婦人科系トラブルのサインを見逃さないために…もっと意識したい! 私たちの「デリケートゾーン」
間違っていると逆効果?日々のデリケートゾーンケアを正しく見直し!洗い方・専用ソープ…
2023.01.23
教えてくれたのは
宋 美玄さん
産婦人科医。丸の内の森レディースクリニック院長。周産期医療、女性医療に携わる傍ら、女性のヘルスリテラシー向上のためメディア等でも活躍。LEEwebのPodcast連載「聴く婦人科診察室」のお悩み回答も好評。
Instagram:mihyonsongkobe
Twitter:mihyonsong
公式サイト:https://www.puerta-ds.com/son/
正しい洗い方
POINT
「恥垢(ちこう)」がたまりやすい“小陰唇の裏”を指の腹でやさしく
●お風呂で
専用ソープで洗うのがベスト。トラブルがなければボディソープでもいいけど、お湯だけで洗うのはNG
かゆみやニオイの原因となる汚れをきれいに落とすには、洗浄剤がマスト。よく泡立てて指でやさしく、大陰唇や小陰唇のヒダも開いて洗う。特に小陰唇の裏側には“恥垢”というアカやゴミがたまりやすいから丁寧に。小陰唇を開くとすぐ膣が露出するので、膣の中までは洗浄剤で洗わないこと。
子どもの場合は?
子どもも基本の洗い方は同じで、しみるようなら専用ソープも使って。子どもが自分で洗いきれておらず汚れが残っていると、それが炎症を起こす場合も。痛がったりかゆがったりしたら親がチェックを。
洗い方が正しくないと、逆効果に!
アルカリ性のボディソープで膣内の善玉菌を洗い流してない?
「膣の自浄作用」とは…
膣は、膣内にいる常在菌によって弱酸性に保たれ、病原体の侵入を防いでいる(膣の自浄作用)。一般的なアルカリ性のボディソープでデリケートゾーンを洗うと、この常在菌を洗い流して膣内のpHバランスを崩してしまい、炎症やトラブルのリスクが上昇。
専用アイテムで洗浄・保湿が安心
専用ソープ
膣内のpH値に合わせたやわらかい泡でやさしく洗う。1本で半年間使える。
膣のpHを守りながら、カンジダ菌の繁殖を予防。
専用保湿クリーム
天然由来成分100%、弱酸性でやさしく潤す。
デリケートゾーンのpHに合わせた処方ながらそのほかの部分にも使え、これ1本で全身の保湿完了。
●トイレで
正しいふき方は、前から後ろへ。ふき残しがちな肛門まわりもしっかり
大人でも排泄物のふき残しがあり、ニオイなどのもとになっていることが少なくないそう。用を足した後は、前から後ろへ一方向にしっかりふいて。特に肛門まわりはペーパーのカスが付着しやすいので注意。
仕上げに専用シートで仕上げぶきすればさらにサッパリ。弱酸性でやさしく汚れをオフ、使用後はトイレに流せる。
ビデや温水洗浄便座は?
膣の中までは水で洗わない! 膣内環境の悪化につながる
ビデを使う際、外性器には当てていいけれど、水で膣内の常在菌を洗い流してしまわないよう、膣内には水を入れないで。pHバランスを崩さないとうたっている市販のビデも、月1回までに。pHは保たれても、常在菌が失われてしまう可能性が。
●ちなみに性交後は
パートナーの体液などが付着したままだと、デリケートゾーンに雑菌が繁殖しやすい。膀胱炎の原因になることもあるため、行為の後は排尿とシャワーがマスト。その際も、デリケートゾーン専用ソープを使うのがベター。
アンダーヘア脱毛はしたほうが清潔・快適
「デリケートゾーンを守っているから毛は必要」というのは、下着や衣服をつけない時代の話
陰毛があるとムレやすく雑菌が繁殖しやすいため、かゆみやニオイ問題には永久脱毛もおすすめ。特にIラインはおりものや経血がつきやすいので、全部をなくさずIライン脱毛だけでも効果的です。永久脱毛はハードルが高いと感じる人には、ハサミで量を減らすことから始めたり、脱毛ワックスも○。
ワックスの加熱はレンジで簡単、自宅で手軽にワックス脱毛ができる。必要なものがすべてセットされていて初心者にうれしい。
メリット
- ムレ、月経血やおりものが付着しての悪臭や感染症のリスクを軽減。衛生的に
- カミソリ負けによる肌荒れの改善に
- 性交中などの引っ張られる&絡まる不快感を解消
- 下着や水着からの透け・はみ出しを防げる
トラブルを防ぐ生理用品の選び方
経血やおりものが、肌やアンダーヘアに付着し続けて不衛生にならないような生理用品選びが肝心。経血の量や、頻繁に交換できるかなどで、自分に合ったタイプを選んで。
●吸水性ショーツ・布ナプキン
コットン製の布ナプキンや吸水ショーツなら敏感肌でも安心。その反面で、長時間交換しないと経血が触れ続け不衛生になるので注意。ちなみにオーガニックであることは肌へのやさしさや健康とは無関係。
●タンポン・月経カップ
ともに膣内で経血をキャッチするため、もれやムレ、ニオイのトラブルが少なく、デリケートゾーンの肌トラブル改善にも◎。
医療機器や哺乳瓶の乳首にも使われる、TPEという素材をを使用。
●“膣にはさむ”ことで経血の伝いもれを防ぐタイプも
経血量が多く、ナプキンから伝いもれしがちな人に便利。膣にはさんで約2時間分の吸収力をプラスでき、外陰部や陰毛への経血の付着も減。使用後はトイレに流せる。
その他
下着はムレと摩擦に注意して選んで
通気性の悪い素材や、サイズがきつい下着は、デリケートゾーンを密閉状態にしてムレやニオイの発生源に。ストッキングがマストの人は、ベルトで吊るガータータイプを選ぶと、ムレが軽減。
セルフプレジャーのときは手やアイテムを清潔に
マスターベーションで使うセルフプレジャーアイテムも、雑菌が残ったまま使い続けると膣炎などトラブルのもとに。使用後はハンドソープなどでよく洗い、洗浄成分が残らないようにしっかりすすいで。
【特集】婦人科系トラブルのサインを見逃さないために…もっと意識したい! 私たちの「デリケートゾーン」
イラストレーション/mio.matsumoto 取材・原文/遊佐信子
こちらは2022年LEE10月号(9/7発売)「婦人科系トラブルのサインを見逃さないために…もっと意識したい! 私たちの「デリケートゾーン」」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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