30~40のLEE世代は頭痛持ちが増える年代。「病気じゃないから」とつらい痛みに耐え、なんとなくやり過ごしている人も多いのでは?
頭痛で生活の質を落とさないために、まずは頭痛を知ることから始めましょう!
最近、頻度が高くなってませんか?
生理、低気圧、ストレス…頭痛ともっとうまく付き合いたい!
教えてくれたのは… 医師 五十嵐久佳さん
日本頭痛学会理事。頭痛専門医。富士通クリニック(神奈川県)、東京クリニック(東京都)にて頭痛外来を担当。監修に『頭痛女子バイブル』(世界文化社)などがある。
片頭痛に悩む人が多いLEE世代。コロナ禍で有病率がより上昇!?
「いわゆる『頭痛持ち』の頭痛の多くは、片頭痛と緊張型頭痛。
どちらの頭痛も男性に比べて女性の有病率が高いのですが、特に片頭痛は男性の3・6倍、30代の女性では5人に1人は片頭痛持ちというデータも。
これは片頭痛が女性ホルモンと大きく関係しているためで、初潮を迎える10代以降になると増え、30歳で最も男女差が大きくなるというデータもあります。
ここ数年のコロナ禍では、リモートワークや外出自粛など生活が大きく変わりました。
夫が四六時中、家で仕事をすることでストレスが増え片頭痛がひどくなった人や、運動不足から筋肉が凝り固まって緊張型頭痛が増えたという人など、コロナ禍で頭痛の『引き金』が増えたり変化した人もいます。
『敵(頭痛)を知り己を知る』──これが頭痛攻略の第一歩。頭痛をやわらげ頻度を減らすためには、自分の頭痛がどちらのタイプなのかを知り、何がきっかけで起きるのかを知ることが大事。
そのためには、一度頭痛外来を受診してみるのもおすすめ。合う治療法や予防法に出会える可能性が高いですよ」(医師 五十嵐久佳さん)
医師に聞く【症状別】頭痛相談01
環境の変化やストレスと頭痛は関係ありますか?
「2年前に職場が変わってから、頭痛の頻度が増えました。新しい仕事を覚えるのに加えて、リモートワークが多いので人間関係もまだまだ。環境の変化やストレスと頭痛は関係ありますか?」(LEEメンバー はな丸さん)
A ストレスは頭痛の大きな要因!環境変化が悪化のきっかけにも
「片頭痛がある人の7割は、頭痛が起こるきっかけにストレスを挙げています。特に片頭痛持ちの人は環境が変わることに敏感なため、転職や配置換えで悪化することもあります」(医師 五十嵐久佳さん)
医師に聞く【症状別】頭痛相談02
生理時は特に重症になりがちで困っています
「3日に1回は目の奥が重だるい感じから始まり、脈打つような痛み、ひどいときには吐き気もするほどの頭痛が。生理時は特に重症になりがちで困っています」(LEE100人隊No.016 Tannyさん)
A 脈打つような痛みや吐き気を伴うなどは片頭痛の典型症状
「片頭痛には特徴的な症状があり、脈打つ痛みや吐き気など、この方は典型的な片頭痛と言えそう。特に月経時に鎮痛薬も効かないほど痛みが強くなるのも、特徴的です」(医師 五十嵐久佳さん)
医師に聞く【症状別】頭痛相談03
仕事をしていると、夕方、毎日のように頭痛が…
「仕事をしていると、夕方にほとんど毎日のように頭痛がします。首の後ろと目の後ろがぎゅーっと痛み、肩を回したくらいではおさまりません」(LEEメンバー なおこさん)
A 吐き気がなく動いても痛みが増さないならおそらく緊張型頭痛
「これは緊張型頭痛に多い症状。でも片頭痛の人にも首の痛みを伴うことは多く、断言はできません。吐き気がなく、動いても痛みが増さないなら、緊張型頭痛の可能性は高いでしょう」(医師 五十嵐久佳さん)
医師に聞く【症状別】頭痛相談04
40代半ばから頭痛の頻度が増えてきました
「40代半ばから頭痛の頻度が増えてきて週1回は頭痛薬に頼るようになりました。以前は悩まされるほどではなかったので、煩わしいし不安です」(LEEメンバー おぺいこさん)
A ホルモンの変化やさまざまな要因で更年期世代は頭痛が増えやすい
「個人差の大きい更年期ですがホルモンバランスの変化で片頭痛が増える人もいれば、社会的、家庭的な要因から緊張型頭痛が出る人も。どちらの頭痛であるかは人それぞれです」(医師 五十嵐久佳さん)
医師に聞く【症状別】頭痛相談05
日によって痛みの感じが変わりますが、頭痛の日が多い
「ズキズキと脈打つような痛みがある日と、首の後ろや頭が締めつけられるような痛みと、その日によって痛みの感じが変わりますが、とにかく頭痛の日が多いです」(LEEメンバー さゆみさん)
A 断定はできないけれど片頭痛と緊張型頭痛を併せ持つタイプかも
「片頭痛、緊張型頭痛の両方の特徴が見られるので、その2つの合併型の可能性は高いです。でも片頭痛でも締めつけられるような痛みのことはあり、これだけで断定はできません」(医師 五十嵐久佳さん)
医師に聞く【症状別】頭痛相談06
カフェインは頭痛に関係しますか?
「カフェインが頭痛に関係すると聞いてから不安です。コーヒーが大好きで、コロナで在宅時間が増えたせいか1日5~6杯は飲んでいて、頭痛も増しているような気がします」(LEEメンバー たくママさん)
A 大量のカフェインはやめたときに頭痛が起こる可能性も
「片頭痛の人はカフェインで脳の血管が収縮して痛みがやわらぐ場合も。でも1日5~6杯は飲みすぎで、突然やめるとリバウンドで『カフェイン離脱頭痛』が起こることも。1日2杯程度に徐々に減らすのがいいでしょう」(医師 五十嵐久佳さん)
医師に聞く【症状別】頭痛相談07
気候や気圧の変化、屋内と屋外の気温差から頭痛になることも
「30代後半から頭痛に悩まされるように。ここ数年は気候や気圧の変化による頭痛、夏や冬は屋内と屋外の気温差から頭痛になることも……」(LEE100人隊No.059 ツナさん)
A 気象の変化は頭痛の要因!タイプを知るには頭痛の記録をつけてみて
「気圧や気温など気象の変化は、片頭痛も緊張型頭痛も両方引き起こします。より正確に頭痛のタイプを知るには、頭痛ダイアリーをつけてみるといいでしょう」(医師 五十嵐久佳さん)
医師に聞く【症状別】頭痛相談08
頭痛薬を飲んでいますが、飲みすぎじゃないかと心配です
「20歳頃から週の半分は頭痛。頭痛薬を飲んでいますが、飲みすぎじゃないかと心配です。効きづらくなってきているような感じもするし、少しでも痛くなりそうだと飲んでしまいます」(LEE100人隊No.009 emyさん)
A 薬の飲みすぎによって痛みを感じやすくなっているのかも
「週に半分は明らかに飲みすぎです。薬剤の使用過多による頭痛が考えられます。痛みを感じやすくなり、さらに頭痛を悪化させる負のスパイラルに陥っている可能性が」(医師 五十嵐久佳さん)
こんなときは受診がおすすめ!
受診したほうがいいのはこんなとき
- 寝込んでしまうほど重い
- 月に10日以上頭痛の日がある
- 市販薬を週2日以上飲んでいる
- 以前よりも頭痛が増えた
「病気じゃないから」と頭痛をやり過ごしている人も、生活に支障をきたすようなら受診すべき。市販薬が効かない、服用頻度が多いなどMOH予備軍の人も多いので、一度、受診を。
病院を選ぶ際は「日本頭痛学会」のHPにある頭痛専門医のリストを参考に。もしくは「脳神経内科」も◎。
病院に入っている「脳神経外科」は、手術などが専門で片頭痛や緊張型頭痛が専門でない場合もあるので、選択肢としての優先順位は低め。受診の際は頭痛ダイアリーを持参して。
こんな頭痛は緊急の場合も!
- 突然、今までに経験したことのない激しい痛みに襲われる
- 痛みが数日から数週間でどんどん強くなっている
- 頭痛以外に手足のしびれ、マヒ、意識障害、高熱などがある
頭痛によっては命にかかわる病気の場合も。いつもと違う激しい痛みや強まっていく痛み、頭痛以外の症状などは緊急性の高い頭痛。様子見をせず、すぐに脳神経外科や脳神経内科へ。
イラストレーション/松元まり子 取材・原文/遊佐信子
こちらは2023年LEE5月号(4/7発売)『頭痛ともっとうまく付き合いたい!』に掲載の記事です。
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