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LIFE

TAKARAZUKA STAR|ココロの景色

【月組・風間柚乃さん】「舞台への思いと熱量が駆け巡る、舞台袖の喧騒」【宝塚スター|ココロの景色】

  • TAKARAZUKA STAR INTERVIEW ココロの景色

2024.10.17

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あのとき、あの瞬間、その目で見た、忘れることができない風景とは? そこから紐解く、タカラジェンヌの大切な思い出、美学、人生の歩み。

文字:TAKARAZUKA Star Interview

月組

風間柚乃さん

風間さんの忘れられない景色
「舞台への思いと熱量が駆け巡る、舞台袖の喧騒」

YUNO KAZAMA

写真:ココロの景色・宝塚歌劇団月組男役スター風間柚乃さん

YUNO KAZAMA・Profile

2014年、宝塚歌劇団に入団。月組に配属される。早くからその存在感に注目が集まり、2度の新人公演主演、バウホール主演、今年は初の東上公演初主演を経験。年々磨かれる実力と高い表現力で舞台を彩る男役スター。

宝塚歌劇公式ウェブサイト>>


そこに“誰かの思い”を感じたとき、
忘れられない景色になる

YUNO KAZAMA

「最近、山口県を一人旅したんです。訪れたのはカルスト台地が広がる『秋吉台』。緑と石灰岩の白い岩が織りなす雄大な景色はどこか海外のような雰囲気で、その地下にはまた、日本最大規模と言われる鍾乳洞の『秋芳洞』が。自然が作り出す壮大な景色には圧倒されるばかりでした」

カルスト台地も鍾乳洞も長い時間を経て作られたもの。それだけに「この台地が眺めてきたであろう人間の歴史、この地に初めて足を踏み入れた人の感動……長い時間や人々の気持ちに思いを馳せながら、展望台で飲んだコーヒーがとてもおいしかった」と風間さんは振り返ります。

「忘れられない景色はたくさんあるのですが、そのすべてに共通するのが“そこに誰かの思いが存在すること”です。例えば、修学旅行で訪れた沖縄のひめゆりの塔。そこで亡くなった少女たちの思いに触れたとき、沖縄の青い海も青い空も私にとっては忘れられない景色になりました」

気になる景色や建造物を目にするとつい足を止めて「誰が、どんな思いで、なぜこれを作ったのだろう」と考えてしまう癖もあるそう。皇居まわりの外堀通りを歩きながら「今は道路になっているけれど昔はここまでお堀があったんだろうな」と想像を膨らませたり、住宅街にきれいに掃除された小さなお稲荷さんを見つけると「大事にしている人がいるのだな」と心が温かくなったり……。「街を歩くだけで心があちこち動いて忙しい」と風間さんは笑います。

「宝塚の劇場の中で私が一番好きな場所は舞台袖です。そこからは真正面ではなく違う角度から舞台を見ることができるので、“こんなところまで意識を配って演じているのか!”という驚きに出会うことがありますし、正面ではないからこそ作品の世界観がより立体的に感じて、まるで本当にその場にいるような臨場感を味わうこともあるんです。舞台袖は舞台に立つタカラジェンヌたちの横顔を見ることができる贅沢で特別な場所であり、同時に、タカラジェンヌたちの舞台にかける思いや熱量を感じることができる場所。さっきまで素敵に歌い踊っていた上級生が舞台袖では肩で息をしながら呼吸を整えていたり。衣装の早替わりのために舞台袖に駆け込み、ギリギリまで髪をセットしていた上級生が、真剣な表情で太ももをバンッと叩き気合いを入れて舞台に出ていったり……そんな姿が本当にカッコよくて、下級生の頃はこっそりまねをしたものです」

下級生時代は舞台袖で憧れを募らせてきた彼女も気づけば上級生と言われる立場に。今、舞台袖で何を感じているのか尋ねるとこんな答えが返ってきました。

「舞台袖から前を歩く方々の背中を眺めては憧れる、それは今も変わらないのですが。最近は上級生だけでなく下級生たちの生き生きとした表情にも目が行くようになりました。まだ荒削りなところはあるけれど、ガムシャラな精一杯を舞台に注ぎ、汗をかきながら舞台袖に戻ってくる。そんな姿を目にすると心が大きく揺れますし、パワーをもらうことができるんです。もっと私も頑張らないとって!

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風間柚乃さんに3つの質問!

1

記憶の中にある“一番最初に目にした風景”とは?

1

ベビーカーの中から見上げた、大人たちの怪訝な表情

覚えているのは赤ちゃんの頃、横浜の元町商店街をベビーカーに乗って前進している光景です。しかも、当時の私はあまり行儀がよくなかったのか、なぜかベビーカーのフロントバーにドンッと足を乗せていて(笑)。赤ちゃんなのに態度の大きいその姿に、周りの人も驚いたんでしょうね。私を見て驚く街の大人たちの表情も含めて記憶に残っています(笑)。

2

思い出に残っている“忘れられない旅”を教えてください。

2

“伸びる窓”を探し続けた熱海旅行(笑)

今、パッと思い浮かんだのが小学生の頃に行った熱海への家族旅行です。そのとき、新幹線に乗ったのですが、トンネルに入ると窓ガラスに自分の姿が映ることを発見。しかも、ガラスが湾曲しているせいか、姿勢をずらすと頭がビヨンと伸びるんです。それを見つけてしまった私は、祖母の「のび〜る! ほら、のび〜る!」という掛け声と共に姿勢をずらしては伸びたり縮んだり。それが本当におもしろすぎて(笑)。

熱海についてからも、幼なじみの男の子と一緒に「伸びる窓を探せ!」と大騒ぎ。観光そっちのけでいろんな窓をひたすらにのぞき続けたという(笑)。でも、なかなか見つけることができなくて。それだけに、帰りの新幹線では行き以上に大盛り上がり。あれから国内も海外もいろんな場所を旅したはずなのに、この記憶が真っ先に蘇ってくるなんて……相当楽しかったんでしょうね(笑)。

3

“お気に入りの場所”もしくは“お気に入りの景色”とは?

3

野心と希望に満ち溢れた、エネルギッシュな東京の夜景

東京に来ると見たくなるのが夜景です。先日も初めて話題の麻布台ヒルズへ。34階のカフェから夜景を眺めたのですが、東京タワーがまさかの下に見えて! 「東京タワーよりも天空が近い場所にいるのか」と思わず感動してしまいました。六甲山から見る夜景をはじめ、全国各地に美しい夜景は存在しますが、東京の夜景は他とは違う特別感があるような気がします。それを言葉にするならば、他の夜景は“キラキラ”で東京の夜景は“ギラギラ”。野心や希望が渦巻いているような、強烈な光の数々に私はいつもパワーをもらいます。

一人旅で訪れた秋吉台と秋芳洞をはじめ、壮大で美しい自然は写真に納まらないと思うので、大自然を前にしたときは、「この目と心に刻み込もう」といつも私は写真を撮らないんです。でも、夜景だけは不思議と写真に納めたくなるんです。

スマホの写真フォルダを振り返って見ると、そんな夜景の写真と、舞台に必要な資料や連絡事項のスクリーンショットがほとんど。ほっこりした写真をあまり撮っていない、今の私は戦闘モードなのかもしれません(笑)。

写真:風間柚乃さん

NEXT STAGE


ミュージカル・クエスト
『ゴールデン・リバティ』

Takarazuka Spectacular
『PHOENIX RISING (フェニックス・ライジング)』

-IN THE MOONLIGHT-

写真:ミュージカル・クエスト 『ゴールデン・リバティ』 Takarazuka Spectacular『PHOENIX RISING (フェニックス・ライジング)』 -IN THE MOONLIGHT-
©宝塚歌劇団

列車強盗の男と、秘密の責務を負う女。国家の陰謀に巻き込まれた壮大な二人の恋物語と、新生月組の魅力あふれるレヴューの2本立て。主演:鳳月杏 天紫珠李

宝塚大劇場
11月16日〜12月25日

東京宝塚劇場
2025年1月25日〜3月9日


Staff Credit

撮影/柴田フミコ 取材・文/石井美輪
こちらは2024年LEE11月号(10/7発売)「ココロの景色 vol.2 風間柚乃さん」に掲載の記事です。

▼ 「ココロの景色」連載一覧はこちら

文字:TAKARAZUKA Star Interview

TAKARAZUKA STAR INTERVIEW ココロの景色

宝塚歌劇団男役スターが登場する人気連載の第2弾! あのとき、あの瞬間、その目で見た、忘れることができない風景とは? そこから紐解く、タカラジェンヌの大切な思い出、美学、人生の歩み。

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