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全ゆらぎ世代を救う“眠れる体”になる方法

眠り上手になるヒントをプロが教えます!

眠りの質を決めるカギは「朝」!【眠れる体になる方法】日中の生活習慣から「体内時計」を整えて

  • 高垣麗子

  • LEE編集部

2025.09.19

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全ゆらぎ世代を救う「眠れる体」になる方法

【眠れる体づくり】生活習慣で「体内時計」を整える!

生活習慣で「体内時計」を整える!

睡眠は大事……そう、ぐっすり眠ることは究極の「わたしケア」。それはもちろんわかっているけれど、思うように熟睡できなかったり、十分な睡眠時間が確保できなかったりする人も少なくない30代・40代。そんな私たちのために、眠りのプロが集結! 賢く眠り上手になるヒントをお届けします。

Index
  1. 【眠れる体づくり】生活習慣で「体内時計」を整える!
  2. 教えてくれたのは、4人の睡眠プロフェッショナル
  3. 【朝の過ごし方】眠りの質を決めるのは、実は「朝」がカギを握っている
  4. 【日中の過ごし方】日中ほんの少し自分軸を意識するだけで、眠りの質が上がる
  5. 【日中〜夜までの過ごし方】お昼寝は10〜15分、15時まで
  6. 睡眠プロおすすめの香り
  7. あわせて読みたい

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教えてくれたのは、4人の睡眠プロフェッショナル

温泉療法専門医医学博士 早坂信哉さん

早坂信哉さん

温泉療法専門医 医学博士

東京都市大学人間科学部教授。日本健康開発財団温泉医科学研究所所長などを務める。生活習慣としての入浴や温泉を医学的に研究する、第一人者。25年以上にわたり、延べ4万人以上の入浴データを調査。

 尹 生花さん

 イン 生花セイカさん

中医学博士サロン「BHY」主宰

北京中医薬大学博士課程修了。早稲田大学ビジネススクール(MBA)卒業後、はり師・きゅう師資格取得。ホリスティックビューティの先駆者として、「身体の内側と肌の相関関係」を数字で解明。著書も多数。

小林麻利子さん

小林麻利子さん

眠りとお風呂の専門家

SleepLIVE代表取締役、SRL睡眠科学研究所CRO。公認心理師、睡眠改善インストラクター。深い眠りを得る入浴法の研究や個人指導を行う。テレビ、雑誌などのメディアでも活躍。眠りと入浴に関する著書も多数。

西川ユカコさん

西川ユカコさん

睡眠研究家

雑誌編集者として勤務後、現職に。睡眠ヘルスケア協議会副理事長、睡眠改善インストラクター、セロトニントレーナーの資格を有し、メディアや個人カウンセリングなどで活躍。著書に『最強の睡眠』(SB Creative)。

眠れる体づくり

【朝の過ごし方】眠りの質を決めるのは、実は「朝」がカギを握っている

朝から活動的に過ごし、夜は自然に眠くなるよう体内時計を整えることが大切です。実は、そのカギを握るのが朝。質のよい睡眠の準備は「その日の朝」から始まっていると言っても過言ではありません。朝にたっぷり日差しを浴び、朝食をきちんととるなどの習慣を身につけ、体内時計の乱れをリセットしていきましょう。また、夜に睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンへと変化するセロトニンを、どう作り出すかも重要です。朝に整えた体内時計を、昼や夜に乱さない工夫もいろいろ。生活の中で実践できそうなことを見つけてみて。

目覚めたら、まず朝の日差しを浴びて睡眠サイクルを整えることからスタート!

目覚めたら、大きく伸びをし深呼吸。その後、カーテンを開けに行き、娘のお弁当を作った後にコーヒーの豆を挽いて香りを楽しむのが、私の朝のルーティンです

高垣麗子さん

目覚めたら、まず朝の日差しを浴びて 睡眠サイクルを整えることからスタート! 高垣麗子さん
パジャマセット¥28600/トゥモローランド 渋谷本店(トゥモローランド ホーム)

体内時計を整えるために、何をおいても欠かせないのが太陽の光を浴びること。

「体内時計は網膜を通して届く朝の光に反応し、乱れたリズムをリセットします。また、この光刺激によってセロトニンが分泌され、日差しを浴びてから14〜16時間後にはメラトニンへ変化。だからこそ、起床後は真っ先にカーテンを開けに行き、午前10時までにたっぷり日光を浴びることが大切。紫外線が気になる方はUV対策を万全にしながら、通勤などの際は日なたを選んで歩いてください」(西川さん)

睡眠時間は6時間半〜8時間の間がベスト

睡眠時間は長すぎても短すぎても、体内時計が乱れてしまいがち。理想は6時間半〜8時間未満の範囲で、自分に合った時間を見つけるのが大切です。

「自分に最適な時間の見つけ方は、朝起きたときの『スッキリ感』が得られるかどうか。睡眠が短いと代謝が滞り太りやすくなるほか、気分の波も不安定に。逆に長すぎると眠気が抜けず、かえって疲労感が残ることもあります。ちなみに季節によって最適な睡眠時間には差があり、夏は短く、冬は長くなる傾向があります」(小林さん)

スヌーズ機能はやめよう

「朝方に二度寝をすると、深夜深い眠りの際に出現する〝徐波睡眠〞が、朝方に出ることも。再び鳴るアラームで深い眠りから強制的に覚醒させられるのは、深夜に叩き起こされているようなもの。目覚めが悪くなり、朝から疲労感を招きます。また、最初のアラームで起きられないからと30分も前から鳴らすのは、貴重な睡眠時間を削ることに。スッキリ起きるにはアラームは1回だけにし、理想は朝の光で自然に目覚めること。自然起床が難しい場合は、就寝前に『○時に起きる』と心の中で唱えると、脳が準備を始めてくれるようになる研究報告もあるのでぜひ習慣に」(小林さん)

朝、ボーッとするときは冷たい水で手を洗うとしゃきっと!

冷たい水で手を洗ったり、廊下を素足で歩くと目が覚める、と小林さん。

「通常起床前から体温が上がり覚醒しますが、日光浴や朝食をとっても眠い場合は、体温がうまく上がっていません。睡眠時間不足や二度寝を繰り返した結果でしょう。冷たい水で手を洗ったり、素足で歩くことで、脳への刺激に。この状態は睡眠で体がリカバリーできていないので睡眠の見直しが不可欠です」(小林さん)

朝食を咀嚼して食べれば夜のいい睡眠へとつながる

体内時計を整えるのに欠かせないのが、日差しとともに朝食。

「朝食によって、体に『朝ですよ〜』という信号が送られます。朝食をとったりとらなかったり、時間もバラバラだったりすると、海外旅行の際の時差ボケと同じように体内時計は狂ってしまいがち」と西川さん。また、きちんと〝噛む〞ことも大事だという。

「噛むことでセロトニンが増え、夜に、暗くなれば睡眠ホルモンの〝メラトニン〞に変化しますから。朝寝坊して時間がないときは、食事前後にガムを噛むことも有効でしょう」(小林さん)

セロトニンを作る食品

タンパク質に多く含まれる必須アミノ酸〝トリプトファン〞〝ビタミンB6〞〝炭水化物〞の3栄養素が揃ったうえで、太陽の光を浴びたり、リズミカルな運動をすると、セロトニンが作られます。

セロトニンを作る食品の図

生活習慣で「体内時計」を整える!

【日中の過ごし方】日中ほんの少し自分軸を意識するだけで、眠りの質が上がる

西川さんによると、現代人の眠れない原因の多くはストレスに起因するという。

「ストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、〝幸せホルモン〞セロトニンが減少します。そこに睡眠不足が重なると、思考はよりネガティブに傾き、負のスパイラルに陥りやすくなってしまう。ストレスの大半は、人間関係によるもの。日本人は気持ちを抑え込むことが習慣化している人が多いので、少しでも〝自分軸〞を取り戻すことが大切です」(西川さん)

基本、寝だめはNG

平日の睡眠不足を週末の“寝だめ”で取り戻そうとするのはNG! 

「睡眠負債は一気に返済できません。平日と週末の起床時刻に2時間以上の差があると、社会的時差ボケに陥り、体も脳もだるくなるうえに、休み明けがつらい状態になります」(小林さん)。

「寝だめは体内時計のリズムを乱し、かえって睡眠の質を損ねる可能性があります。さらに昼まで眠ると夜の入眠が遅れ、翌週の生活リズムが崩れることも」(西川さん)

自然の音を流せばリズムが整う

「滝や雨音、鳥のさえずりなどの自然音は、幸せホルモン、セロトニンを増やす一方で、ストレスホルモン〝コルチゾール〞の抑制にも効果的。夜にも◎ですが、実は日中こそおすすめ。心が安らぎ、疲れにくくなるうえに仕事のパフォーマンスも高まりますよ」(西川さん)

『屋久島の朝』HV1012 ¥2500/ヒーリングガーデン 
『屋久島の朝』HV1012 ¥2500/ヒーリングガーデン 

「屋久島の森で迎える早朝から始まり、朝の時間の変化を定点観測しているような音の変化を楽しむことができます。静かに集中力が高まるのを感じます」(西川さん)

呼吸を整えるとリラックス上手に変わる

呼吸法のイラスト

交感神経のバランスを整えてリラックスするには、呼吸がカギ。

「眠れない人は呼吸が浅く、うまく酸素を取り込めていない傾向があります。そんな場合は、酸素を全身に巡らせる〝深呼吸〞を習慣に。散歩中や休憩時間、寝る前など、気づいたときに取り入れましょう」(尹さん)



生活習慣で「体内時計」を整える!

【日中〜夜までの過ごし方】お昼寝は10〜15分、15時まで

昼寝は、実は“したほうがいい”と睡眠のプロたちは口を揃えます。

「昼過ぎは第二の睡眠期。午前と夕方以外なら、自然な生理現象です。その後の仕事のパフォーマンスを高めたければ、10〜15分くらいがベストでしょう。普段睡眠不足ぎみの方はすぐに深い眠りが出現してしまう可能性があるので、必ずアラームセットを」(小林さん)、「多く寝てしまうと夜の睡眠の質を下げる原因に。体内時計を狂わせないためにも、15時までに」(西川さん)

カフェインは14時までがタイムリミット

カフェインは14時までがタイムリミット
ニット¥20900/デミルクス ビームス 新宿(デミルクス ビームス) スカート/スタイリスト私物

「夜にカフェインをとると眠れなくなるのはよく知られていますが、快眠のためには、コーヒーや紅茶を飲むタイムリミットは思っているより早い14時頃。一般的にカフェインの作用は5〜7時間続くといわれていますから(10時間続く人もいるそうです)、逆算するとこの時間が適切で、夕方以降は控えるようにしましょう。仕事中の眠気対策には、私は〝ハッカ油〞を活用。指にとって頬骨のあたりにつけると、スースーして目がシャキッと冴えてきますよ」(西川さん)

夕方の帰り道は早歩き

「ぜひ夕方に、少し速めの歩行を試してみてください」と小林さん。18〜20時は深部体温が最も高まる時間帯で、このタイミングに軽く汗ばむ程度の運動をすると、体温の高低差が生まれ、自然な眠りへと導かれるそう。

「この時間帯の運動は、体内時計のリズムを整えるだけでなく、筋肉の生成を促す成長ホルモンの分泌も高まり、朝の運動よりもメリットが多いんですよ」(小林さん)

残業が多い人は19時に何かひとくち食べよう

夕食は、内容よりも時刻を優先。食物が胃に残ったままだと、消化に血流が使われ深部体温が下がりにくくなり、眠りの質が損なわれがちに。

「仕事などで帰宅が遅くなる場合は、〝分食〞を。19時頃、可能であればおにぎりなど、難しければチーズをひとくちでもいいのでお菓子以外のもので軽く栄養を補い、帰宅後に食事をよく噛んでとり、入浴→就寝へとつなぐルーティンを心がけましょう。胃に負担をかけないことと、空腹時間が長くなりすぎないことが、深い眠りへのカギです」(小林さん)

夕方以降は、鎮静の香りを味方につけて、リラックスモードへ上手にシフト

自律神経への作用は、聴覚より嗅覚のほうが早いのだそう。鎮静力の高い香りで嗅覚を刺激すれば、一気にリラックスモードへシフト。

「おすすめは、睡眠に効果があると実証されているラベンダーの香り。ラベンダーに含まれるリナロールという成分が副腎や腎臓の交感神経を鎮めるという研究結果が出ています」(小林さん)。

「落ち着く鎮静効果のある香りといえば、ラベンダーやベルガモットをはじめ、レモングラス、ジャスミン、ゼラニウム、カモミール、サンダルウッド、フランキンセンス、イランイランなど。ただ苦手な香りだと、脳が悪臭と判断してストレスになるので、好きな香りを選んでください」(西川さん)

Check

睡眠プロおすすめの香り

A.エッセンシャルオイルトドマツ 15㎖¥4950

森林浴トリップが叶う精油

エッセンシャルオイルトドマツ 15㎖¥4950/Be
15㎖¥4950/Be

西川さんイチ押しの北海道産オーガニックトドマツ100%の精油は、ふわりと香った瞬間に眠くなるという。トドマツの香りには、自律神経を整え、心身をリラックスさせる効果が。

B.スリープステップ アロマティックシール スイートドリーム 18枚入¥1100/フレーバーライフ社

枕やパジャマに貼るだけで快眠

スリープステップ アロマティックシール スイートドリーム 18枚入¥1100/フレーバーライフ社
18枚入¥1100/フレーバーライフ社

小林さん監修の天然アロマだけをしみ込ませたシール。ラベンダーをベースにした香りで、マスクなどに貼って使える。

C.エッセンス ド フロウ カーム ロールオン 10㎖¥1980/イヴ・ロシェ

いつでもリラックスモードに

エッセンス ド フロウ カーム ロールオン 10㎖¥1980/イヴ・ロシェ
10㎖¥1980/イヴ・ロシェ

充足感を与える、ラベンダーのフローラルウッディな香り。首、こめかみ、手首など脈拍が触れる部分に。

D.uka ネイルオイル 24:45 5㎖¥3960/ウカトーキョーヘッドオフィス

指先から癒しの香り

uka ネイルオイル 24:45 5㎖¥3960/ウカトーキョーヘッドオフィス
5㎖¥3960/ウカトーキョーヘッドオフィス

ラベンダーをはじめ、幸せな気持ちへ誘うバニラやオレンジをブレンド。

Staff Credit

撮影/枦木 功(モデル) ヘア&メイク/ 美舟(SIGNO) スタイリスト/小林実可(モデル) モデル/高垣麗子 イラストレーション/green K 取材・原文/中島 彩

こちらは2025年10月号(9/5発売)「全ゆらぎ世代を救う“眠れる体”になる方法」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2025年10月号現在)です。

おしゃれも暮らしも自分らしく!

LEE編集部 LEE Editors

1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
仕事や子育て、家事に慌ただしい日々でも、LEEを手に取れば“好き”と“共感”が詰まっていて、一日の終わりにホッとできる。
そんな存在でありたいと思っています。
ファッション、ビューティ、インテリア、料理、そして読者の本音や時代を切り取る読み物……。
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