【スタイリスト福田麻琴さんの新しいベーシックの整え方】まずはクローゼットを見直してみる
2023.01.20
自分の好きな"定番"はわかってきたつもりだけれど、いざクローゼットを開けると着る服がない。なんだかパッとしないし、心もときめかない……。そもそも自分に似合っているかすらわからない!
そんな悩めるLEE世代に、今、福田麻琴さんが提案するのは「ベーシックを整える」ということ。
時代に合わせて、また暮らしに合わせて、コンパクトに。整理し、手放すことで"今の好き"が明確になったという麻琴さんに、最新ワードローブと着こなしのコツを教えてもらいました。
『服を、暮らしを、もっと軽やかに。
「整える」ことで、新しい自分にきっと出会える!』
(スタイリスト 福田麻琴さん)
これまで気ままに生きてきた私が言うのもなんですが、最近、「もっと自由に、もっと軽やかに生きたい」と思うようになりました。働き方、暮らし方、装い方……。それらはいつの時代も変化し続けるはずなのに、思ったより凝り固まっているのを感じます。
「私はこういう人だから」と、今までの自分にこだわるあまり、うまく前に進めない。自分を縛っているのは、結局自分自身の価値観なのかも、と。だから、一度"整理"したいと思ったんです。頭の中も、服も。今回の「整理」は、クローゼットはもちろんですが、もっと心の奥底を整えたい気分。新しい価値観でもう一度自分を見直し、整え、そしてまた新しい何かに挑戦したい!
"自分探し"なんていうと素敵ですが、40代の今の私にとって、それはもっと冷静で現実的な作業。これまで失敗もたくさんしてきているし、見つけなきゃ! なんて焦りもなくて。見つからないのもまた楽しいんです。
何十年もため込んだものは、たった一日ではどうにもできませんから、のんびりやりましょう。
必要なもの、そうじゃないもの、好きなこと、嫌いなこと……。ひとつずつ丁寧に、ちゃんと心の声に耳を澄ませて。そんなふうにものに縛られずに過ごしていけたら、10年後は、もっとハッピーでいられるはず!
これまでの"当たり前"を見直して、もう一度おしゃれの楽しさを取り戻したいものです。
shirt:Maison Margiela
pants:RED CARD
earrings:Bon Magique
leather bangles:LOEWE
silver bangle:HERMÈS
1978年生まれ。文化服装学院卒業後、アパレル勤務を経て、スタイリストアシスタントに。25歳で独立し、数々の女性誌で活躍。30代でパリ留学、結婚、出産を経て、現在は『LEE』をはじめとする雑誌やweb、広告のスタイリングや、商品プロデュース、コラム執筆など多岐にわたり活動している。読者のお悩みに答えるLEEweb連載「おしゃれゴト」も好評。夫、10歳の息子との3人暮らし。
まずはクローゼットを見直してみる。
残すもの、手放すものを選ぶ過程で自分のベーシックが見えてきます
古いヴィンテージマンションをリノベーションした際、主寝室の奥を壁で区切ってウォークインクローゼットに。入って右側にはたたんだトップスとパンツを、左側にはアウターやワンピース、スカートなどを吊って収納しています。
「あえて扉を取り付けないことで、風通しのいい状態をキープ」(麻琴さん)
何を手放し、どう整えた?
Rule.1
厳選の条件は「10年後も着られるか」
「まず着手したのは、似たようなものが何枚もあるのになかなか捨てられないデニムなどの選別から。ショートパンツをはじめ、ピタピタのストレッチデニムやローライズデニムなど、『10年後に素敵に着ている姿が思い浮かばないもの』は思いきってこれを機に放出」
Rule.2
硬いもの、重いもの、痛いものは無理せず手放す
「かつては足が痛くてもヒールを履き、やたら重たいバッグを持ち歩いていましたが、年齢を重ねた今は、服も小物も『心地いいかどうか』が絶対条件に。硬い素材のアウターや、チクチクするニット、痛くて重いバッグは、本能的にコーディネートに選ばなくなったので(笑)、人に譲ったり、収納用としてその用途を変更!」
Rule.3
ひとつで何役もこなすアイテムに乗り換える
「コロナ禍で、デザインのいい機能性アイテムが増えた気がします。アンドワンダーのフリースは登山にも休日のお出かけにも、ソレルのブーツは雪や雨の日だけでなく、普段からスパイス小物として活躍中。便利な兼用アイテムがあれば、手持ち服の数を減らせます」
クローゼットをClose Up!
色別・形別に収納
「クローゼット、シュークローゼットともに構造はとてもシンプル。可動式の白い棚板を渡し、アイテムを収納しています。トップスやボトムは、たたんで主に色別に分け、視覚的にパッと探しやすく。靴はショートブーツ、パンプス、スニーカーなど種類別に棚を分け、さらに色別に並べています」
パッと取りやすく
よく使うミニバッグはリビングの一角のコートかけにハンギングし、中〜大サイズのものはクローゼットの上段に並べて収納。
「しまい込むと使わなくなるので、特にバッグは〝見渡しやすく〞〝取りやすく〞を心がけています」
動線を考える
アクセサリー類は、リビングの出口近くのチェストに置いたジュエリーボックスとお皿の上に。
また、香水やコロンは玄関わきのミニテーブル上が定位置。「この場所に置いておけば、家を出る直前にさっと身にまとうことができてスムーズなんです」
大好きな読書の時間が、手持ち服を見直すきっかけに
「息子の成長とともに、休日は各々がやりたいことをする時間が増えました。そんなとき、決まって私は好きな本を手に取ります。最近出会った本の中で、特に印象に残ったのが、小川奈緒さん著『ただいま見直し中』。
\休日の読書で思考を整理/
40代も半ばになり、残りの人生についてなんとなく考え始めた今、私もまずはあまりに多い持ちものを整理し、身軽になりたい!という気分に。例えば服もお皿も、結局使っているのは持っているうちの1割ほど。留学したときは、トランクひとつで旅立ち、それだけで生活ができたのだから、もっと厳選できるはず。
ものを減らせば自然と家の風通しもよくなるし、そうやって〝余白〞をつくらないと、新しいことも入ってこないと感じたんです。そこで今は、本や写真集を眺めて自分の〝好き〞を研ぎ澄ませながら、徐々にものを手放し中。私の暮らしの見直しは、まだ始まったばかりです!」(福田麻琴さん)
次回は、【スタイリスト福田麻琴さんの新しいベーシックの整え方】ワードローブに欠かせない白と黒は「シルエットのあるもの」が今の気分。をお届けします。
スタイリスト・文/福田麻琴 撮影/金谷章平(人物・ロケ物) 中田陽子(MAETTICO) 魚地武大(TENT)(物) ヘア&メイク/川村友子 取材・原文/栗田瑞穂
※掲載商品はすべてスタイリスト私物で、現在販売されていない商品も多数含まれます。各ブランドへのお問い合わせはお控えください。
こちらは2023年LEE1・2月合併号(12/7発売)『スタイリスト福田麻琴さんの新しいベーシックの整え方』に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2022年12/7発売LEE1・2月合併号現在)です。
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