男の子の赤ちゃんのおちんちんの皮をむく?むかない?【男の子の「性」とおちんちんの成長・赤ちゃん期】
2023.07.25
成長とともに、男の子の体やおちんちんは、どのように変化していくの? 同じ経験がない母親でも、正しく具体的に知っておくことで、息子の成長に適切に対応できます!
教えてくれたのは
泌尿器科医 岡田百合香さん
総合病院泌尿器科に勤務するかたわら、助産院などで「おちんちん講座」や「トイレトレーニング講座」を行う。5歳男の子、1歳女の子の母。著書に『泌尿器科医ママが伝えたい おちんちんの教科書』(誠文堂新光社)。
保護者が無理をして皮をむく必要はなし
泌尿器科医として「おちんちん講座」を開催している岡田さん。
「おちんちんについて知ることは、性教育やジェンダー教育にもつながる」と言います。また、“息子のおちんちんの皮をむくかむかないか”は、多くのママが悩むそう。
「生まれたばかりの赤ちゃんはほぼ全員がいわゆる真性包茎の状態です。これは包皮と亀頭が癒着しているからで、デリケートな亀頭を包皮が保護してくれているとも言えます。以前は、この癒着を保護者がはがして亀頭を露出させることで、炎症や将来の性器トラブルを予防できるという考えもありました。今は、この癒着を無理にはがすようなケアはするべきではないと考えられています。代わりに『包皮を無理のないところまで根元のほうに引き下げて、やさしく洗って戻す』という正しい洗い方、ケアの仕方を子どもに教えましょう。同時に、プライベートゾーンや性についても年齢に応じて伝えていきたいですね。
成長とともに『男性器は大きいほうがよい』『包茎はダサい』という偏った価値観に子どもたちがさらされ、つらい思いをしたり、誰かをひどく傷つけてしまうかもしれません。ママが男の子の性や性器についての知識を持っておくことは、わが子を性にまつわる悩みや苦しみから守るだけでなく、どんな子も生きやすい社会をつくることにもつながると思っています」(岡田百合香さん)
赤ちゃん期
母が知らない男の子の「性」とおちんちんの成長とは?
・新生児はほぼ100%真性包茎
・おちんちんのトラブルが起こることも
新生児は亀頭と包皮が癒着している状態
たまに例外はありますが、赤ちゃんのほぼ100%が、亀頭がまったく見えない真性包茎。亀頭と包皮が癒着している状態で、包皮は本来、亀頭を保護する役割があると言われています。亀頭の先端にはおしっこの出口である外尿道口もあるので、少しずつ皮を下げて洗うなど、親が適切なケアをすることも大切。
赤ちゃん期
おちんちんの変化とケア方法
POINT
無理なく洗える範囲をやさしく
新生児期には包皮と亀頭が癒着して、亀頭が完全におおわれています。この時期は包皮の中まで無理に洗う必要はありません。
入浴時のおちんちんの[洗い方]
1.おちんちんのつけ根や陰嚢のしわ、太ももとの境界線など、パーツが重なる部分は汚れやすいので、ほかの皮膚と同じようにボディソープでやさしくケアを。
2.先端部分は、根元側へ包皮のたるみをのばすような感覚で、やさしく引き下げて。泡を少しだけつけて洗います。入浴後はクリームで保湿もして。
おちんちんの[ふき方]
おむつ替えの際は、洗うときと同じように、おちんちんのつけ根、陰嚢の周り、おちんちんと太ももの間をきちんとふきましょう。ゴシゴシこするのではなく、お尻ふきをやさしく押し当てるイメージで。
知っておきたい
おちんちんのトラブル
【 亀頭包皮炎 】
最も多いトラブル。亀頭や包皮に細菌が感染して炎症が起き、赤く腫れる、かゆがる、おしっこをするときに痛がるなどの症状が。小児科で相談すると薬を処方されます。ひどくなければ自然におさまるので待っても。
【 嵌頓包茎(むくみ) 】
洗うときなどに包皮を下げて戻さないことで、亀頭が圧迫され続けて起こる。血流が悪くなり、腫れや痛みが出る。ひどいと亀頭が壊死する場合もあるので要注意。洗ったときなど常に包皮を戻すことが必須。
男の子ママがぶつかる「性教育」のお悩み相談室次回は、【男の子の「性」とおちんちんの成長】幼児期〜児童期編をお届けします!
撮影/HAL KUZUYA ヘア&メイク/麻生ヨウコ(ilumini.) スタイリスト/高橋美帆 イラストレーション/あべさん 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE4月号(3/7発売)「男の子ママがぶつかる「性教育」のお悩み相談室」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2023年3/7発売LEE4月号現在)です。
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