駐妻ライター佐々木はる菜の 海外で見つけた「暮らしのヒント」Vol.22
語学力ゼロで現地校へ転校!南米生活を支えた「家族会議」&海外ママ友から学んだ「自分で考え選ぶ」大切さ
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佐々木はる菜
2024.09.22
約2年をブラジルとアルゼンチンで過ごしてきた我が家ですが、実はこの度日本に「本帰国」しました。
振り返ると20本以上となった海外連載の最後となる今回は、周りに驚かれるほど波瀾万丈だった2年間を支えてくれた我が家の「家族会議」、そして現地で親しくなったさまざまな国のママたちから得た、日々を前向きに過ごすヒントについて書かせていただきます!
スーパー・病院・家事など日本と違う生活の面白さと大変さ、南米各地への家族旅行、南米で驚いた日本ブームなどなど、過去の連載記事はコチラからも
怒涛の海外生活の中で恒例となった「家族会議」
海外生活を通して今まで以上に増えたのが、家族で話す機会です。
日本と違うことばかりの南米駐在生活では、自分たちで考え解決・決断しなければならないことが多く、その都度家族で相談をしてきました。
そんな中で恒例となったのが、我が家の「家族会議」です。
まずは翌週の予定を確認し、子ども達も自分の手帳を使ってスケジュール整理!そしてその後は、家族で相談すべき問題やこれからどんなことをしたいかなどを自由に話しています。
要は家族揃って15~30分ほど話をするだけなのですが(笑)、あらかじめ日時を決めて集合し、小学生の子ども達ふたりが交代で司会と書記をつとめ、書記は練習も兼ねてパソコンで簡単な議事録を作成。意見を述べる時などは手を挙げ、司会に指されてから発言しています。
「家族会議」、3つのメリット
この「家族会議」という形を続けてきて良かったことは主に3つあります。
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家族会議のメリット①
予定の共有で日々の生活がスムーズに
まず良かったのが、家族みんなで予定を共有できること。
例えば夫とは出勤&帰宅予定時間、会食や自宅でのオンラインミーティングの有無についてなど。子ども達とは学校行事や持ち物、習い事についてなどちょっとした確認ばかりですが、お互いが翌週のスケジュールを大まかでも把握し合うことで毎日がスムーズに!特に朝、時間が限られる中でバタバタすることが減りました。
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家族会議のメリット②
子ども達の発言力や計画性アップ!
曲がりなりにも「会議」の場で発言することは、自分の意見を整理し、相手に伝わる説明を考え実践する良い機会。続ける中で発表や提案が上手になったと感じます。
また家族会議の後半では、みんなで次に行きたい観光地、レストランや旅行先、挑戦してみたいことなどを話し合い、気になることは子ども達自身でも調べてもらうようにしていました。
ひとつひとつは小さなことなのですが、自ら情報を集め実現のために行動することが増えてきました。
加えて子ども達が手帳を使い始めたことで、少しずつですが自分のスケジュールを管理できるようになってきました。まだまだ使いこなせてはいませんが、自分で予定を確認し、やりたいことや必要な計画を立てて実践する力を大切にしてほしいと考えています。
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家族会議のメリット③
チーム佐々木家!家族の絆が深まった
海外生活中は、現地ならではの楽しい経験がたくさんできた一方、これまで味わったことのないような大変な出来事もありました。
ただ、振り返ってみると我が家に「家族会議」がしっかりと定着したのも、そんなしんどい時期(モヤモヤをどうやって乗り越えたか書いた記事も、いろいろと反響をいただきました!)。
毎週末に家族揃って話し考える時間が大きな支えになり、結果的に普段から困っていることや互いの気持ちを話す機会が増え、「家族で考え決めたこと」に向かって力を合わせて行こうと結束力が高まりました。
もちろん周りの方にたくさん助けていただいた海外生活だったのですが、「家族でがんばろう!『チーム佐々木家』だ!」という思いが強くなり、大変なことも前向きな力に変えていけたと感じています。
最大のチャレンジ!語学力ゼロで現地校へ転校
その頃に家族で「限られた海外生活をどんなふうに過ごしたいか」を改めて考えた結果、兄妹揃ってブエノスアイレスの現地校に転校しました。午前中はスペイン語、午後は英語で授業を行うバイリンガル校です。
日本では外国語の勉強もほとんどしておらず、どちらの国でも最初は日本人学校に通っていました。そしてブラジルもアルゼンチンも英語圏ではないため現地校に通わせる日本人家庭は少なく、我が家の決断について周りからは非常に驚かれました。
確かに昔の私たちだったら考えられない選択肢でしたが、「家族会議」で話した時間があったからこそ、自分たちを信じて前に進むことができました。
国際色豊かな学校で、アルゼンチンや南米諸国以外にも欧米やロシア、中国などいろいろな国のお子さんがいる環境で本当に貴重な経験をすることができ、今はこの選択をして良かったと心から感謝しています。
深夜まで続いたママ会!さまざまな国出身の友人たち
この現地校を通して、私にもかけがえのない出会いがありました。
最初は毎日、お迎え時にほかのママたちに話しかけるだけでも本当に冷や汗をかいていましたが、子ども達もがんばっているからと思いきってママ会に参加するなど積極的に交流する中で大切なお友達ができ、最後は私の送別会まで開いてくださいました。
その時に友人のひとりが私にかけてくれた言葉が、今でもとても心に残っています。
はる菜、あなたが自分で考えて決めたその決断がベストなのよ。
自分を信じて前に進みなさい!
今回の本帰国の大きな理由は子どもたちの進学。日本に帰り新たな学校と生活を始めることになったのは嬉しい反面、海外生活を自分の手で終わらせることに葛藤もありました。
そんな気持ちを話していた私に彼女がかけてくれた言葉はとても優しく、そして力強く背中を押され、思わず涙が溢れました。
子ども達が同じ学校という共通点がありながらも、集まったママたちは国籍も年齢もバックグラウンドもさまざま。いつも自然にそれぞれの違いを受けとめ、相手を尊重しながらも自分の考えを率直に伝える彼女たちの姿に刺激を受けていました。
また多国籍な環境だからこそ外国人にも寛容で、スペイン語ができず何かを教えてもらう度に謝っていた私に対して、友人たちはよく「自分ができることは手伝いたいし、それは私の喜びでもあるの。ごめんと言う必要はないよ」と言ってくれました。
わからないことだらけの環境に厳しさを感じることもありましたが、友人や先生がたの温かさに救われ、できないことも含めて自分たちをそのまま認めてもらったような感覚がありました。
「あなたはどうしたいの?」自分で考え選ぶ機会が多い海外生活
私は日本にいた時はなるべく空気を読み、外では必要以上に意見を言わないよう心がけていたところがあります。
でも海外では、日々の暮らしの中でも「あなたはどうしたいの?」と聞かれることが非常に多いと感じます。そして度重なる家の不具合や、時間を守らない・モノが届かないといった日本ではありえない状況もわりと普通のことなので、自分からどんどん主張し行動しないと状況が改善しない。それでも物事がスムーズに進むことは稀…
困惑することも多かったですが、「うまくいかなくて当たり前」と耐性がつき、少し大らかになり、以前よりは自分の考えを伝えられるようになった気がしています。
変化が激しく、生活から人生に関わることまで、自分や家族で考え決める機会が多かった海外生活。
私にとって一番の学びは、大切なのは「自分で選ぶ」こと。そしてその答えを「自分なりの正解」にしていくことなのだと身をもって体験し実感できたことではないかと思っています。
そしてその礎となってくれたのが「家族会議」でした。
日本に戻り、環境や子ども達の年齢などが変化していく中でも、これからも家族で話す時間を大切にしたいと思っています。
海外で得たことも活かしながら、これからはまた日本で「暮らしのヒント」を見つけ、「この記事を読んでよかった」と思えるようなコラムを書けるように、引き続き精進していきたいと思っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします!!
¡Muchas gracias Buenos Aires!
Agradezco a todos los que nos han dado esta maravillosa oportunidad.
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。
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