親の「とまどい」に不登校支援の専門家が回答!
【子どもの不登校「SOSサイン」】「学校に行きたくない」って言ったら親はどう対応する?
2023.09.26
親の対応アドバイス編
子どもの“行き渋り”に直面した親たちの「とまどい」、どう対応すべき?
もしも子どもが突然行き渋りを始めたら、親が抱えがちなとまどい。子どもを追い詰めないような声かけや対応を、不登校支援の専門家が解説します。
教えてくれたのは…
認定NPO法人カタリバ 今村久美さん
代表理事
’01年に認定NPO法人カタリバを設立。経済的に課題を抱える家庭の支援、メタバースを活用した不登校支援など、社会の変化に応じて多様な活動に取り組む。
不登校支援に力を入れてきた認定NPO法人カタリバが作った、親子のためのガイドブック。『NPOカタリバがみんなと作った 不登校—親子のための教科書』(ダイヤモンド社)
石井志昂さん
不登校新聞代表理事・編集長
自身も不登校経験者で、中学2年生から不登校に。19歳で全国不登校新聞社に就職。’06~’22年編集長、’20年から代表理事。これまでに不登校の子どもやその親など約400人を取材。
学校へ行きたくないと言う子どもにどう対応するべきか、子育てのノウハウなど具体的なアドバイスが満載。『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)
【とまどい】
なまけているだけ?と見分けがつなかない…行き渋り期に出やすいSOSのサイン
- 体調不良
- 食欲不振
- 情緒不安定
- 不眠
- 朝なかなか起きられない
- 宿題が手につかない
- トイレなどに閉じこもりがち …など
気持ちを整えるために、トイレにこもりがちに
認定NPO法人カタリバ
池田隆史さん
腹痛などの身体症状が出ることもあり、トイレにいる時間が極端に長くなることが。トイレに閉じこもることで、学校に行くための気持ちの整理をしているケースも。同じ意味合いでギリギリまで粘ってベッドの中にいて、起き上がれないこともあります。(池田さん)
イライラしたり甘えたり、宿題ができないことも
不登校新聞代表理事・編集長
石井志昂さん
頭やおなかが痛い、よく食べていたのに食欲が落ちる、イライラしたり頻繁に甘えたりと情緒不安定になるなど、さまざまなSOSが。中でもわかりにくいのが宿題が手につかないこと。「ちゃんとやりなさい」と突き放さず、子どもの様子をよく観察して。(石井さん)
【とまどい】
サボりたいのか、本当につらくて行きたくないのかの判断の仕方
言葉では説明が難しいことも。疲れ具合を5段階で数値化してもらう
認定NPO法人カタリバ
池田隆史さん
サボりたい気持ちで軽く言っているのか、心のエネルギーが下がっているのかは、他人にはわかりづらいこともあります。子ども自身に、心の疲れ具合を1〜5段階ぐらいで数値化してもらうのがおすすめ。言葉での説明は難しくても、数字だと子どもが答えやすいことも。(池田さん)
“宿題ができない”のレベルも違う。名前が書けなかったり、手が震えたり
不登校新聞代表理事・編集長
石井志昂さん
いざとなれば思い詰めた表情や言い方で伝わるとは思いますが、SOSのサインでもある宿題の様子を見るとわかることも。サボりなら途中でやめたり、字が汚かったりするけれど、深い原因があって行き渋りをする子は、名前すら書けない、手が震えるなど強迫症のような様子が。(石井さん)
【とまどい】
休みグセがつかないか心配…
まずは家を安心できる居場所に。戻るところがあれば、外に出て頑張れる
認定NPO法人カタリバ
池田隆史さん
子どもが外に出て頑張れるか、チャレンジできるかは、安心して戻ってこられる場所があるかどうかが大切。子どもがSOSを出したときは、そのメッセージを受け取って休ませる。またここに戻ってきていいんだと伝えておけば、休みグセなどは関係なく学校に行くことが多いです。(池田さん)
早めに休むほうが回復が早い! 学校に戻りたくなるケースも多いです
不登校新聞代表理事・編集長
石井志昂さん
小学生も中学生も、塾や習い事でかなりの過密スケジュール。疲れた、苦しいと感じたら、ちゃんと休むほうが回復が早いです。「学校に行きたくない」と言い出しても、すぐに休むと学校に戻りたくなるケースが多い。休んでも気持ちが回復しないなら、ほかに大きな悩みがあるはず。(石井さん)
Staff Credit
イラストレーション/今 じんこ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE10月号(9/7発売)「突然、子どもの“行き渋り”がやってきた!」に掲載の記事です。
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