LIFE

私たち、地方議員になりました

チラシをきっかけに出馬を決意!

育児と仕事の両立に悩み…地方議員に!LEEキャラクター宮崎けい子さんの決意とは?

  • 石崎けい子

2024.08.08

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LEEキャラクターも!

暮らしの不便を変えたくて!

私たち、地方議員になりました

豊島区議会議員/LEEキャラクター 宮崎けい子さん

このところLEE編集部まわりで「議員になりました」というお知らせが! 「議員」のなり方や仕事にまつわる疑問を聞きました。「議員」がぐっと身近な存在になるはず。

NEWS

女性の地方議員数が過去最多に。それでもまだ全体の17.6%%…

総務省「地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派別人員調等」によると、2023年12月31日時点で市区町村議会議員のうち女性議員は前年から500人増加して、5133人に。とはいえ全体に占める割合はで、「2025年までに地方統一選挙の候補者に占める女性割合を35%にする」という内閣府の目標にはほど遠い数字に。さらなる女性議員の増加を後押ししたい!

豊島区議会議員/LEEキャラクター 宮崎けい子さん

教えてくれたのは?

宮崎けい子さん

豊島区議会議員/LEEキャラクター

東京都豊島区出身。夫と5歳の息子の3人家族。メーカーに勤務しながら、2023年度よりLEEキャラクターとしての活動をスタート。退職後に一念発起し、2023年4月の豊島区議会議員選挙に立候補、初当選。5月より現職。対話を軸にしたまちづくりを目指す。

LEEでも現役で活躍!

豊島区議会議員/LEEキャラクター 宮崎けい子さん

現在も議員の仕事が落ち着いている時期にはLEEキャラクターとして撮影に参加。「議員の仕事とはまったく違う世界なので、刺激も受けますし、よいリフレッシュにもなっています」 (宮崎けい子さん)撮影/新谷真衣

育児と仕事の両立に悩んだ私だからできることがある



「区議会議員になりませんか」のチラシをきっかけに出馬

1児の母であり、LEEキャラクターとしても活躍する宮崎けい子さんですが、実はずっと子育てと仕事の両立に悩みが。そんな宮崎さんの運命を変えたのは、自宅ポストに投函された一枚のチラシ。

子どもが生まれてから時短で働いていたのですが、子育てしながらの働きづらさを感じて泣く泣く退職したんです。その際に、これは会社だけの問題ではなく世の中のしくみを変えないと、私と同じように苦しむ女性はいなくならないと思って。そんなときに“区議会議員になりませんか”と書かれたチラシが目に留まりました

本当に区議を目指すことになるとまでは思わず、まずは話を聞いてみたくて立憲民主党の候補者公募に応募した宮崎さん。

仕事は思ったようにできず、子育ても中途半端。何もちゃんとできていない自分が区議になれるとは思っていなかったのですが、面接をしてくれた秘書の方に“つらさを経験したあなただからわかる気持ちがある。ぜひ区議を目指してほしい”と言われたのが決め手になりました

選挙に出ると決めてからはトントン拍子に話が進みます。面接の翌週にはポスター用の写真撮影。チラシは無料のデザインツールで試行錯誤しながら作成。完成したチラシを持ち、タスキをかけて駅前に立ったのは、面接からわずか1カ月という急展開ぶり。

最初は声を出すのが怖くて、もじもじしながらチラシを配るだけでした。選挙が4月で、1月頃からは少しずつ“4歳の息子がいます!”と自分のことを話せるように。
秘書の方から“チラシを配っていると、手伝ってくれる方が集まってくるよ”と言われましたが、まさかと思っていたら本当に“チラシを見て応援したくなりました”という方が3人現れて。
あとはインスタグラムの発信から“応援したい”という方もいらっしゃって、その方たち6人と家族に、以前通っていた園のママ友も加わってもらい選挙活動をしました

豊島区議会議員/LEEキャラクター 宮崎けい子さん
駅前の商店街は街の人たちの生の声を聞くため、よく訪れています。

夫も宮崎さんの両親も選挙に出ることに賛成し、日々のサポートや選挙活動への協力も。お子さんにも報告しましたが、選挙期間中も普段どおりの生活を心がけました。

私が訴えているのは主に子育て政策。それなのに選挙活動のせいで子どもをないがしろにするのは違うなと思い、ほかの候補者が20時まで活動しているところ、18時頃には切り上げて、夜は子どもと過ごしていました

取材に同席していたωお子さんも「ママは演説してたんだよ!」と誇らしげに話してくれました。ママの今の仕事について理解しているようです。

園で演説ごっこをしているみたいです(笑)。議員になってから地域のイベントに子どもと遊びに行くことが増えました。ゴミ拾いや世界の文化に触れられるワールドフェスティバルなどに参加することは、子どもにもいい経験になっていると思います

子育て当事者は議員の中では少数派と痛感!

子育て当事者の実感がこもった呼びかけが区民に響いたのか、見事当選し区議会議員に。民間企業に対して働き方改革を呼びかける側である議会や役所は、働きやすい環境かと思っていたら…。

議員って夜の飲み会に招かれることが多いんです。子育てもあるし私はいいかなと思って欠席したら“子どもなんか預けて来ればいい”と言われることもありました。ほかにも休憩時間がやけに長くて日付が変わる時間まで開催される会議に驚いたことも。子育て当事者の議員が多かったら、こうはならないと思うんですよね。そこは変わってほしいです

一方で、議員になったことで得られたものも。

議会がない時期は比較的時間があるので、企業で働いていた頃よりも余裕を持って子育てができています。また、区民の役に立っていると実感できるのは区議になったから味わえる気持ちですね。
保育園近くの道路で、朝の交通量が多くて怖いという困りごとを聞き、区役所の担当課に相談したら“スピード注意”と書かれた掲示物を何枚も貼ってくれたんです。保育園送迎中のパパさんから“掲示物が貼られてから怖い思いをすることが減ったよ。ありがとう!”と声をかけていただきました

ママ友からも区政についてガンガン質問されるように

議員になってからは、直接声をかけられたり、電話がかかってきたり、日常的にさまざまな相談が飛び込んでくるように。

選挙を手伝ってくれたママ友からも“こういう助成ってないのかな?”とか“ほかの区では無償化になったけど豊島区ではまだ?”とガンガン質問があります。議員を身近な存在だと感じて、区政に関心を持ってくれるのはありがたいですし、議員も区民にそう感じてもらえるように活動していかないとと思っています。議員が身近な存在になって、政治に関心を持つ人が増えたら、投票率が上がって、自分も議員になろうと思う子育て世代も増えますよね

議員というと、どこか遠い存在で、自分が住んでいる市区町村の議員であっても、いきなり声をかけたり連絡をとったりしてもいいものかと躊躇しますが…。

どんどん連絡してほしいです! 私ももっと区民の方たちに身近な存在になれるような活動をしていきたいですし、区民の方と対話できるような場も作りたいです。区議会にも興味を持ってもらえるように議会ツアーも企画できたらなと考えています

自分と同じように子育て当事者として議員を目指す人の背中を押したい気持ちも。

選挙ってお金がかかるイメージがあって、それでやめてしまう人もいると思うんです。私が次の選挙に出るときは徹底的に節約したいですし、最近は子育て世代に負担が大きい街頭演説もやめてSNSの発信だけに注力している候補者もいます。選挙のスタイルも個性があっていいし、これからはオリジナリティを出すことが大事になってくると思います!

選挙活動中の宮崎さん

豊島区議会議員/LEEキャラクター 宮崎けい子さん
緊張でいっぱいの街頭活動。最初は自分の名前を言うので精いっぱいだったそう。
豊島区議会議員/LEEキャラクター 宮崎けい子さん
「何してるの?」と声をかけてくれた子どもと対話も。
豊島区議会議員/LEEキャラクター 宮崎けい子さん
自作の選挙カー。騒音になるため名前の連呼はしませんでした。

私たちが未来を変えるためにできることは?

⚫︎まずは地元の政治に興味を持つ。 議会を見に行っても!

⚫︎共感できる議員がいたら気軽にコンタクトをとる

⚫︎選挙に出るのもあり。選挙活動は型にはまらずオリジナルで!


次回は、「私たち、地方議員になりました 元LEE100人隊・桜井たかこさん編」をご紹介します。

Staff Credit

撮影/名和真紀子 取材・文/古川はる香
こちらは2024年LEE6月号(5/7発売)「私たち、地方議員になりました」に掲載の記事です。

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