海外生活・買い物事情レポ!ブラジルスーパー3つの特徴/外国でも人気のダイソーなど【駐妻ライター佐々木はる菜の 海外で見つけた「暮らしのヒント」Vol.2】
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佐々木はる菜
2022.08.25
言葉の通じないブラジルでは、日々の買い物も冒険!
ブラジルに来て約1か月の私が一番時間を使っていること…それは間違いなく、日々の食材の買い出しとご飯作りです。
夫の海外転勤に伴い、家族でブラジルのサンパウロ州に引っ越した我が家(コロナ禍での約2年の延期、その間のワンオペ生活などこれまでの変遷はvol.1に)。
現地で使われている言葉は、私が全く話せないポルトガル語で、街ではほとんど英語は通じません。新たな土地にはまだまだ慣れていない上にコミュニケーション能力は赤ちゃん以下…そんな中では日々の買い物が一大イベント!
子どもたちの学校は毎日お弁当なので、日本にいた頃以上に料理をする機会が多いこともあり、ドキドキしながら必死で出かけています。
ここがびっくり!ブラジルスーパーで面白かった3つの特徴
一方で、もともと私は海外旅行に行くと必ずスーパーマーケットを覗くタイプ。日本の友人からもブラジルのスーパーや食材事情についてよく聞かれています。
たかが「お買い物」。
でも実はスーパーって、海外に来たことを一番ダイレクトに感じられる身近な場所ではないでしょうか。
そこでLEEwebで書かせていただく現地からのレポート1本目はまず、ブラジルのお買い物事情についてお届けします!そして、異文化に飛び込んで1か月経った自分の変化についても、少しだけ書いてみたいと思います。
①意外に多い、日本で馴染みの野菜や果物
ブラジルで買い物に行ってまず印象的だったのが野菜と果物が豊富さで、種類も多く、スーパーに置かれている量も思わず「どどーーん」と効果音をつけたくなるような迫力!トマト・ピーマン・キャベツ・玉ねぎといったメジャーな顔ぶれはもちろん、探せば大根・ごぼう・日本の茄子・枝豆などもあり、和食も作りやすいと感じます。
そして果物の美味しさは格別で、季節にもよりますが葡萄・西瓜・オレンジ・キウイ・バナナ・チェリーなどなど本当においしい。個人的には苺だけは日本が一番だなぁと感じました。
②お肉コーナーに番号札?!”切りたて”を買うのがオススメ
ブラジルといえばお肉!というイメージがありますが、やはりおいしいし安い!
パックされたお肉も売られていますが、お肉屋さんだけでなくスーパーのお肉売り場でも、お客さんから希望を聞いてその場でカットしてもらった”切りたて”を買う方が多いといいます。
我が家の小4息子はお肉が大好きなのですが、ステーキ用に切ってもらった写真左下の牛肉は4枚で約21レアル、5~600円!味付けして焼くだけでとってもおいしいので、家の食卓に頻繁にステーキが登場するようになりました。
まだポルトガル語での注文はハードルが高く、通訳サポートの方がついてくださる時にしか買うことができていませんが、自分で注文できるようになることが小さな目標のひとつです。
③「牛乳と卵が常温」の衝撃
卵と牛乳といえば、私にとっては買い物から帰ったらまず冷蔵庫へ入れる代表格。しかしブラジルではどちらも多くが常温で売られています。そういえば以前LEEの取材でセブ島へ親子留学した時も常温牛乳が売られていたので、世界的には多いのでしょうか…。
常温卵はもちろん、生で食べることはできません。
冷蔵されている牛乳もあるため私は必ずそちらを選ぶようにしており、今一番よく買っているのは日系人の方に勧められた袋入り牛乳。確かにおいしく、麦茶などを入れるボトルに詰め替えることが日々のルーティンになりました(笑)
生でも食べられる冷蔵の卵は取り扱っている店が更に限られているため、わざわざ遠くまで買いに行き大切に使っています。
日本食スーパーは大混雑!
サンパウロの日本人街「リベルダージ」へ初めて訪れた際に驚いたのが、日本食スーパーの混みっぷりでした。
この時は日本人はほとんど見かけず現地の方ばかり。日本食って人気なんだなぁと、棚の商品よりもそれを買うブラジル人の皆さんばかり観察してしまいました。
醤油・味醂・味噌などの調味料、豆腐・油揚げ・納豆・鰹節・胡麻や大葉、冷凍の秋刀魚といった日本ならではの素材、さらに日本のお菓子やふりかけ、カップラーメン・袋麺など本当にたくさんのものが売られています。ただ値段は日本の3倍近く!当たり前に使っていたものが、貴重な存在に変わりました…
ブラジルでもつい引き寄せられる、世界のダイソー
色々な国で見かけるダイソーですが、ブラジルでも大人気で高級ショッピングセンターなどに入っています。店内に入ると日本語の洪水で地球の裏側にいるのを忘れそうになるほどですが、こちらも同じく値段は日本の3倍くらいの感覚。
ダイソーでもつい、日本の便利グッズをしげしげと眺めるブラジル人の方々が気になり、商品そっちのけになって様子を伺ってしまいます。
ブラジルに来て大切にするようになった、ふたつのこと
まだたった1か月の海外生活ですが、この短い期間で自分自身が変わったなと感じることがふたつあります。
ある程度は覚悟していたものの改めて痛感したのは、日本という国がやはりものすごく便利で快適だということ。
ブラジルは、例えば水道からの水の出方ひとつとっても量が少ないと感じるし、洗濯機も機械の性能なのか洗うだけでも1時間以上かかり、乾燥機能はほとんど使えず今は全て手で干しているため、毎日かなりの時間を割いてます。しかもマンションの景観規則で外には干せず、今は冬場なのでなかなか乾かない!
また買い物も、楽しさはありますが「効率」という意味で考えると、やはり不便さが先に立ちます。
言葉のせいで何を買うにも時間がかかるし、加えて治安の心配もあり気軽には出かけられません。そして日本の様に調理済みのおいしい食べ物が並ぶコンビニがどこにでもあるわけではないし、高品質な冷凍食品に疲れている日のお弁当を助けてもらうこともできません。
ひとつひとつは小さなことなのですが、まだ生活自体に慣れていないことに加え、日々の家事全般に想定以上の時間と手間がかかることに対して、当初は結構ストレスを感じていました。
気づいたら不思議と節約生活に?
そんな毎日の中で気づくと、以前よりも食材や資源などを大切にするようになりました。
日本でもそれなりに環境を考え行動しているつもりでしたが、水もお湯もじゃんじゃん出て、すぐになんでも買うことができ、便利なコト・モノが溢れる中で、やっぱり色々使い過ぎていたなと感じます。
ただ、これまでご紹介してきた通りブラジルのスーパーもたくさんの物が溢れており、このご時世、こんなにレジ袋を使って良いのだろうかと不安になるくらい大量のレジ袋に、購入した商品を入れてくれます。マンションのゴミの分別具合などを見ていても、大きな声では言えませんが日本に比べてブラジルのエコ意識が高いとは決して思いません。
だからこそ、日本を離れてからの方が物を大切にする意識が高まっている自分の変化は興味深く、便利さや効率を追求するジレンマにちょっと思いを馳せてみたりしています(笑)
②「まぁ、いっか」と思える瞬間が増えた
日本では日々追われるように過ごしていて、例えば忙しい夕方にレジや電車がちょっとでも遅れるとイライラすることが多く、マンションの工事や荷物が時間通りに来ないなんてことはあり得ないと思っていました。
「外国あるある」だとは思いますが、ブラジルもだいたいのものは時間通りには来ないし、家の不具合が多い中で修理等も絶対1回では済まず、非効率に見えることがたくさんあります。
それらは良いことではないのかもしれませんが、「まぁ、いっか」と小さなことでイライラする回数が減ったのは私にとって収穫で、日本ではできなかったペースで過ごせること自体も、もしかしたら貴重な経験なのではないかと感じています。
そしてその変化は、ブラジル人の温かな人柄のおかげだとも思っています。
渡航前、既にブラジルに駐在経験がある方からよく言われたのが「治安は悪いけど、人はすごく良いよ~!明るくて優しい」という話でした。
行く前は矛盾しているようでイマイチ意味が分からないと思っていたのですが、来てみると言いえて妙だと感じます。
マンションですれ違う方は必ず笑顔で挨拶してくれる。
そして街で働いている人たちも、店員さん同士やお客さんといつも楽しそうに話しており、外国人である私がスーパーやレストランでポルトガル語が話せなくても、スマホのGoogle翻訳を使ってすら上手に伝えられなくても、嫌な顔をされることはほとんどなく、それどころか一所懸命理解しようとしてくれます。
そうやって日々温かく接してもらっていることへの感謝と、何もかもが効率的には進まないこと、そのふたつが丁度良い具合にミックスされて起きている変化なのかもしれません。
とにかく、己の無力さを痛感したり、これまでの「当たり前」が全てひっくり返されたりという経験は、この年になるとなかなか味わえない気がするので、今のところ毎日が新鮮です。
外国人としての手続き関係などは落ち着いてきたものの、日本から送った荷物もこれから届くし、家は次々と不具合が起こるし、きっとこれからも大変なことはたくさんあるでしょう。でも、せっかく家族で地球の裏側に行くと決め実際に来てしまったからには、目の前のことを一つひとつ味わいながら過ごしていきたいと思います。
まだまだ色々とあるブラジルでの面白いエピソードはもちろんですが、気になる海外子育て事情や、離れてわかる日本の良さなど、様々な視点で引き続きレポートしていきたいと思います!
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佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。