画業60周年を記念して、エッセイ本第2弾と塗り絵ブックの2冊を同時発売!
【一条ゆかりさんインタビュー】自分を正しく知ることが、幸せになるコツです
2025.03.10
Culture Navi
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自分を正しく知ることが、幸せになるコツです
一条ゆかりさん

『デザイナー』『有閑倶楽部』『プライド』と数々の名作を残してきた少女漫画界のレジェンド・一条ゆかり先生。貸本時代から画業60周年を記念して、このたびエッセイ本第2弾(電子書籍)と塗り絵ブックの2冊を同時発売し、話題になっています。
まず電子書籍は、一条イズムにあふれた金言集ともいえるもので、「機嫌をとらないといけない男は、たいしたことがない男」「隙あらば感謝! 暇なくても感謝! 幸せのコツはとにかく感謝!」など、クスッと笑えてグサリと刺さる名言が満載。
「私はなぜか人から相談されることが多いんですよ。以前、集英社のパーティに出たときには、相談者の列ができて、せっかくの料理が食べられなかったという(笑)。いろいろな人の話を聞いて思うのは、みんな自分のことを正しく理解していないなぁということ。『私、打たれ弱いんです~』って言う人がいるけれど、たいていは『打たれ弱いんじゃなくて打たれ嫌い』なだけ。そういう人ほど、弱いどころか図々しいのよ(笑)」と一条先生は鋭く分析します。
例えば既婚者が口にする夫への不満に対しても、「男が自分を幸せにしてくれると勘違いしている人が多いけれど、男は幸せになる“アイテム”をくれるだけ。幸せは自分で築くしかない」ときっぱり。
「だからこそ、自分のことを正しく知ることが大事だと思うんです。人によって性格も価値観も違うわけだから、自分を知らなければ、幸せになるために必要なものもわからない。何か万能薬があって、『これがあれば幸せになれる』と思っている人がいるけれど、それって蜃気楼のようなもの。それではいつまでたっても幸せは手に入らないと思うの」
さらに「もしやりたいことがあったら、すぐに行動すること」とも。
「漫画家さんでも『いつかこんな話を描きたい』って言う人がいるけれど、だったら今描くべきだと思う。だって『今やりたいこと』への情熱は今が最高潮で、時間がたったら薄れていくだけ。『子どもが育ったら、これをやろう』と思っていても10年後にはその熱意はないかも。私も仕事をやめたら豪華客船で世界一周したいと思っていたけれど、緑内障になって断酒をしたから、その夢は消えたのよ。だって飲み放題の豪華客船なんて、飲めない人間にとっては地獄だもん(笑)。だから、やりたいことがあれば、できるだけ早く始めたほうがいいと思う。そして失敗して、痛い目にあったらそのときまたやり直せばいい。恥をかくほど人は成長するし、変われるものだから」
ガッツあふれる金言集を読めば、きっと喝を入れてもらえるはず。一方塗り絵ブックは、一条先生の美しい原画を、見るだけでなく塗って楽しめるファン待望の一冊。カラー原画20点とそれを再現した塗り絵が20点。ため息が出るほど美しい絵はすべて、先生自身が選んだものです。
「いろんな絵が描けます、芸がありますというところをお見せしたかったので(笑)、タイプの違う絵をバランスよく入れました。うまく塗るコツは、光がどこからきているかを意識すること。影ができて立体感が出ると思います。子どもと一緒に塗っても意外性があっておもしろいかも」
一条先生の人生がまるごと詰まったようなエッセイと塗り絵ブック。2つセットで一条ワールドにどっぷり浸ってみませんか?
PROFILE
1949年9月19日、岡山県生まれ。1967年第1回りぼん新人漫画賞準入選、1968年『りぼん』でデビュー。代表作に『デザイナー』『砂の城』『有閑倶楽部』『プライド』など。1986年『有閑倶楽部』で第10回講談社漫画賞少女部門受賞。2007年『プライド』で第11回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。
『男で受けた傷を食で癒すとデブだけが残る たるんだ心に一喝!! 一条ゆかりの金言集2』

大好評だったエッセイ本『不倫、それは峠の茶屋に似ている』に続く、一条ゆかり先生の金言集第2弾『男で受けた傷を食で癒すとデブだけが残る』が電子書籍に。こちらはwebマガジン『OurAge』で連載中の大人気コラム「一条ゆかりの今週を乗り切る一言」をまとめたもの。愛と叱咤にあふれた言葉で、たるんだ心に喝を入れてもらえます! ¥1760 集英社(集英社女性誌eBOOKS)
『一条ゆかりポストカードBOOK 塗り絵倶楽部』

代表作の扉絵や漫画雑誌の表紙、付録用のイラストまで。一条ゆかり先生の美麗なカラー原画20枚と、その塗り絵20枚の計40枚のポストカードを収録した『塗り絵倶楽部』。見て、塗って、飾って、人に送っても盛り上がる楽しい一冊。¥1980 集英社
Staff Credit
撮影/橋本紗良 取材・文/佐藤裕美
こちらは2025年LEE4月号(3/7発売)「カルチャーナビ」に掲載の記事です。
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