「住み始め」は、家のどこもかしこもピカピカだったのに、あれよあれよという間にホコリやカビが……。
人が生活していれば住まいに汚れが付くのは自然の理。とはいえ、何かでカバー、ラッピング? マスキングできれば、お掃除頻度が減らせて、きっといいのにな。
そんなニーズに応えたかのように、近年、住まいの汚れやカビ防止用のマスキングテープ(マステ)が登場、SNSを中心に注目されています。
マステって文房具じゃないの? どんなところに、どう使うのが正解なの? 汚れやカビ防止に使う時の注意点は?
「マステ」を使いこなして、キレイな住まいを維持してみませんか?
そもそも「マステ」って何?
もとは建築用の「養生テープ」と呼ばれていた「マスキングテープ(マステ)」。内装工事の際に塗装剤などが付いてほしくないところに貼って養生(保護)し、その用事が済んだらすぐに剥がせるよう、粘着力が弱めにできている、和紙のテープのことをいいました。
粘着力の弱さと特徴的な和紙の風合いや色合いが「かわいい!」と、感覚の鋭い文具好きに”発見”されたのが20年ほど前のこと。
そのため今ではすっかりマステ=文房具の一種として定着していますが、近年、掃除・内装目的に、あらためて”再発見”されています。
こんなところの汚れ防止に「マステ」がおすすめ
かわいい色や模様が身上の今どきの文房具マステと異なり、掃除利用、汚れやカビ防止に使われるたぐいのマステはほとんど「白色」一択。
この白マステを貼り付けることでメリットを得るのに最も適している箇所というのは、住まいの中でもホコリやカビが入り込みやすく、入り込むと始末のしにくい、白い「パッキン」や「シール剤」が充填されている、おもに水回りの”継ぎ目”部分です。
例を挙げれば、
・お風呂場のドア周り(ドア下枠)
・お風呂場の窓周り
・お風呂場の浴槽と壁の隙間
・お風呂場内の給湯リモコンと壁の隙間
・洗面所の洗面台と壁の隙間
・トイレの壁と床の隙間
・キッチンのシンク台と壁の隙間
・居室の窓周り
・居室の床と壁の継ぎ目
…などなど。
これらの箇所が白い場合(白いシール剤が充填されている場合)は白地のマステを貼り付けておくことで、
・汚れの付着を邪魔する
ことができ、またすでに少し古びている場合には
・一見新しく見せる
こともできます。
貼り付けたマステは、水場なら1か月、水気がなければ長くて1年を目安に貼り替えます。
マステ使いの注意点とは
何かと忙しい私たちの暮らし。瞬く間に時間が流れていきます。なので、ついうっかり「いつ貼ったっけ?」と思い出せないくらい、「貼りっぱなし」になってしまうこともあることでしょう。
ただ、やはり元が和紙のテープですから、たとえカビ防止を謳っている製品でも水分や汚れを溜め込み過ぎれば、マスキングテープ自体がカビなど汚れの温床になってしまいます。
そこで、いつ貼ったか、次の貼り替えはいつごろがいいか、といったリマインドを手帳やカレンダーに記録しておくのがオススメです。
また、汚れをそのままマステで覆ってしまっても素材を傷めてしまいますし、粘着剤の持ちも悪くなります。
なのでマステを貼る際にはその箇所をしっかり掃除しておく(汚れを取る)必要があります。特に油分や水分は厳禁です。
貼る箇所の事前掃除には、揮発性が高く水分が残らず、また拭けば油分も取ってくれる「消毒用エタノール」拭きがおすすめ。ちなみに、一辺の長いドア周りなどに貼る際には一度に長く貼ろうとするより、短めに切ったマステを貼っていったほうがヨレが少なく、意外とキレイに仕上がります。
最近の住まいには、スタイリッシュな黒系のパッキンも多いことから、汚れ防止マステにも暗色のものが出てきています。ただ、カビが生える恐れのある箇所に貼る場合には、暗色はカビ発生に気付きにくい点に、注意してください。暗色な箇所ほど、定期的な貼り替えがマストです。
ところで、マステ以外にも「マスキング」するというのは、住まいの汚れ防止に役立つ考え方です。
引越ししたてのキレイな状態の家の場合には、前述した”継ぎ目”にマステを貼る作業のほか、キッチンシンクや洗面ボウル、トイレの手洗いや各種水栓金具等に「撥水スプレー」をかけて水滴が付着しにくくすることも、汚れ防止に有効です。
布用撥水剤なら布ソファなどの汚れ防止にもなりますよ。撥水マスキングも、ぜひ試してみてください。
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藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。
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