会話が多い円満夫婦には、良好なコミュニケーションを維持する秘訣や、話を弾ませる努力が。会話レス脱却や、夫婦の関係を見直すヒントにもなるはず。
心のシャッターを閉じずに少しずつでもモヤモヤを口にすると、大したことないと思えます
NEXTWEEKEND代表 村上 萌さん
ガルテン代表。季節の楽しみと小さな工夫で理想の生活を叶えることがコンセプトのコミュニティメディア『NEXTWEEKEND』を運営。’13年プロサッカー選手の都倉賢さんと結婚。1児の母。
Instagram:moemurakami_
Twitter:moemurakami_
関係ないと断ち切らず、相手の仕事の話も自分ごとに
もともと夫婦の会話は多いという村上さん。普段はどんな話をしているのでしょうか?
「夫が毎晩必ず『今日はどんな1日だった?』と聞いてくれるので、その日にあったことをいろいろと話しています。仕事のこともよく話題にしますね。最近、夫はチームで最年長になって、後輩たちにどんな声をかけたらいいかと言うので、私が自分の会社で社員とうまくコミュニケーションがとれた経験を話したり。私もサッカーのチームビルディングには学ぶところがあって『今日みたいな試合の後、監督はどう声をかけるの?』と聞いてみたり。
やっている仕事はまったく違うのですが、お互いに自分のことに置き換えて受け止められる。関係ないと断ち切らず、相手の話に心から興味を持つことが、会話が弾む秘訣なのかもしれません」(村上 萌さん)
怒りは感情のままにぶつけない。お互いが“嫌なこと”も共有
円満な村上さん夫妻ですが、かつては家庭に不穏な空気が流れ、会話レスになりかけた時期も。
「娘が2歳ぐらいの頃、言葉で言っても伝わらなくて、外食をしてもお皿をひっくり返してしまったりして。夫婦ともに疲弊して、私は『チャーハンが飛び散ってるのに話してる場合じゃない』と、心のシャッターを閉じがちだったんです。でも、夫がそれを許してくれない人で。『ちょっと待って! なんでこうなっちゃったのか考えよう』と、ぐいぐい会話を続けてくるので、不機嫌な状態を長引かせてもらえない(笑)。
そこでモヤモヤを口にするうちに『あれ、これって大したことじゃないな』と思えるんですよね。時間をおくと、だんだんと何が原因かもわからなくなって、仲を修復するのも面倒になると思う。こじれる前に解消する大切さは、夫に教わりました」(村上 萌さん)
また、不満があっても、感情のままにぶつけないようにコントロールしているそう。
「昭和世代の親って、時に怒りを爆発させたり、感情的な言葉で家族を傷つけるものというステレオタイプもあったけれど、私も夫もそれは反面教師にしたいよねと話し合っています。怒りは二次的な感情で、その裏には『さみしい』とか『悲しい』とか本当に伝えたいことがあるはずだから、その本心を伝え合いたい。険悪な空気になると、夫は掃除機をかけながら口笛を吹いたりしていますね。彼なりの気持ちの落ち着かせ方みたいです。夫婦の間で、“相手にされたら嫌なこと”を共有しておくことも、必要なのかなと」(村上 萌さん)
村上さんは、夫婦がお互いを知る一助になればと、“ファミリーノート”のプロデュースも。
「家族で作る1冊のノートで、モットーを決めたり、夫婦がインタビューし合って記入するページも。あらためて聞いてみると『実はこう思ってたんだ』ということも多い。夫婦の会話のきっかけになればいいなと思っています」(村上 萌さん)
村上さん企画の“THE FAMILY NOTE”の一部。「好きなもの、感動したこと、2人の思い出や尊敬しているところなどを書き込むと、あらためてパートナーを深掘りできます」(村上 萌さん)。1年に一度の予約販売で、来年度は12月から受付開始
「娘が撮影してくれた写真。夫は娘の送迎や習い事、公園などもよく行っていて『娘にこう聞かれたけど、どう思う?』などと、娘と話した内容もすぐに共有してくれます」(村上 萌さん)
わが家の
“会話レス”脱却のコツ
- 相手の仕事の話に興味を持って聞く
- こじれる前にすぐに仲を修復する
- 不満を伝えるのは怒りが収まってから
【特集】夫婦“会話レス”にならないための心得
取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2022年LEE12月号(11/7発売)「夫婦“会話レス”にならないための心得」に掲載の記事です。
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