日が暮れると虫の声が聞こえて、ようやく秋の気配が感じられるようになりました。夏の暑さで疲れた体には、野菜やきのこがたっぷりのスープや煮込み料理がうれしいものです。最近、愛用していて便利さとおいしさを実感しているのが、長野に本社を置くエムケー精工の水無し電気鍋「コツイラズ」。直径20cmの“本物”の鉄鋳物ホーロー鍋とヒーター部がセットになっていて、無水調理を火加減の調整なしのおまかせでできるのです。おすすめのレシピと共に、その魅力をご紹介しますね。
目次
まずはシーズニングで愛着のわくお鍋に
フランスのストウブ、日本のバーミキュラなどのブランドで知られる鋳物ホーロー鍋は、蓄熱性に優れるためじっくりと加熱できるうえに、ずっしりと重い蓋で密閉性が高まり、食材の水分と香りを閉じ込められるという特徴があります。料理の仕上がりの高さからファンが多く、1つは持ちたい憧れのお鍋なのではないでしょうか。でも、これをガス火でやろうとすると、火加減の調節が難しく、慣れないうちは焦がしてしまうことも。
この水無し電気鍋は、絶妙な出力制御のおかげでつきっきりで火加減を調節する必要がなく、ほったらかしで失敗無しで調理が出来てしまうのですから、家電はやっぱりすごいなと思います。
購入したら、最初にするのが油ならしと呼ばれる「シーズニング」です。ちょっと面倒に思うかもしれませんが、ダッチオーブンやスキレットを最強の相棒に育てていくのと同じだと思えば、何だか愛着がわいてくるというものです。
手順は次の通り。
1.鍋とふたを中性洗剤で洗って、布巾で拭いて乾燥させます。
2.布またはキッチンペーパーに油を染み込ませて鍋の内側、鍋のふち、ふたのふちに薄く塗ります。
3.鍋を本体(ヒーター部)にセットしたら、モードボタンで加熱HIを選び、時間を5分に設定します。
4.スタートボタンを押して加熱しましょう。
5.終了後、電源プラグを抜き、ふたをして30分以上そのまま放置します。
6.鍋がさわれるくらいまで冷めたら、余分な油を拭き取ればシーズニング完了!
基本の「はじまりのレシピ」はアレンジ自在の(無水)煮込み料理
付属のレシピブックには「はじまりのレシピ」という名前の鶏とキノコの煮込みが最初に載っています。ということで、まずはこちらを作ってみましょう。
本体にセットした鍋にオリーブオイルをひいたら、玉ねぎ、にんじん、鶏もも肉2枚、まいたけを順に入れ、ふたをすれば準備完了です。写真で見てお分かりの通り、アトリエではポータブル電源を使って調理をしています。この水無し電気鍋の定格消費電力は600Wなので、1,002Whの大容量のプレミアムモデルのポータブル電源(JVCケンウッド BN- RB10-C)なら余裕で使うことができるのです。皆さんのお宅では、キッチンの調理台で壁のコンセントに差して使うなどしてくださってOKですよ。
さて、オートモードで40分に設定してスタートボタンを押したら、あとは出来上がりを待つだけ。まずは高温で予熱が始まり、約10分後に無水調理加熱が始まります。予熱10分+調理40分後にピーピーピーと音がして調理完了のお知らせが。ふたを開けてみると水を一滴も入れていないのに食材から出た水分で満たされ、いい匂いがします。切らずに野菜の上に並べた鶏肉もほろりと柔らかく煮えていて、ヘラでほぐすとご馳走感がたっぷり。調味料は鶏肉の下味と最後にふった小さじ1/2の塩だけなのに、滋味あふれる鶏とキノコのスープ煮が出来上がりました。
ちなみにポータブル電源は調理をする前には残量が76%だったのが52%に。思ったよりも電池残量が減っていなくて、びっくりです。鋳物ホーロー鍋は蓄熱性が高いので高出力で加熱した後は、いったん5W程度まで落ち、3~5分程度でまた高出力になり…というのを繰り返しているので、消費電力が少ないのですね。ポータブル電源は、ディスプレーに現在の出力がリアルタイムで表示されるので、どんな制御になっているのかがわかるのも私のような仕事をしているとなかなか便利なのです(笑)
アレンジしてチキンカレーやクリームシチューにも
「鶏とキノコの煮込み」は基本のレシピなので、アレンジ自在なのもいいところ。アトリエでは、食べきれなかった残りの煮込みを翌日にチキンカレーにアレンジしました。
鋳物ホーロー鍋は、鍋のふちの部分にサビが出ることもあるので、長時間料理を保存しておくのはNGですが、冷蔵庫で1晩程度ならOKとのこと。鍋が冷めるのを待ってから、ふたをしてそのまま冷蔵庫に入れました。そして翌日の少し遅めのランチに、キンキンに冷えたこの鋳物ホーロー鍋を冷蔵庫から取り出して、本体にセット。今度はオリジナルモードの「加熱HI」で10分加熱しました。このモードでは中火で一定の温度を保ちながら調理が出来るとのこと。最大10分の設定しか出来ない(たぶん焦げ付きを防ぐため)ので、ちゃんと温まるかしらと不安だったのですが、あらまあ不思議。10分後にふたを開けてみると、くつくつ煮えていてちょうどよく温まっています。
ここでいったん電源をオフにして、半分に切ったプチトマト(4個)とカレーフレークを入れてふたをし、「加熱Lo」で10分ほど煮込んだらカレーの出来上がり! これって、まさに水を一滴も使わないヘルシーカレーということですよね。食材の味わいがしっかりしているので、カレールーもあまり使わなくて十分おいしく仕上がりました。
レシピブックには、この煮込みに牛乳・薄力粉・バターを加えてホワイトシチューを作るアレンジ方法も掲載されています。そうそう、この鋳物ホーロー鍋は、ガス火やIHクッキングヒーターでも使えます。その場合は火加減を中火以下にして焦がさないように使ってくださいね。
オートモードで15分。タラとアサリを使ったアクアパッツァに感動!
もう1つ、感動したレシピをご紹介しましょう。それは、〝ご馳走”のイメージがあるアクアパッツァ。材料はズッキーニ1本、タラ3切れ、アサリ150g、ミニトマト10個、ニンニク1片、白ワイン大さじ2、オリーブオイル大さじ1のみ。レシピブックでは生タラに塩とふって数分置き、水気を拭き取る…ということになっていましたが、塩タラを使いました。
でね、白ワイン以外に何も水気を使わず、調味料はオリーブオイルだけなのにオートモードで15分加熱した後、フタを開けたらスープがたっぷりで、まるでお店で食べるような味わいのアクアパッツァに仕上がっていて感動の嵐。お鍋の時くらいしか登場しない塩タラが、こんなご馳走になるなんて。しかもお手ごろですしね。
ほかにもレシピブックにはいろいろなメニューが掲載されていますし、鍋とヒーター部というシンプルな作りなので家電ぽくないところも親しみやすいかなと思います。それに、小さく見えても2~4人分の料理を作れますし、保温や再加熱モードも付いています。
オールブラックというカラーは汚れが目立たなくていいのですけれども、次はぜひともクリームホワイトなどやさしい色合いのバリエーションも登場するとうれしいです。
製品DATA
- ブランド:エムケー精工
- 商品名:水無し電気鍋「KO TSU I RA ZU(コツイラズ)」
この記事を読んだ方におすすめ
【糖質カット炊飯器】小さくてかわいいのに健康ごはんから蒸し料理、煮込みまで!レコルトのヘルシーライスクッカーがすごいんです
「神原サリーの愛しの家電語り」は、毎月2回更新。次回もお楽しみに!
過去の記事はこちらから!
●Info●
公式YouTubeチャンネル「神原サリーの家電アトリエchannel」好評配信中。毎週金曜20時更新!
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。