【ニットの正しい洗い方・しまい方】洗濯ネットのサイズ、スチームの当て方…お手入れのポイントを洗濯のプロが解説

寒い季節にお世話になった冬物衣類、来年も気持ちよく着られるようにきれいに洗ってしまいたい！ 今回は、ニットのお手入れの方法をご紹介します。

やさしく洗ってふっくら仕上げる

基本は手洗いがおすすめ。洗濯機を使う場合は必ず「手洗いコース」を選択。ドラム式洗濯機は避けるほうがベター。

【洗い方】
1.洗濯機で洗う場合はネットはジャストサイズに

洗濯機で洗う場合は洗濯ネットを使用。洗濯中にニットが動くと摩擦で毛が絡み、縮みの原因に。

「ニットが動きにくいよう、ネットと同じ大きさになるようにたたむのがコツです」（向山正幸さん）

2.おしゃれ着洗剤を使い手で軽く押し洗い

手洗いの場合は、おしゃれ着洗いの洗剤液に10分ほどつけてから、軽く押し洗い。汚れの程度が軽ければ、つけるだけでも洗剤の力だけできれいに。洗濯機なら手洗いコースでやさしく洗う。軽く脱水してからすすぎ（1回でもOK）、最後に再度軽く脱水。脱水後はシワ防止のため、すぐに取り出す。

「ニットは脱水で縮むことはないので、水がしたたってこない程度まで脱水にかけても大丈夫」（向山正幸さん）

POINT
洗濯機は縦型がベター

洗濯機で洗う場合、ドラム式だと落下の衝撃でニットが傷む恐れも。左右に揺れるスウィング洗いなら◎

3.平干しネットに形を整えてのせ風通しのいい場所で陰干し

脱水でたくさんシワができてしまったら、この段階でスチームを当てるとよい。干す際はハンガーだと伸びてしまうので平干しネットに置き、風通しのいい場所で陰干し。

「特に、アクリルニットは伸びると戻らないので、ハンガー干しはNGです」（向山正幸さん）

4.スチーマーでふっくら仕上げる

乾いたらハンガーにかけ、吊るしながらスチームを当てて毛に蒸気を含ませるようにふんわり仕上げる。

「アイロンのスチーム機能を使う場合は、押しつけると毛がつぶれてしまうので、生地から浮かせて当てます」（向山正幸さん）

【しまい方】
防虫剤とともに保管、除湿剤も忘れずに

型崩れを防ぐためハンガーに吊るさず、たたんでケースにしまって。防虫剤を置き、湿度管理のために除湿剤も置くと◎。

「コンパクトにするために圧縮袋に入れると、風合いがつぶれてしまうので避けましょう」（向山正幸さん）

NG
しまうときにビニールカバーはかけないで！

保管中の衣類にほこりよけ目的でビニールカバーをかけると、カバー内に衣類を変色させる作用のある空気中の酸化窒素がこもり、黄ばんでしまうことも。

「カバーはかけないか、通気性のいい不織布カバーならOK」（向山正幸さん）

冬物以外も聞きたい！
LEE100人隊の洗濯悩みをプロが解決！

なかなか落ちないシミや手ごわい汚れについて向山さんが豊富なプロ知識で対処法を伝授！

Q ニットの毛玉、おすすめの取り方は？（No061 humさん）

A プロも市販の電動毛玉取りを使っています

「うちでも市販の電動の毛玉取り器を使っていて、『TORRAS』のものはおすすめです。しっかり取ろうと強く押つけすぎたり、カッターの高さを調節するガードをつけずに使うと生地を傷めるのでやめましょう」（向山正幸さん）

教えてくれたのは？

クリーニング カラキヤ
向山正幸さん

今年で創業112年、大手衣料ブランドからの信頼もあついクリーニングの老舗「カラキヤ」で品質管理の責任者を務める。クリーニング歴40年の大ベテラン。日々の営業の傍ら、シミ抜き技術の研究開発にも熱心。

クリーニング カラキヤ
東京都港区高輪2の7の8
☎03・3445・0974

●Instagram：karakiya1909

●公式サイト：www.karakiya.com

他にも「ニット、ダウン、コートの洗い方＆しまい方」を公開中！

【ニット、ダウン、コート…家で洗える？ クリーニング？ 】洗濯のプロが教えるホームクリーニングの基準、ポイント

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次回は「ドラム式洗濯＆乾燥機でボリューム復活！ ダウン編」をご紹介。

撮影／伊藤奈穂実　イラストレーション／ツルモトマイ　取材・文／遊佐信子

※商品価格は消費税込みの総額表示（2022年3/7発売LEE4月号現在）です。

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