カーテン、ブラインド、ロールスクリーン…カビの健康被害を防ぐお手入れ方法【ウィンドウトリートメントの種類と選び方】
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藤原千秋
2022.07.16 更新日:2022.08.01
日差しが強ければ日傘をさし、肌寒ければカーディガンを羽織る。そんなふうに私たちが身につけるものを選ぶとき。
もちろん「紫外線からの防御」や「体温の維持」といった実用的な機能は欠かせませんが、色柄やデザインなど、おしゃれ度や自分らしさも加味したいものですよね。
さてそんな人にとっての「衣服」と、住まいの「ウィンドウトリートメント」はとても似通っている存在です。
ウィンドウトリートメント?
あまり聞き慣れない言葉ですが、これは窓周りを演出し装飾する「カーテン」「シェード」「ブラインド」「ロールスクリーン」などのことをまとめて指したもの。
ただ衣服以上にウィンドウトリートメントは、機能以上にとかく色柄やデザイン重視で選ばれがちですが、それで本当に大丈夫?
その選び方やお手入れいかんによって、光熱費が上下したり、健康にまで影響があるかも!?
今回は耳慣れなくても身近な、この「ウィンドウトリートメント」というもののイロハ。
そして、この先いつか役立つかも知れない、各々のスタイルのメリット・デメリットなどについて、とっくりとレクチャーしたいと思います!
ウィンドウトリートメントは”何のため”にある?
純和風の住まいなどは別として、現代では「カーテン」「ブラインド」といったウィンドウトリートメントが皆無の住まいに暮らしている人というのはかなりレア。
今そばにあるこのウィンドウトリートメントを眺めつつ、これらはいったい、そもそも何のためにあるの? まずはちょっと考えてみましょう。
その答えは、大まかに以下の3つにまとめられます。
1)インテリア性
ウィンドウトリートメントはお部屋の中でもとても広い面積を占める存在。
その色柄や模様やテクスチャーは、お部屋の雰囲気やイメージを180度変えてしまう、その家(部屋)らしさを左右する、インテリアの大きなカギになります。
2)プライバシー性
基本的に透明なガラス窓を通して、屋外から家の中が丸見えにならないよう、採光しつつも視線を遮ることができる「レースのカーテン」は一番わかりやすいプライバシーコントロールの例でしょう。
そのほかレースとドレープなどカーテン布を二重にすることによる、遮音性能もプライバシー面で軽視できません。
3)省エネ性
夏は屋外からの太陽光をウィンドウトリートメントで遮光することにより、赤外線による輻射熱を抑えます。
紫外線による室内の日焼け被害を防ぐ効果も、室内を傷めない意味で大きな省エネ。
また、熱損失の大きいガラス窓全体を覆うことによる遮熱効果は、夏冬など季節を問わず室温調整に欠かせません。
とにかくエアコンの効きを良くするには、窓を二重、三重に覆うに越したことはないのです。
このように、ウィンドウトリートメントは、なんとなく私たちが”身につけるもの”になぞらえることができるのでは?
そしてそう考えてみると、種類やデザインを選ぶとき注目すべきは決して「見た目(インテリア)として素敵かどうか?」だけではないということがわかるのでは?
暮らしとともにあるウィンドウトリートメントは、やはり衣服と同じように汚れます。
次は、そのお手入れの方法や頻度まで含めて、その良し悪しを考えてみましょう。
布の「カーテン」や「シェード」のメリット・デメリット
「カーテン」は横に寄せるもの、「シェード」は縦に寄せるもの。
いずれも布に「ひだ(ドレープ)」をもたせることによる、重めの存在感があり、レース素材と厚手素材のものを二重にすることで、遮熱・遮光・遮音性が付加されます。
ただ、布製であるだけに、住まいの空気の質の影響を大きく受けてしまいます。
具体的には、布が部屋を漂うホコリや煤煙、調理による油煙を吸いやすく、窓ガラスを濡らす結露の湿気によるカビが生えたり、床に接地していればダニが繁殖することもあります。
ハタキや掃除機による手入れだけでは微細な汚れまでは落としきれないため、取り外しやすいカーテンかつウォッシャブルなタイプならできれば年に2回ほど洗濯できると、臭いや黒ずみ含め清潔を保てます。
洗濯に適した季節は、花粉が終わる5月と、夏の汚れを一掃したい&空気が乾燥した11月です。
「シェード」は、カーテンに比べると取り外しや取り付けの難易度高。
ただ布地自体はウォッシャブルタイプが増えているので、やはり定期的に洗濯ができるとよいです
カーテン洗濯の詳細はこちらの記事を参考に。
布の「ロールスクリーン」のメリット・デメリット
布のロールスクリーンは、布面が比較的少ない(「ひだ」が寄っていない)ため、窓を覆っても部屋を広く感じさせることのできるメリットがあります。
ひだがないぶん、汚れにくく、特に近年、プロジェクター用スクリーンを兼ねられるタイプが人気を博しています。
ただ、基本的に二重にはしないものであるためカーテンやシェードほどの遮熱、遮光、遮音性などは期待できません。
お手入れも、布のロールスクリーンかつウォッシャブルなタイプは洗濯が可能ですが少数派。
洗濯ができるものでも、取り外しや取り付けの手間やアイロンの必要性など、少し手間がかかります。
「ブラインド」のメリット・デメリット
閉じると窓面がフラットになるブラインド。
部屋の雰囲気を硬質かつスタイリッシュに整えたい人に向いています。
またカーテン等と大きく異なる点としては、通風と採光を行いつつ視線を遮ることができる点が挙げられます。
布ではないので洗濯が不要、掃除も掃除機で吸うか拭き掃除で済むので比較的お手入れは楽だと言えます。
ただホコリを長期間放置すると、室内の湿気や油煙と相まってこびりついて非常に厄介。
布ではないのでダニが潜みにくい点もアレルギー的にはメリットといえますが、ダニは「ホコリの中」でも増殖するので、ホコリを積もらせないよう、こまめに払う掃除は不可欠です。
また遮熱、遮音性については、二重のカーテンやシェードと比べると弱いです。
どの種類においても防ぎたいトラブル
広い面積で窓を覆うウィンドウトリートメント。どんな種類を選ぶにしても、避けたい、しかし起こりやすいトラブルはやはり「カビ」の発生です。
近年の健康志向で”加湿”しがちな住まい、また洗濯物の部屋干し頻度が高くなりがちであることからも窓周りに結露が発生しやすいのです。そしてこの水分により発生するカビが、窓ガラスやサッシにとどまらずに壁やカーテンにまで及んでしまう。
カビというものは、ひと晩で劇的に増えるようなものではないため、じわじわと「黒ずみ」「汚れ」「しみ」のようなかたちでウィンドウトリートメントを侵していき、その胞子を私たち自身知らず知らず、吸い込みながら生活することになってしまうのです。
カビを吸うことで、風邪や不定愁訴に似通ったカビアレルギー症状を呈してしまうほか、体力が落ちていれば肺炎のリスクも上がります。
このウィンドウトリートメントのカビ発生を避けるためには、とにかく「開閉の頻度」を上げること。つまり「開かずのカーテン」「開かずのシェード」などは、カビリスク最大値と心得ること。
ウィンドウトリートメントは、すなわち住まいの「服」。
だから私たち自身が服を着て元気に活動し動き回ったあと洗濯やクリーニングをするように、日々の開閉と換気、適度な掃除、定期的な洗濯などが、その快適性を保つには不可欠!
そして、そのケアを自分自身が行えそうなウィンドウトリートメントのスタイルを選ぶことが、まずとても大切なのです。
LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!
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藤原千秋 Chiaki Fujiwara
住生活ジャーナリスト、ライター
掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。
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