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来たる梅雨の家事が楽になる! 撥水スプレー・ワックスで”あとラク”予防掃除

  • 藤原千秋

2025.04.24

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毎年のことなのに、生えてから気づくんです。お風呂場のカビ。
皮脂が染み込んでから気づくのです。床の足跡。


見通しが甘かった。対策してるつもりだったけど、足りてなかった。

あの、鉄板な「水気を拭き取る」ひと手間。

「こまめな掃除」という、ひと手間。
たかが「ひと手間」されど「ひと手間」。割けるなら理想的。
でもそれを、あわただしい毎日の家事のルーティーンに改めて組み込むのって、現実的には難しい。



梅雨の前の、気温の上昇に、追いつけなかった。
でも、もしそのひと手間をスキップできる家事の「仕込み」が可能だったなら……?

「撥水スプレー」で”あとラク”実現!

掃除 スプレー 撥水

そんな仕込み掃除のお助けグッズ、「撥水スプレー」
でも撥水スプレーって普通スキーウェアとかレインウェアとか、子どものスニーカーに吹き付けたりするもの? 防水スプレーとはどう違うの? などなど混同してしまいがちですよね。

近年、従来からの衣類や靴、傘、バッグなどに使用するものとは異なる「住居用」の撥水スプレーというものが登場しました。
「コーティング剤」「撥水ワックス」などと呼ばれたりもします。

主成分はシリコーンで、住まいのキッチンや浴室といった水回りの、陶磁器やステンレス部、プラスチック部などに塗布するもの。
シンクや水栓に付着した水滴を、コロコロと玉のようにして弾き(撥水)、その場に残さないことによりカビやヌメりや黒ずみの発生を防ぎます。


衣類、バッグなどに使う撥水スプレー、防水スプレー(水の侵入を防ぐ)にもシリコーン系成分のものがありますが、住居用との互換性はありませんので、念のため。

住居用撥水スプレーの使用方法はとてもシンプル。
掃除済みの清潔な状態の壁、シンクなどにスプレーして乾拭きするだけです。

つまるところ、住居用撥水スプレーを仕込んでおく(吹き付けておく)ことで、例えば浴室なら毎日の入浴後、必死にスクイージーで水切りしなくても、勝手に壁から水滴が消えてくれるようになるのです。
そのため圧倒的にヌメり、あのオレンジピンク色のヌルヌルやカビが発生しなくなります。
これは使ってみれば一目瞭然、びっくりするほど。

しかも一度スプレーしておけば1か月程度は効果が続きます。 梅雨入り前にきちんと仕込んでおけば夏まで快適に過ごせるというわけです。

「床用ワックス」で”あとラク”実現! 

掃除 スプレー 撥水 床 フローリング ワックス

「床用ワックス」=面倒くさい、あるいは、古風なものというイメージを持たれていたりしませんか?

実はワックスは床をただピカピカさせるだけのものにあらず、汚れ防護膜としての効果が非常に高いものなのです。



それでなくても気温が高まるにつれ、裸足の皮脂汚れや換気で入り込む微細な泥砂、煤煙、ホコリなどで床は汚れやすくなります。
特にフローリングは梅雨時、湿気を吸いやすくベタつきやすい。そんな不快感にも事前の仕込みがモノをいいます。
ワックス成分(アクリル樹脂や蜜蝋など)が、膜を張ることで床表面の凹凸が均され、汚れの微粒子が引っかかりにくく、油分や水分も染み込みにくくなるからです。

使い方は、あらかじめ掃除機やフローリングワイパー、水拭きなどで床をきれいにした後、雑巾または専用のシート(塗布具)を用いてワックスを均一に塗布、乾かすだけ。


ワックスにはボトル入りのもののほか、塗布しやすいスプレータイプ、ウエットシートタイプなど多様な商品が展開されているので、手軽に塗れるシートタイプなどから取り入れるのも一手です。



塗ったら30分〜1時間程度乾燥させ、可能ならばその後1日程度の養生期間を置けば、よりしっかりとした保護効果を得ることができます。


その後、いつものお掃除をするとき、気づくはず。”汚れ離れ”の良いことに!

「家具保護クリーム」で”あとラク”実現!

掃除 スプレー 撥水 テーブル ワックス

もうひとつの仕込みアイテムとして注目したいのが、木製家具用の保護クリームやワックス

これらは木材の表面に保護膜を形成し、乾燥や紫外線による日焼けの劣化を防ぐとともに、汚れやホコリをつきにくくしてくれる効果があります。

使い方は、柔らかい布に少量のクリームを取り、木製の家具(テーブル、椅子、棚など)に薄く均一に塗り広げるだけ。
あとは乾いた布で軽く拭きあげれば、しっとりとした艶とともに、さらりとした手触りに。
湿気によるベタつき感も軽減されます。



たかがひと手間、されどひと手間──家事に仕込み、「予防清掃」という発想を!

掃除 スプレー 撥水

撥水スプレー、床用ワックス、家具保護クリーム……。
いずれも後から「しまった!」となりがちなピンチを助け、また「掃除しないと!」という重たい家事負荷を少なからず減らしてくれる道具です。

このようなものをうまく使った「予防清掃」という考え方は、忙しい人や真面目な人ほどその恩恵を感じられるはず。
中でも、新しい住まいへの引っ越し直後、新築直後のような住まいほど、大きく汚れ方が変わります

ぜひ取り入れてみてください。
後の自分に「ありがとう!」と感謝されること、請け合いですよ。


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!

藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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