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【電子レンジの掃除法】オーブンレンジの”魔窟”みたいな汚れを、自力できれいにできる秘策【魚焼きグリルやトースターも】
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藤原千秋
2023.10.22
キッチンの「電子レンジ」と「オーブン」と「トースター」が一つに集約され、幾年月……。
いわゆる「オーブンレンジ」、オーブン機能と電子レンジ機能を合わせた調理家電。ここにスチーマー機能やトースター機能も当たり前に兼ね備えていたりして、いったい一台何役なのでしょう。この多機能な「オーブンレンジ」は、限られたキッチンスペースをだいぶん節約できるうえ、お手入れの手間自体も一台分で済むわけですから、まあラク家事家電、省力家電でもあるのです。
けれども多機能ゆえに日々フル稼働しているものほど汚れやすい。使えば使うほどに汚れが溜まりやすいのもまた世のことわりです。そうして、いつしか、中をじっくり直視したくない”魔窟”のような状態に……。
今年もはや10月、ぼちぼち先取り大掃除の一環と銘打って、この「オーブンレンジ」内の”魔窟”に手を差し入れてみましょうか?
取説を読むより「すぐやりたい」方におすすめの掃除法
さてさて、調理家電である「オーブンレンジ」、お手入れ方法については個々の機種に合ったやり方が、取扱説明書に書いてあるはずなんですけど、読んだことありますか?
読んだことがない、そもそも取説どこに置いたっけ?(サイトからPDFでダウンロードできます)、読むの億劫だから、とりあえずすぐやりたい……。
そんな方におすすめなのが、「レンチンタオル」掃除法。
おうちにある、まあまあくたびれた、捨ててもいいくらいの洗いざらしの薄手タオルや、ふきんを使います。
タオルを水に浸して軽く絞りましょう。軽い汚れならこの、ただの濡れタオル(ふきん)で拭くだけでも十分です。くるくるっと内部を拭き上げてしまいましょう。
でも一見して汚れがひどそうであるならば、この濡れタオルをお皿に乗せて、「電子レンジ」600Wで3分程度、温めます。
庫内に蒸気は充満していますか? まだのようなら、1~2分追加して。この「温まった濡れタオル」=「レンチンタオル」から発生した蒸気で扉の内側が真っ白に曇っているなら、OK。そのまま10分放置してください。
その後、ゴム手袋をし、火傷に注意しながら熱したタオルを取り出し、余計な水分を絞ります。
そしてそのタオルを使って、蒸気で汚れの緩んでいるオーブンレンジ庫内を拭き掃除していきます。
ぬるぬる、ザラザラ。真っ黒? にタオルが汚れたら、その都度シンクですすぎ洗いして絞りつつ、汚れをどんどん拭き取っていきましょう。
オーブン機能で肉料理が多い家庭の場合は、こびりついた肉脂の焦げがより激しいことも多いですね。
油けやタンパクの汚れがひどいなら、レンチンタオルを浸す水に、少量のセスキ炭酸ソーダ粉末を溶かして、ややアルカリを加えるといいでしょう。
濃度は水500mlに小さじ1程度の量で十分。拭く際には手荒れするので必ずゴム手袋を。
水には溶けにくいですが手元にあるのが重曹なら重曹水でもいいですし、無香のアルカリ電解水スプレーなどがあれば、それを温めたタオルにスプレーして掃除するのでも構いません。
ただし住居用洗剤のようなもの、特に香料の強いものを使用すると香料が残って食べ物にもついてしまう可能性があるので避けましょう。
体感として「スッキリ」するところまで拭いたら、乾いたタオルで軽く水分を拭き取って仕上げ。
スチーム機能を兼ね備えたオーブンレンジなら、掃除用のスチームを炊くモードがある場合も。ぜひ取説をチェックしてくださいね。
いずれまた調理したら汚れるので、キッチン周りの掃除では、あまり根を詰めないのもポイントです。
焦げがひどい場合、注意することって?
焦げがあまりにひどい場合、タワシのような強気の道具を使いたくなるかも知れません。
でもタワシやブラシは使わないで。スチールウールなどの金属タワシも絶対NG。万一、金属のカケラが残った状態で電子レンジを使うと火花が散って火事になる恐れもあり大変危険です。アルミホイルで擦ったりするのもダメですよ。
それからスポンジの硬い部分や、硬質なメラミンスポンジの使用も避けましょう。
ただ、底面の焦付きなどに、食器用洗剤やクリームクレンザーを少量使うのは、あり。必ず成分が残らないようにしっかり拭き取ります。
オーブン天板の汚れは、食器用洗剤とスポンジの柔らかい部分で洗います。ここでもタワシやブラシは使わないように。
「ゆるめて、落とす」のを合言葉に。
一度の掃除で落とし切らなければ、何回か繰り返すのも穏やかだけど確かな方法です。
「レンチンタオル」は、魚焼きグリルやトースターにも○
余談ですが、レンチンはできないものの、「魚焼きグリル」や「トースター」内のこびりつき、焦げつきの掃除にも、この「水分」と「熱」で汚れをゆるめる方法は有効です。
アルカリを少量使うのも応用できます。
「レンチンタオル」で拭き掃除してみてくださいね。
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藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。