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LEE DAYS club clara

〜五感を研ぎ澄まし心地よく暮らすvol.85〜

1泊2日で巡る「岡山」&「瀬戸内の離島、豊島」~自分らしく楽しむひとり旅~のすすめ。【LEE DAYS club clara】

  • LEE DAYS リーデイズ

2025.10.20

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今回のひとり旅の目的

今朝の通勤途中、どこからともなく金木犀の香りが漂ってきました。今年ももうそんな季節なのですね。ようやく過ごしやすい陽気になり、秋を満喫したい!とあれこれ思いを巡らせる季節。

秋生まれのわたし、この時期は少し遠出をして旅に出るのがここ数年の楽しみです。

今年の行き先はいつか……!と長年温め続けてきた、瀬戸内海の離島「豊島美術館」へひとり旅することに決めていました。

豊島美術館
※記事内の写真はすべて撮影許可いただいております。

つい数日前に旅から戻ったところですが、記憶が鮮明なうちに旅のことを記録したいと思います。

1泊2日で巡る「岡山(倉敷)」&「豊島」

今回は1泊2日で、岡山(倉敷)と豊島を旅してきました。お昼過ぎに岡山に到着し、そのまま倉敷へ。

1日目:まずは大原美術館へ

倉敷大原美術館
見応えのある本館だけでなく、工芸・東洋館と期間限定で公開されていた有隣館にも足を運び、時間をかけて展示をみることができました。
大原美術館の中庭に咲く蓮の花

モネの愛した「ジヴェルニーの庭」から株分けされた睡蓮が中庭にあり、開花時期は限られていますが運よく咲いている姿をみることができました。展示作品の中でも、やはりモネの描く睡蓮がステキでした。

1日目:倉敷の街をぶらぶらお散歩

大原美術館の後は、「倉敷民芸館」にも足を運んでみました。常設展の「世界の篭」や企画展「ゆかいな食卓」と見ごたえたっぷり。

老舗民藝店の「民藝とをる」ではわが家にもある「倉敷ノッティング」や「倉敷ガラス」など、ステキなものがたくさんありました。お土産に備中和紙のめずらしい楕円形の便せんを購入しました。

倉敷女子ひとり旅
右下:裏道で見つけた「つむぐ」さんでひと休み。バスクチーズケーキが絶品でした!


1日目:夜は大好きなアン・サリーさんのライブへ!

夜はこのタイミングで旅に行くきっかけにもなった、大好きな「アン・サリー」さんのライブに行ってきました!場所は岡山市内のレトロな「KOTYAE」さん。シャンデリアの輝く螺旋階段を上った先がライブ会場でした。

アン・サリー with 小池龍平
その時々でバンドを組んだりデュオ、トリオ、と様々なライブ活動をされているのですが、今回はギタリストの小池龍平さんとのデュオ。この組み合わせも個人的に大好物でして♡

年に1〜2度ライブにお邪魔するほど大好きなアンさん♡普段は現役のお医者さまですが、ライブ活動も全国を回り活躍されています。

美しくのびやかな歌声、軽快なトークも楽しいとても素敵な方です♡ またライブではワンピースをよく着ていらっしゃいますが、いつも本当におしゃれ♡ 拝見するのを楽しみにしてます。

今回もお2人の掛け合いがいつもながら漫才のようで、会場は終始笑いが絶えませんでした。でも歌が始まると一気にアンさんの世界にまた惹きこまれていく、その緩急たるや!

最後はリクエストに答えてくださる時間もあり、和やかな雰囲気の中、地元の方に混ざって楽しいひと時を過ごせました♡

「I wish  you love 」(いつか歌えるようになりたい)、「こころ」(歌詞にやられます。勝手に子育ての歌だと解釈していつも涙ぐむわたし)、など大好きな曲が聴けて、素敵な歌声に心底満たされた、とても幸せな夜でした。

2日目:瀬戸内海の離島「豊島」へ

瀬戸内海の離島、豊島の小高い丘にある豊島美術館にアーティスト内藤礼さんによる作品「母型」が恒久展示されています。設計は金沢21世紀美術館などを手掛けている西沢立衛氏。

ここへ行った人たちから「すごく良かった」とうわさには聞いていたけれど、とにかく情報が少ない。それもそのはず、建物内は一切の撮影禁止、ネット上の旅行記を読んでもイマイチ詳細は掴めないままでした。

それでもなぜかずっと気になっていて、いつか自分の目で見て体感してみたいという想いをずっとあたためてきたわたし。そして行くならひとり旅で……これも何となく決めていました。

瀬戸内国際芸術祭2025
おりしも瀬戸内海芸術祭の開催期間中の連休ということもあり、早い段階で美術館チケットは残りわずかでした。秋の会期は11月9日までです!

豊島へのルートと移動手段は事前にしっかり準備を!

離島へのアクセスや島内の移動手段も限られているため、事前に入念なリサーチが必須でした。

その日のうちに関東に戻る時間を逆算して、帰りのフェリーの時間と大まかなスケジュールをたてておきました。また島内の移動手段はレンタサイクルがおススメ。こちらも早めの事前予約が安心です。

豊島美術館までの高速船
豊島の港は2つあり、わたしは豊島美術館に近いほうの唐櫃へ。行きは高速船に乗りました。※高速船とフェリーでは定員数も乗り場も違うので要注意です!

豊島のレンタサイクルを予約した際、おじさんに「高速船は定員が少ないから、遅くとも40分前には港に着いておいて」と言われたとおり、かなり早めに向かったわたし。正解でした。

後から来た方は人数制限で乗れなかった人もいらっしゃったので、特に混み合う時期は公式サイトなどに記載されている混雑予想カレンダーなども参考にするとよさそうです。

無事唐櫃港へ到着し、予約していたレンタサイクルをお借りしました。移動ルートや帰りの船の予定を確認し、返却時間を書いた紙を渡してくれました。とても親切で助かりました!

この日は曇天で気温こそ28度くらいありましたが、陽射しがないぶん、快適に移動できました。

2日目:まずは「心臓のアーカイブ」へ

最初に向かったのが「心臓のアーカイブ」。これも今回楽しみにしていた展示です。

心臓のアーカイブ
アーティスト「CHRISTIAN BOLTANSKI」が、人間の心音は皆違う、という発見から始まった、人々の心音を記録するという試み。

世界中の人々の心臓音を恒久的に保存し、それらの心臓音を聴くことができる小さな美術館が豊島にあります。

心臓のアーカイブ
目の前に瀬戸内海の美しい景色が広がる絶好のロケーションも見事でした。

彼の死後も全世界の様々な都市で長年に渡りこのプロジェクトに参加された方はかなりの数に。

スタッフの方によると、気に入って毎年録音に来る方や、家族全員の記録を残されている方もいるそうです。

展示スペースでは何万とある記録の中から一人の心音が暗闇の中、爆音で流れていました。すごく大音量なのに、何だかずっと居られる不思議な空間。

また録音されたすべてのデータをここで聴くスペースがあるのですが、ここを訪れた知人の名前をリサーチしたところ心音を発見!記念に聞いておきました(笑)。

心臓のアーカイブ 
今回は記録しなくてもいいかなーと思っていたのですが、やっぱり残してみたくなりました。こんな風にその場でCDを焼いてブックレット風にしてくださいます。岬で拾った貝殻も旅の思い出に。
心臓のアーカイブ
ナンバリングされたCDと自筆サイン入り、世界に一つだけの音です。

録音室で初めて自分の心音をじっくり聞いたのですが(子どもが小さい頃、おもちゃの聴診器的聞いて以来)、純粋に自分の生きてる証をダイレクトに感じられ、何だか愛おしく思えたり。

心臓のアーカイブ
展示を見た後は、穏やかな瀬戸内海の海を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごしました。

2日目:続いて豊島美術館へ

最近たまたまお会いした方も「2時間半過ごした」という豊島美術館。否が応でも期待が膨らみます。

電動自転車で差坂を登ること数分、美しい棚田が見えてきました。

棚田が広がる豊島美術館前
かつては不法投棄によりひどく荒れていた歴史を持つ豊島ですが、様々な取り組みにより今は豊かな自然を守りつつ、アートとの共存により今や世界中から観光客の方で賑わうほどに発展しています。

予約した時間の方々と一緒にスタッフの方の説明を聞き、緩やかなプロムナードに沿って美術館に向かいます。半数以上の方が海外からの観光客の方でした。

豊島美術館

途中クヌギの木のどんぐりが実を落としていたり、名もなき小さな花が色付いているのにふと足を止めて見入ったり。聞けば、豊島に自生する植物を植栽しているのだとか。周囲との調和がすばらしい点も印象的でした。

豊島美術館
ふと景色が開けて、眼下に瀬戸内の穏やかな海が姿を現しました。さっき到着した港も船も、まるでトイカメラで納めたミニチュアよう。

ほどなく無機質で硬質なトンネル状の入口が見えてきます。スタッフの方から注意点をいくつか伺って、靴を脱ぎいざ中へ。

豊島美術館 内藤礼

想像していた以上に広くて、静かで厳かな雰囲気が漂う、とても美しい空間がそこには広がっていました。

豊島美術館 内藤礼
中の撮影はできないぶん、しっかりその場で過ごすことに集中できました。

たくさんの方がいらしたけれど、周りの人のことはほとんど気にならない。そんな不思議な時間を過ごしました。

気がつけば2時間……

中での体験はここには記さずにいようと思います。あの場所で体験したことは、あまりに特別な時間だったので。そしてきっと人によって感じることは違うと思うのです。余計な情報はあえてお伝えせず、でも行けばきっと特別な時間を過ごすことが出来ると思います。

ひとつ言えることは、こちらはぜひとも、おひとりで行かれることを個人的にはおススメしたいです。周りのことは気にせず、自身の感覚を解放して、自分の五感に響く時間を心ゆくまで味わい尽くすために。

豊島美術館 内藤礼
何もないようで、すべてがある。そんな場所でした。

今回体感したことは、この先忘れることはないと思います。今思い出してもあの場所に居た感覚が鮮明によみがえってくるほど。

わたしは2時間弱滞在する中で、寝転んで目を閉じたり、座りながら瞑想したり……と過ごしましたが、途中からふと感じたことを記録したい衝動にかられ、手持ちのノートにメモをとり始めました。

様々な気付きが自分の中にどんどん生まれてきて、目に見えるもの、感じることの細かなディテールを書き留めました。気がついたら記録は何ページにも渡っていました。

豊島美術館
美術館内はインクの使用は禁止とのことで、係の方が鉛筆を貸してくださいました。シンプルの極みのようなパンフレットもチケットも美しいかぎり。

帰りの船では気がつくと寝ていました。あまりにも吸収したものが多く、きっとキャパシティオーバーになってしまったのでしょう。

やはり噂どおり、とても素敵な場所でした。遠かったけど、行ってよかった。

豊島美術館のお土産
お土産に、豊島美術館のハンドブックと、ポストカードを数枚。

いつかまた訪れたい、と思います。

季節や天候で、見える景色や感じるものも今回とは異なるはず。それをまた体感してみたい、そんな風に今は思っています。

おまけ……

お誕生日のブーケ
夜遅く帰宅すると、夫がブーケを用意してくれていました。わたし好みのシックなカラー♡ そう、旅の間に誕生日を迎えたわたし。とうとう40代もラストイヤーです。

今回念願叶って訪れることが出来た豊島美術館。のんびりと無理せず楽しむためにも、旅の目的はひとつ、ふたつくらいがわたしにはちょうどいいようです。

穏やかな気候が嬉しいこの季節、次はどこを旅しようかな。

LEE DAYS club clala

clara

48歳 / 埼玉県 主婦

夫と2人の子ども、猫(♂)との暮らし。自分に必要なものをその時々で取捨選択し、日々心穏やかに過ごせるよう心がけています。ひと手間かかっても五感を満たしてくれるもの、丁寧に作られたものを好みます。

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