手持ちの食器を把握するコツとは?
【スタイリスト 宇藤えみさんの食器棚】大事にしたのは「全ての食器を見渡せること」
2024.03.27
@homeLEE
“パンパン、ごちゃっと”なストレスから解放!
「食器棚改革」で
もっと美しく、使いやすく
器使いが素敵な人の食器棚には、見た目だけでなく使い勝手もいいという点が。機能的で、収納力も落とさない食器棚とは? どんな食器棚にも生かせるヒントが満載です!
すぐ実践したい改革のヒントがいっぱい
暮らしのスタイリスト 宇藤えみさんに学ぶ
全部見渡せる食器棚の作り方
自宅のリノベーションをした際、特に気合いを入れたのが“食器棚の改革”だったと宇藤さん。参考にしたいエッセンスがいっぱいです!
教えてくれたのは…
宇藤えみさん
暮らしのスタイリスト
ファッションスタイリストとして活躍後、料理やインテリアなど、暮らしのスタイリストへ転向。本誌をはじめ、多くのメディアで活動。小2の長男、2歳の長女の母。
食器棚は、かなりこだわりました
「前の家はキッチンの収納が多く、食器も今よりたくさんありました。でも新しい家に引っ越すと決めて食器の量を見直したとき、ぎゅうぎゅうと奥に押し込んだまま、眠っていた器がいっぱい出てきて……。うまく管理できていなかったことに後悔の嵐でした」
新居の食器棚を作る際に大事にしたのは『すべての食器を隅々まで見渡せること』でした。
「奥行きギリギリまで引き出せる引き出しを造作してもらい、内引き出しを設けて豆皿から大鉢まで、効率よく収納できるように。死角を作らない工夫をしたことで、手持ちの食器を把握しやすくなりました」
機能性はもちろん、視覚的にも心がけたことが。
「平日に食事を作るときって、バタバタと余裕のないことが多いですよね。だから私はワクワクするワードローブのような食器棚にしたくて、お気に入りのポットを飾り棚に置いたり、器を色で分けたりしました。食器を出すときに気分が上がるか?という点も意識しながら、食器の収納を見直してみてはいかがでしょう」
Method
1
よく使って、しかも眺めていたいものは見せる棚、普段使いはしまう棚に
ダイニング側から見える飾り棚は気分を大切に
およそ9割の食器は、棚の中にしまってすっきりとさせていますが、ずっと眺めていてもよい、お気に入りのガラスポットやお弁当箱、セイロなどは飾り棚にディスプレイしつつ、普段の食事にもフル活用。「全部をしまい込むと、私の場合は物足りなさを感じてしまうので、あえて見せる棚も作って収納兼インテリアとして、食器を楽しんでいます」(宇藤えみさん)
コップ類は家族が取りやすいよう、ダイニング側に
キッチン台の下、ダイニングテーブルのある側にも棚を設けて、ワイングラスやマグカップ、グラスを収納。「奥行きの浅い棚は出し入れしやすく、見渡しやすいのがメリットです。今後、収納量やグラス類の好みが変わっても調整ができるように、棚板を可変式にしたのも正解でした」(宇藤えみさん)
よく使うものから順に、上段の右から下段の左へ
新居に持ち込む食器を厳選しながら、建築家と食器棚をプランニング。
「ダイニングを行き来する動線上で、一番使い勝手がいいのが上段の右側のため、ここに毎日使う茶碗や汁椀、カトラリーを収納しています」。(宇藤えみさん)
その他の器がどのように分類、収納されているのか、Method 2、Method 3でご紹介します。
Method
2
色でまとめると、探しやすく片づけやすい
A
茶系の器は2番目によく使う引き出しに
「若い頃から茶色っぽい色、渋い器が大好きで集めていました。それゆえに20代の頃は、友人たちから“おかん”と呼ばれていたことも(笑)。何を盛っても引き締まって見えるので茶色の器は、“とりあえず”と手に取る器です。茶碗や汁椀の引き出しの隣で、上段の右から2番目の便利な位置に収納しています」(宇藤えみさん)
B
白い器はほかの2倍の場所を確保
調理台のすぐ後ろ、上段の右から3番目の引き出しは白の器の収納スペース。内引き出しを合わせて、2段分に白の器が収まっています。「色がシンプルな分、形やサイズの違う器が、ついつい増えがちです。あらかじめ、ほかの色の倍のスペースを確保して、詰め込みすぎないように意識しています」(宇藤えみさん)
C
さし色として使える暖色の器をまとめる
同じような献立が続くときも、ぐっと雰囲気を変えられるのがピンクや赤の器。上段の右から4番目の内引き出しにまとめて収納。「使う頻度は高くないですが、食卓が少しさみしいときは料理のさし色になる器が見つかるので便利。ホームパーティを開くときには、この引き出しの器を総動員することも」(宇藤えみさん)
D
青や緑は引き出し1段に収まる分だけに
冷奴など、シンプルな料理もおしゃれに見せる青や緑の食器。「和洋中、エスニック、どんな料理とも相性がよいのですが、白や茶系に比べると使う頻度はやや低くなるので、上段の右から4番目の深い引き出しに収納しています。この引き出しからはみ出さないようにと、量を保つ意識をしています」(宇藤えみさん)
Method
3
一気にまとめて取り出す器は、重ねておくほうが便利
E
よく使う枚数を重ねておけば、1回で取り出せる
約21㎝の7寸皿は、家族の夕食時はもちろん、来客時の取り皿としても使える使用頻度の高い食器。「右から2列目の下段に収納しています。気に入ったら1枚ずつ、色柄の違う器を集めてきました。だいたい4〜6枚を同時に使うことが多いので、その枚数を重ねておくと、1回で取り出せるので便利です」(宇藤えみさん)
F
普段使いの白いオーバル皿は家族分重ねて
ごはんにおかず、サラダと、ワンプレートでサマになるオーバル皿は、普段使う食器として大活躍。「右から3番目の下段に収納しています。家族分の枚数を一度に使うことが多いので、重ねておくと一気に出し入れしやすい! オーバルは奥行きが深い棚なら縦に、浅い場合は横にと案外収納しやすいです」(宇藤えみさん)
G
大鉢をたくさん持ちたい場合はサイズを揃えて
「以前はサイズや形にばらつきがあり、場所を取って出し入れも大変で……」。宇藤さんは大鉢を使うシーンを見直した結果、よく使うのは8寸大の深鉢だという結論に至ったそう。「サイズが同じなら重ねても安定感があり、コンパクトに収納。数を多く持ちたい人は、定番のサイズを決めておくといいですね」(宇藤えみさん)
H
子どもの成長で増減する器は、場所を定めない
割れにくく子どもにも気兼ねなく渡せるからと、最近は木製の汁椀が増えているという宇藤さん。「子どもの成長に合わせて増減する食器は、特定の収納位置を定めていません。育児中の今、使い勝手のよい汁椀は、数を多めに持っていたいので、上段右の引き出し内に重ねられる分だけぎゅっと収納しています」(宇藤えみさん)
Staff Credit
撮影/米谷 享 取材・原文/田中理恵
こちらは2024年LEE4月号(3/7発売)「「食器棚改革」でもっと美しく、使いやすく」に掲載の記事です。
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