保ちたい」「せめて子どもたちには栄養たっぷりのごはんを食べさせたい」といった思いはどうしてもあるから、そのバランスが難しいですよね。

藤原 それは各家庭ごとに違うと思うので、必要な家事か、最低限どこまでを目指したいかはよく向き合って、見極めていくしかないですよね。

pepe 私は以前雑誌で「家事は日々続くものだから終わらせなくていい。昨日はこれができた、今日はこれができた、という考え方をすればいい」という言葉を見て、気持ちがラクになったんです。

夫婦がお互いに無理をせず、持続可能な家事シェアかどうか見極めが必要かなと思います

夫婦がお互いに無理をせず、持続可能な家事シェアかどうか見極めが必要かなと思います(藤原さん)

藤原さん

藤原 そういった心持ちで変わることもありますよね。夫婦どちらかが無理をすると続かなくなるので、長い人生で持続可能な家事シェアかどうか、そして大前提として家族みんなが機嫌よくいられるかどうかを大事にしたいですね。

家事シェアをもっとよくする5つのヒント

藤原さんとLEE100人隊が話してたどり着いた、前向きに家事シェアを進めるコツとは?

1 夫が趣味の延長で楽しく取り組んでいる家事は尊重

2 やるべき家事がわかるように適切な言語化はマスト

3 “完璧な仕上がり”の理想を手放すと、夫にシェアしやすく

4 家族にとってちょうどいい家事量と内容に絞る

5 夫婦が無理せず、長く続けられる家事シェアを目指す

Staff Credit

撮影/早川歩夢(P.162〜165) 取材・文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2026年LEE7月号(6/5発売)「うまくいってる? 夫婦の「家事シェア」」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。

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