お弁当対談【藤井 隆さん×藤井 恵さん】野菜冷凍のテクニック、続けられるワンパターン弁当について教えてくれました！

恵先生特別講座！　お弁当用野菜冷凍テク

藤井隆さん（以下隆）　せっかく、恵先生にお会いできたので、実は聞きたいことがたくさんあるんです。

藤井恵さん（以下恵）　なんでしょう？　急なことで、答えられるかしら（笑）。

隆　先生は、お弁当用の食材は冷凍されてますか？

恵　うーん。お弁当に関しては基本、その場でパパッと作りますけれど、肉や魚に下味をつけて冷凍しておくことはありますね。

隆　野菜はどうですか？

恵　あ、にんじんはおすすめですよ。細切りにして、生のまま冷凍しておくんです。解凍するとやわらかくなって、さっと炒められるし、そのままキャロットラペにもできるし。あとは、さといもですね。これも、洗って皮をむいて食べやすい大きさに切って冷凍できます。

隆　え！　さといもは下ゆでしなくていいんですか!?

恵　大丈夫！　冷凍のまま煮ると、ふわふわの食感になるんです。冷凍期間が大切で、1〜2日じゃその食感にならないの。1週間くらいは凍らせておいたほうがいいんです。あと、生のまま冷凍していい野菜っていうと、隆さんのお嬢さんも大好きな、かぼちゃ。

隆　かぼちゃのソテーが好きな子なんですよ〜。あと、ピンポイントな話、してもいいですか？

恵　どうぞどうぞ。

隆　ハッシュドポテトを作りたいんですが、あれって、本来は揚げるじゃないですか。朝は面倒だから、フライパンでギューッと押しつけて焼くんですけど、やっぱり揚げたほうがおいしいのかなあ。

恵　いやいや、朝は揚げてる余裕なんてないですよ〜。

隆　それでいいんですね！　じゃあ先生、卵焼き器で揚げ焼きだったらできます？

恵　大丈夫、できます！　油が底から5㎜あればOKですよ。

お弁当は、作る人から食べる人へのメッセージ

隆　僕、思い立ったら時間も構わず、新メニューにチャレンジしちゃうんです。時間ギリギリなのに、はんぺんとエビを叩いて“エビしんじょ”のようなものを作ろうとしたり。つなぎを入れなかったので、フライパンの中でボロボロになりましたけれど（笑）。あと急にタンドリーチキンに挑戦したことも。でも、あれはタンドリーチキンじゃなくて、ただのヨーグルト味の鶏肉だった気がしています。

恵　お嬢さんの感想は？

隆　それがやさしい子で、「今日は（いつもと違って）楽しかったわ！」って言ってくれて。お弁当もね、ちゃんと「おいしかった」とか「もう一度食べたいな」とか、いつも感想を言ってくれるんですよ。だから、こっちもついうれしくなって張り切るから、つい余計なことしちゃう。

恵　いつもは安心感あるワンパターン。その中で、ほんの時々、目新しいものを入れると、子どもから反応が返ってきますよね。うちの娘たちも、いつも作らないものが入っていると、あれこれ感想を言ってくれたなあ。

隆　お弁当って、本当にコミュニケーションなんですよね。娘の喜んでいる顔を見ながら、『僕は一体あと何回、娘にお弁当を作ってあげられるんだろう』なんて、ふと思ったりもするんですよ……。

恵　あら！　私は、娘たちが高校を卒業してお弁当生活が終わったとき、そんなしんみりした感慨もなく、「やった～!!」って手放しで喜んじゃいました。でもね、社会人になった娘のために、最近またお弁当を作っているんです。すごく忙しくしているから、せめてお昼だけでもちゃんと家のごはんを食べさせたくて。不思議なことに、昔はあんなに大変だったのに、今はお弁当作りが楽しいの。それはきっと、長年作って“3品弁当”という自分の型ができて、ようやく楽しむ余裕ができたんですね。

18年前のお弁当。昔は張り切って朝からノリ巻きを作る日もあったけれど、今は無理なく続く3品が定番。「娘たちが学校を卒業してから休んでいたお弁当作り。ここ1年半ほどは、仕事で多忙な娘の体調が心配で復活」（藤井 恵さん）