子どもの「オンライン」リテラシーの育み方、どうするのが正解?
子どもの年代が異なり、それぞれにスマホやSNSにまつわる悩みを抱える読者が集合!
スマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんにお話をうかがいながら、オンラインリテラシーについて考えました。
専門家×LEE読者座談会
子どもの「オンライン」リテラシーはどう育てる?
教えてくれたのは…
スマホ安全アドバイザー 鈴木朋子さん
子どもの安全なIT活用をサポート。スマートフォン、SNSなどのIT関連記事を手がけ、わかりやすい解説が好評。『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)など著書多数。2児の母。
LEE100人隊TB MOGIさん
7歳の男の子、3歳の女の子の母。スマホは持っておらず、いつデビューするか、ルール作りをどうするかなど検討中。
LEEメンバー マイさん
9歳の女の子の母。小3からスマホデビュー。キッズ携帯にするか迷い、料金などの条件を考慮してスマホに。
LEEメンバー ちなつさん
13歳の女の子、9歳の男の子の母。娘は小4 からスマホを持ち始め、今では生活の必需品に。息子はまだスマホなし。
低学年からスマホもフィルタリングでの管理はマストです
ちなつ わが家は中2の娘が小4からスマホを持ち始めました。最初は通話とショートメッセージの利用だけで厳しく制限していたけれど、LINEやインスタグラムなどだんだんとやりたいことが増えて、今は1日3時間までという時間の約束だけしています。
マイ 小4の娘は昨年からスマホデビュー。うちも今は通話とショートメッセージの利用のみ。ただタブレットで、オンラインゲームはやっています。
MOGI うちはまだ小さいのでスマホを持たせていないのですが、通っている学童でタブレットを使ったプログラムがあって。今後オンラインのやりとりは避けては通れないだろうなと思っています。スマホはいくつぐらいから持つのが一般的なのでしょうか?
鈴木 子ども本人の希望やスマホが必要な環境かどうかにもよりますが、多いのは小6から中学生になるタイミング。学校がバラバラになる子もいるので、みんながそこでスマホを持ち出して、連絡がつくようにLINEの交換をするんですよね。
でも、最近は小学生でも1人で習い事に通ったりするケースがあり、もっと早くからスマホを持つ子も増えています。
マイ うちがまさにそうで、一度私が習い事のお迎えに間に合わず娘が心配してしまったので、連絡手段があったほうがいいとスマホを持たせることに。
鈴木 マイさんのように通話とメッセージのやりとりなら、キッズ携帯から始めてもよかったかもしれないですね。キッズ携帯はアプリをインストールできないので安全。最近では、写真や動画を撮影できる機種も販売されていますよ。
マイ 確かに。悩んだのですが、料金があまり変わらなかったので、だったらスマホでいいかなと思ってしまって。
鈴木 マイさんの娘さんのように、小学生で最初からスマホを持つケースも増えているので、より一層、親ができる管理やサポートはしっかりしたいですね。
MOGI 最近の子どもはデジタルネイティブだから、そもそもリテラシーが高いと聞いたのですが本当ですか?
鈴木 大人世代に比べると、オンライン上で顔を見せないとか、個人情報を出さないことができるといわれますが、最初から備わっているわけではないんですよね。
経験を積んで育てていくものだと思うので、親も子ども本人も一緒に学んでいくことが大切だと思います。最初はフィルタリングやペアレンタルコントロールなど、親の管理はマストかと。
MOGI 一体どんな方法があるのでしょうか?
鈴木 iPhoneやAndroidなどの端末で設定できるものと、各携帯会社で設定できるものがあり、どちらを利用してもOK。利用時間、
どのアプリを利用可能にして、課金はできるようにするのか、アプリ内のDMは使えるようにするのかなど、すべて設定できるのでぜひやってみてください。犯罪に結びつくような、知らない人とつながる機会は設定次第で回避できます。
マイ うちは携帯会社のプランに入っていて、娘が検索などをすると、インターネットの利用状況を私にメールで教えてくれます。どんなふうに使っているのかがわかると、安心できますね。
子どもと話し合って、ルール決めを守るために機能を活用
ちなつ うちは最初、フィルタリングをあまり知らずに、そのまま渡してしまったんです。スマホの使用時間はどんどん長くなるし、夜に自分の部屋でも見るようになってしまって……!
鈴木 フィルタリングやペアレンタルコントロールは大事ですが、それと同時にしたいのがルール決め。ちなつさんのように、子どもがスマホを手離せず、依存ぎみになっていると悩む親御さんは本当に多いんです。
「1日2時間まで」「夜は20時まで」「部屋には持ち込まずリビングだけで使う」といったルールを決めて、それに合わせて、20時には使えなくなるようにスマホを設定する。ルールをきちんと守れるように、デジタル機能を有効活用してください。
ちなつ 最初に何も決めなかったことで対策が後手に回ってしまって。あらためてルールを話し合ってからも、娘がこっそり自室にスマホやiPadを持ち込むことがあったんです。
3カ月使用禁止にしたり、「次に約束を破ったらスマホを捨てる!」と叱ったり、定着するまでしばらくバトルが続きました……。娘の友達は、夜遅い時間に手が伸びないように、リビングに鍵付きのボックスを置いてスマホを保管しているそう!
鈴木 特に中学校に入ったばかりの頃は友達とのつながりが気になる時期で、いつも連絡を取りたいと思うみたいだし、SNSを始めれば楽しくてやめられないんですよね。
高校生になると少し落ち着く気もするのですが。学年が上がればスマホでしたいことも増えてくると思うので、できれば最初はしっかり制限して、段階を踏んで子どもと話し合いながら、ルールを見直すのがおすすめです。
MOGI 最初のルール決めは肝心ですね。肝に銘じます!
鈴木 ただ、あまり厳しくしすぎるとコソコソと使うようになり、トラブルがあったときに隠してしまうことも。
知らない人とつながって脅されている、ストーカーされているといった事態にこそ親に話せるように、普段からコミュニケーションを取って、子どもと一緒にスマホの使い方を考えていけるといいですよね。
子どものスマホデビューQ&A
01|あなたの子どもはスマホを持っていますか?
未就学児も含むアンケートで、全体の約4割はかなり高い所持率!スマホデビューはどんどん低年齢化しているよう。
※2023年5月2日~10日の期間、LEEメンバー142人にアンケートを実施
子どものスマホデビューQ&A
02|いつからスマホを持たせていますか?
1位 中学1年生 32%
2位 高校1年生 12%
3位 小学4年生 11%
4位 小学1年生 9%
5位 小学生未満 7%
中学生になるタイミングでスマホを持ち出す人が多いものの、学童通いが終わる小4からスタートするケースも増えている!
※2023年5月2日~10日の期間、LEEメンバー142人にアンケートを実施
子どものスマホデビューQ&A
03|親が設定できる「フィルタリング」サービス、どんなものがあるの?
iPhone
〈 ファミリー共有 〉
最大5人までの家族みんなで、サービスや情報共有ができる。
子どもの利用時間や、購入したコンテンツや課金などの利用状況がすぐにわかるので、親の見守りにも⃝。子どもの使いすぎを防ぐこともできる。
〈 機能制限 〉
サイトの閲覧、SNSやアプリの利用、購入など、子どもが使用するコンテンツを制限。
スマホの使用時間や認証ロックを解除した回数をチェックしたり、アプリの使用制限をかけたりできるスクリーンタイムの設定も。
Android
〈 ファミリーリンク 〉
Androidスマートフォンで利用できるGoogleの機能。上記の「機能制限」とほぼ同じ内容。
子どものデバイスの利用時間の把握、位置情報の共有、プライバシー設定の管理などができる。スマホデビュー時に最適。
各携帯会社
〈 あんしんフィルター 〉
不適切なサイトや有害アプリケーションから子どもを守る。未成年者の安心・安全なスマートフォンの利用をサポートするサービス。
利用している各携帯会社で登録ができるので、加入方法がわからない場合は相談を。
撮影/柳 香穂(鈴木さん) イラストレーション/藤田マサトシ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE8・9月合併号(7/7発売)『子どもの「オンライン」リテラシー大丈夫?』に掲載の記事です。
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