ペアローンを組む際の注意点は?

東京23区の新築マンション価格が1億円を超えたといったニュースを見ると、もはやマイホームは買えないとため息が出てしまいますね。
かつては世帯主が単独で住宅ローンを組むことが当たり前でしたが、一人の収入では借り入れが難しい時代になりつつあります。そのため、夫婦がそれぞれローンを組み、合計で購入する「ペアローン」がじわじわ増えています。
一人では買えない価格でも二人でローンを組めば手が届く、という考えですが、注意すべき点があります。
借り入れできる金額は、夫婦それぞれの収入に応じた額になり、もちろん返済額もそれぞれ発生します。もし、夫婦どちらかの収入が下がったり、どちらかが働けなくなったとしても、ローンが減るわけではありません。
一方が育休に入って収入が減るなど、マイホームを買う時点では想定していなかった家計の変化が起きることもあるでしょう。そうなっても返済し続けられるか、しっかりシミュレーションをしたうえでペアローンを選択する必要があります。
さらに注意すべきなのが「団信=団体信用生命保険」です。
団信は、住宅ローンの返済中に借りた人が死亡や高度障害状態になった場合に借入残高がゼロになる保険のこと。残された家族はローン返済を心配することなく、マイホームを守ることができます。
ただし、ペアローンはちょっと違います。もし夫が亡くなったとして、夫の借り入れ分は消えますが、妻のローンはそのまま残るのです。妻が亡くなった場合も同様です。住宅ローンの返済をしながら生活費を一人で負担し続けるのは、決して楽ではないでしょう。
そのためにも、ペアローンを組む夫婦は互いに相手のローン残高を完済できる金額の死亡保障をつけましょう、というのがこれまでの専門家のアドバイスでした。
1人に万が一のことが起きた場合は、配偶者分も残債が消える

その解決につながる手段として、新しい団信が登場しました。「ペアローン連生団信」です。
ペアローンを組んだ夫婦のいずれかに万が一のことが起きた時、当人の分だけでなく、両方のローン残高がゼロになるという保険です。ネット銀行の銀行、みずほ銀行などの住宅ローンで取り扱いが始まりました。この団信で備えておけば、万が一の時にもローン返済で不安にならずにすむかもしれません。
今後ペアローンの割合が増加してくれば、ペアローン団信を導入する金融機関ももっと増えてくるでしょう。加入するには費用が発生し、一般的にはローン金利に上乗せになります。
ただし、注意すべき点もあります。亡くなった・高度障害になった方ではなく、配偶者側で免除されたローン残高は、その人の「一時所得」とみなされ、課税対象になるのです。
生命保険か団信か、双方のメリットデメリットをよく確認し、比較して選びたいものです。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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