TAKARAZUKA STAR|ココロの景色【SPECIAL】
【月組トップスター・鳳月 杏さん】「トップコンビの退団公演で眺めた、『もう二度と見ることのできない』お二人の背中」【宝塚スター|ココロの景色】
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TAKARAZUKA STAR INTERVIEW ココロの景色
2024.09.19
あのとき、あの瞬間、その目で見た、忘れることができない風景とは? そこから紐解く、タカラジェンヌの大切な思い出、美学、人生の歩み。
LEE2024年10月号にインタビュー(P.112〜・カラー4ページ)が掲載されている宝塚歌劇団月組トップスター・鳳月 杏さん。LEEwebでは本誌未公開の写真&未収録コメントをお届けします!
SPECIAL
月組トップスター
鳳月 杏さん
An Hozuki・Profile
2006年、宝塚歌劇団に入団。月組に配属後、’14年に花組へ組替え、’19年に再び月組へ。経験を積み重ね、男役芸を磨き、身につけた実力と輝き、人間の厚みで多くの人を魅了。入団19年目となる今年、ついに月組の新たなトップスターに就任した。
トップコンビの退団公演で眺めた、「もう二度と見ることのできない」お二人の背中
An Hozuki
舞台には、舞台に立つ人だけが見ることのできる景色があります。舞台袖から見る景色もですが、同じ舞台に立っているときにみる、仲間たちの横顔や後ろ姿もそのひとつ。その中で、私が今でも忘れられない景色といえば、霧矢大夢さんと蒼乃夕妃さんの退団公演、千秋楽で見た光景です。
お芝居のラストシーンで、舞台の奥から扉が開いて霧矢さんと蒼乃さんが登場。私はその扉を開ける役を任されていたのですが、私の前を通り過ぎ、お客様の前に立つお二人の背中が不思議と今でも印象に残っているんです。もう二度と見ることのできない景色だからこそ「この目に、この心に焼き付けたい」という気持ちが強まったのかもしれませんね。
あっという間に過ぎていく日々の中、自分のことに精一杯な毎日を送っていると、大切なことを見逃してしまうことがあります。私の中には「あのとき、あの人に、聞いておけばよかった」「あのとき、あの人の姿をちゃんと見ておけばよかった」という思いがいくつも残っています。だからこそ、同じ後悔をしないためにも、“大切なもの”に出会ったときは自分の心に焼き付けようと意識をするようになりました。
今の私にとっては宝塚で過ごす一分一秒が“大切なもの”です。この先の宝塚人生、月組の皆と過ごす宝物のような毎日を悔いなく記憶に刻みつけたいと思っています。
Information
ミュージカル・クエスト
『ゴールデン・リバティ』
Takarazuka Spectacular
『PHOENIX RISING(フェニックス・ライジング)』
-IN THE MOONLIGHT-
国庫の金貨を盗むことを依頼された男。そこには一人の女が潜んでいて……。国家の陰謀に巻き込まれていく元強盗団の男と秘密を抱えた女、二人の壮大な恋物語を描くミュージカルと、新生月組の魅力をお届けするレヴューの二本立て。主演:鳳月杏 天紫珠李
宝塚大劇場
11月16日〜12月25日
東京宝塚劇場
2025年1月25日〜3月9日
Staff Credit
撮影/柴田フミコ ヘア&メイク/山本浩未 スタイリスト/村山佳世子 取材・文/石井美輪
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