TAKARAZUKA STAR|ココロの景色【SPECIAL】
【星組トップスター・礼 真琴さん】「パレードの大階段を一歩一歩降りながら眺める、最高に幸せな景色」【宝塚スター|ココロの景色】
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TAKARAZUKA STAR INTERVIEW ココロの景色
2025.02.20
あのとき、あの瞬間、その目で見た、忘れることができない風景とは? そこから紐解く、タカラジェンヌの大切な思い出、美学、人生の歩み。

SPECIAL
星組トップスター
礼 真琴さん

Makoto Rei・Profile
2009年、宝塚歌劇団に95期生として首席入団。星組に配属される。秀でた才能と実力に早くから注目が集まり、入団11年目で星組のトップスターに就任。今年8月10日付で退団することを発表。
パレードの大階段を一歩一歩降りながら眺める、最高に幸せな景色
Makoto Rei
宝塚人生の中には忘れられない景色は山ほどあります。ただ、すべての作品に共通してあるのが「私が一番好きな瞬間はパレード」という思いなんです。それも、大階段から降りる途中、星組のみんなの顔も、お客様の顔も、全て見渡すことができるあの空間が私は本当に大好きで……。
下級生のときに『Celebrity』というショーに出演したのですが、そのお稽古中、演出家の稲葉(太地)先生から「パレードの顔が暗い」と指摘され、こんな言葉をいただいたんです。
「パレードはお客様に芸名の自分として、心からの感謝を述べる場面。だからこそ“もうすぐ終わりだ”“あとはパレードだけだ”なんて気持ちで挑まないでほしい。パレードは、今までお芝居やショーでいろんな役を演じてきた自分が、全てを脱ぎ捨てて、芸名の自分として初めて演じることができるとても大切な場面でもある。だからこそ、そこでは最高の、自分らしい笑顔を見せてほしい」
この言葉をいただいてから、パレードでは自分の笑顔も、劇場を見渡したときに目に入る星組のみんなやお客様の笑顔も、より大切になりました。
また、私は大階段を降りるときの“重み”もすごく好きなんです。それは約3時間の公演を必死に頑張った“重み”であり、背中に背負っている羽根の“重み”でもあるというか。実際に羽根は、本当にものすごく重いんです(笑)。初めて衣装合わせで背負ったときには、あまりの重さにひっくり返ってしまいそうになったほど(笑)。
でも、その“重み”を感じながら見る、景色もまた、本当に素晴らしくて。私は今日も噛み締めるように、一歩一歩、大階段を降りるのです。「楽しかった」と「もう終わっちゃった」が入り混じる劇場の笑顔を眺めながら。

INFORMATION
ミュージカル
『阿修羅城の瞳』
ファンタジック・タペストリー
『エスペラント!』

礼さんが最後に挑むのは劇団☆新感線と宝塚歌劇の初のコラボ作品。人を喰らう鬼が密かに跋扈する江戸の街。ある事件を機に鬼御門を辞めた病葉出門は謎の女・つばきを匿うことに。不思議な縁に導かれ惹かれ合う二人だが……。人と鬼との壮大な恋物語を描く。主演:礼真琴
原作/劇団☆新感線「阿修羅城の瞳」(作・中島かずき)
宝塚大劇場
4月19日~6月1日
東京宝塚劇場
6月28日~8月10日
Staff Credit
撮影/柴田フミコ ヘア&メイク/山本浩未 スタイリスト/村山佳世子 取材・文/石井美輪
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