自分にも遠からず症状が起こりうると知ったら、わからないことや疑問が噴出! 遺伝する? 早まる要因は? みんなの質問に高尾先生がアンサー。
教えてくれたのは
産婦人科医 高尾美穂さん
女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。「すべての女性によりよい未来を」をモットーに、日々の診療を中心に、メディアやセミナー等でも活躍。『いちばん親切な更年期の教科書』(世界文化社)ほか著書多数。
Instagram:yoginidr_miho
Twitter:mippolin78
公式サイト:mihotakao.jp
Q
更年期の症状は
PMSの症状と比例する?
A
似ていたり重なる症状もあり、PMSと更年期症状は比例しがち
「PMSと更年期は、抑うつ感やイライラ、だるさなど似ていたりオーバーラップしている症状も多く、PMSが重い人は更年期症状も重い傾向に。見分け方としては、生理がきたら症状が治まるのはPMS。生理中も症状が続いたり、周期や経血量の変化も見られ年齢的にも40代に入っていれば、更年期にさしかかっていると考えられます」(高尾美穂さん)
Q
更年期かも?と思ったら、
どの段階で病院へ行くべき?
婦人科より、尿漏れなら泌尿器科、精神的な症状なら心療内科のほうがいい?
A
更年期に詳しい日本女性医学学会の専門医を探すのも手
「尿漏れなど具体的な症状があるなら、最初は専門の科へ行くのもOKですが、更年期症状の疑いがあれば婦人科へ。別の科で専門でない医師に当たった場合、女性特有の症状のつらさを理解してもらえず時間のロスや手間になることも。
私も所属している『日本女性医学学会』の専門医であれば、更年期への理解も深く、対応も的確なので、まずは学会HPで専門医のいる病院を探してみるのも手です」(高尾美穂さん)
Q
ほかの病気との見分け方を知りたい。
単に疲れがたまっての不調などとの違いがわかりません
A
似た症状も多いため、不調が出たらまず受診を!
「心や体、外見にもさまざまな変化をもたらす更年期症状は、ほかの病気の症状と似ているものも。例えば甲状腺疾患だとほてりや異常発汗、気分の落ち込みや肌の乾燥などがあり、メニエール病ではめまいの症状が出る場合も(その他の症状と病気は下記参照)。
病気が隠れている場合は早期発見につながりますし、更年期の場合なら早く対策がとれるので、不調が出たらまず婦人科へ。毎年の健康診断を欠かさないことも大切です」(高尾美穂さん)
●よくある更年期症状 | ●間違えやすい病気 | |
---|---|---|
不正出血 | ↔ | 子宮体がん |
汗が止まらない、やせる | ↔ | 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など) |
だるい、冷え、薄毛、太る、無気力 | ↔ | 甲状腺機能低下症(橋本病など) |
ホットフラッシュ | ↔ | 薬の副作用 |
動悸 | ↔ | 貧血、心臓の病気、甲状腺機能亢進症 |
めまい | ↔ | メニエール病、脳の病気 |
頭痛 | ↔ | 高血圧 |
落ち込む、イライラする | ↔ | うつ病 |
関節の痛み、腫れ | ↔ | 関節リウマチ、シェーグレン症候群 |
Q
更年期症状の強さは個人差が大きいと聞きますが、何で差が出る? 遺伝?
母親の更年期症状と似ますか?
A
遺伝的な要素よりも性格やライフイベントが大きく影響
「更年期症状の出方には、本人の気質とライフイベントの影響が大きいと言われ、遺伝はあまり関係ありません。我慢強くSOSを出しにくい性格だったり、子どもの自立や家族の死などの喪失体験があると症状が強く出る傾向が。
また、女性ホルモンに似た働きをするエクオールの産生能力も関係。エクオールを体内で作れる人は更年期症状が軽いというデータがあり、サプリで補うことも可能」(高尾美穂さん)
Q
男性にも更年期があると聞くけれど…女性との違いは?
A
症状の出方は女性よりゆるやかである一方、コロナ禍で増加傾向に
「男性更年期は、男性ホルモン(テストステロン)が減ることで起こります。主に性欲減退やイライラなどの症状が多く、一般的には女性ホルモンほど急激に減少しないため症状の出方もゆるやか。
急に症状が強くなったりした場合は、ストレスや肥満によりコルチゾールという抗ストレスホルモンが分泌され、テストステロンが急減している疑いも。近年はコロナ禍によるストレスなどの影響で、更年期症状が出る40~50代男性が増えていると言われています」(高尾美穂さん)
Q
更年期開始や閉経の早さは初経の早さと関係がありますか?
ほかにも早まる要因はある?
A
食事や運動、喫煙習慣などで閉経や更年期が早まることも
「初経の早さは関係がなく、更年期や閉経時期を大きく左右するのは生活習慣。動物性脂質が多い食事、運動不足、喫煙などは、全身の血流を悪化させ、卵巣に血液が十分届かず機能低下を招きます。エストロゲンの材料となる脂質が極端に少ない食生活も原因に。
また、ストレスが多いと視床下部の働きが乱れ、これも卵巣機能に悪影響。特に喫煙は、閉経を2年も早めるとも。ほかには卵巣の手術をしている場合、早まることがあります」(高尾美穂さん)
【特集】備えあればうれいナシ!「更年期」徹底予習
詳しい内容は2022年LEE6月号(5/7発売)に掲載中です。
イラストレーション/黒猫まな子 取材・原文/遊佐信子
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