LIFE

小さい家の間取りとセンス

取材後のアフタートークも!

70㎡〜75㎡の【建築家・設計士の小さな自邸】知恵と経験が発揮された、大胆かつ“なるほど”な間取り3軒

  • LEE編集部

2025.04.01

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思いきったプランからは学びがいっぱい

建築家・設計士の小さな自邸の間取りとセンス

【70㎡〜75㎡ 建築家・設計士の小さな自邸】大胆かつ“なるほど”な間取り3軒

「小さい」という条件があるからこそ、知恵と経験が発揮された建築家・設計士の自邸。大胆かつ“なるほど”な間取りの3軒です。

Index
  1. 建築家・設計士の小さな自邸の間取りとセンス
  2. 【75m2/1LDK/マンション】LDKを腰までの収納棚でゆるやかに区切り、“4人部屋”のように
  3. 【72m2/6DK/戸建て】立体的に続くスキップフロアで、家族がそれぞれ好きに過ごす
  4. 【70m2/1LDK/マンション】3歳の子どもとの暮らしを満喫するため、LDKを最優先したつくり
  5. 編集者が気づいた“小さくても快適”の理由
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House #

001

4人暮らし

【75m2/1LDK/マンション】LDKを腰までの収納棚でゆるやかに区切り、“4人部屋”のように

【設計士の自邸の小さな間取り】75㎡/1LDK「キッズスペースは腰高の棚で目隠しとなりすっきり」

マンション

75m2/1LDK

4人暮らし

設計士 若狭龍成さん
Instagram:w.design0729

わかさ・りゅうせい●都心のマンションサイズで、どこまで工夫できるかに挑戦。家族は妻、3歳の長女、0歳の次女。

マンション 75㎡/1LDK

2人目のお子さんが生まれたことを機に、中古マンションを購入し、フルスケルトンにしてリノベーション。

「赤ちゃんがいる暮らしなので、全体を見渡せる大きな空間にしようと計画。LDKを腰までの低い棚で、ダイニング、キッチン、リビング、キッズスペースの4つにゆるやかに仕切りました。タイル、フローリング、畳と床材も変えることでゾーニングし、エリアごとにそれぞれの行動に集中できるつくりに」(若狭龍成さん)。

またLDKに入る前の廊下を“舞台”と位置づけて、棚の上に趣味のアートや季節の飾りをディスプレイ。

「帰宅するたび好きなものに囲まれる感覚が至福です」(若狭龍成さん)

リビングからキッチンとダイニングを眺めた様子。それぞれのゾーンはコンパクトでも、1つの空間としては広いつくり。

リビングからキッチンとダイニングを眺めた様子。それぞれのゾーンはコンパクトでも、1つの空間としては広いつくり。

アートを存分に楽しめる廊下スペース。間接照明で、壁や棚上のアートが映えるように。

アートを存分に楽しめる廊下スペース。間接照明で、壁や棚上のアートが映えるように。

畳のキッズスペース。散らかっていても腰高の棚が目隠しとなって、ダイニングからの見た目はすっきり。

畳のキッズスペース。散らかっていても腰高の棚が目隠しとなって、ダイニングからの見た目はすっきり。

House #

002

4人暮らし

【72m2/6DK/戸建て】立体的に続くスキップフロアで、家族がそれぞれ好きに過ごす

【立体的に続く小さい間取り】72㎡/6DK「家族がそれぞれ好きな場所で好きに過ごせる家」

戸建て

72m2/6DK

4人暮らし

設計士 佐藤荘一さん
Instagram:so_sato_house

さとう・そういち●建築事務所で個人宅や店舗などを設計。家族は妻、11歳の長男、8歳の次男。

戸建て 72㎡/6DK

家族が成長するにつれ、どんな変化があっても対応できる家を、と考えた佐藤さん。

「なるべくそれぞれの空間に優先順位や抑揚をつけず、住んでから住み方を決めたかったんです。それにギリギリまで小さくしたほうがコストを抑えられて、楽しいアイデアも生まれるはずと。そこで考えたのが、田の字を重ねたような間取り。床面の半分をずらしてスキップフロアにすることで、生活が立体的につながるようにしました。1つのフロアは約4.5畳と小さく、個室はありませんが、それぞれが好きな場所で好きに過ごせる空間ができました」(佐藤荘一さん)

1階の土間エリアと2階ダイニングエリアを1.5階から見た眺め。仕切りはなくても段差があることで、それぞれが独立した空間に。

1階の土間エリアと2階ダイニングエリアを1.5階から見た眺め。仕切りはなくても段差があることで、それぞれが独立した空間に。

玄関を設けず、掃き出し窓から出入りするスタイルに。1階全体を“靴で過ごす部屋”として、空間を有効活用できるように。

玄関を設けず、掃き出し窓から出入りするスタイルに。1階全体を“靴で過ごす部屋”として、空間を有効活用できるように。

House #

003

3人暮らし

【70m2/1LDK/マンション】3歳の子どもとの暮らしを満喫するため、LDKを最優先したつくり

【建築士の小さい間取り】70㎡/1LDK「“今の時期だけ”にフォーカスをしたちょっと贅沢な家」

マンション

70m2/1LDK

3人暮らし

建築家 新里 悟さん

しんざと・さとる●日本全国の物件を扱うリノベ会社「株式会社ThanCa(ザンカ)」で設計。家族は妻、3歳の長男。https://thanca.co.jp/

マンション 70㎡/1LDK

子どもの成長やライフスタイルの変化に合わせて家を買い替え、その都度必要な広さや部屋数のある家に住もうと考えている新里さん。

「子どもが3歳なので、部屋数や間仕切りを増やさず、子どもが走り回れるLDKの広さを重視しました。“今の時期だけ”にフォーカスをした、ちょっと贅沢な間取りかなと思います」(新里 悟さん)

キッチンとソファは壁付け。寝室はカーテンで仕切られているだけで、普段は開けたままに。

「造作ソファの内部や寝室小上がりの下を収納にして、空間を有効活用しました。これなら70㎡でも十分。面積がコンパクトな分、予算を床材や設備など、別の部分にあてられたのもメリットでした」(新里 悟さん)

空間全体に光が行き渡るように室内窓をつけ、玄関も明るく。

空間全体に光が行き渡るように室内窓をつけ、玄関も明るく。タイルと床の境界線や扉の角には丸みをつけて、やわらかさを演出。

もともとトイレの排水管が通っている柱を囲うように造作棚を設置。

もともとトイレの排水管が通っている柱を囲うように造作棚を設置。ディスプレイ兼子どものおもちゃ置き場として活用。

LDKの広さを確保するため、キッチンは壁付け。

LDKの広さを確保するため、キッチンは壁付け。素敵な色合いで、そのものがインテリアの一部に。



after talk

編集者が気づいた“小さくても快適”の理由

床面積の数字だけでは測れない、“広々した”家を取材後、副編ぷーすけとライターTが「なんでそんなに気持ちいいの?」を振り返ります。

“普通”から自由になれれば、「小さい」はむしろメリットに

T 天井を高く、窓を大きくして眺めをよく、壁を天井までにせず空間をゆるく仕切る。そういった工夫が気持ちのいい空間をつくるんだなと、あらためて感じましたね。

 空間の“広さ”って、床面積だけでなく、いろいろな要素が関係するんだなあと。間取りも3LDKでクローゼットも書斎もと、なんとなく全部があるプランにするのではなく、譲れない条件をはっきりさせて、普通はあるけど自分たちに不要な要素は潔く手放しているのが印象的でした。

T 玄関がないとか、リビングとダイニングキッチンを切り離すとか、それもアリなんだ、と勉強になりました。なかには「うち、そんなに小さいですかね?」と逆質問があったり(笑)。間取りにも広さにも固定観念がなくて、一生ここに住む!という気負いがない人も。先を見すぎず、将来の住み替えも考えながら、“今の自分たちに合った家”を楽しんでいるのが、軽やかでいいなと思いました。

 飾り方も、小さい家=すっきりさせる、が正解というわけでもないんですよね。スペースが限られていて、物がいつも目に入るからこそ、ここには本当に好きなものだけを、と自然とセンスが磨かれていくんだなと。

T 広さにこだわらなければ、立地など、ほかの条件を優先できるし、掃除などメンテナンスの手間も少ない。「小さい家」ってメリットのほうが大きいのかも!? 

Staff Credit

間取り図製作/前田優子 取材・原文/田中理恵
こちらは2025年LEE4月号(3/7発売)「小さい家の間取りとセンス」に掲載の記事です。

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1983年の創刊以来、「心地よいおしゃれと暮らし」を提案してきたLEE。
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