発売前から注目が集まり、スマホ業界周辺をにぎわせていたバルミューダ初のスマートフォン「BALMUDA Phone(バルミューダフォン)」。本当のところはどうなの?と気になっている人も多いのではないでしょうか。かく言う私は、同社の旗艦店「BALMUDA The Store Aoyama」のお披露目の際に初めて触ってみて、「これはいい!欲しい!」と思ったのでした。さっそくホワイトモデルを予約して12月下旬に届いてから約1か月半経った今、その魅力をご紹介したいと思います。
「神原サリーの愛しの家電語り」
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軽くて丸みのある背面が手にしっくり馴染む絶妙なデザイン
私が取材やYouTubeの動画撮影(もうすぐ始まります!)の際に使っているスマートフォンはiPhone 12 Pro MAX。透明なカバーとストラップを付けていますが、機能的にも頼もしい一台ではあるものの本体だけで226gあるので、女性の手にはかなり重く、特に手首にずっしりと負担を感じるんですよね。ところが、このバルミューダフォンの重さはわずか138g。その差は88gですが、今どきのスマートフォンには珍しい曲線を描いている背面と、手のひらに収まるコンパクトなフォルムとも相まって、とにかく軽く感じるのです。
発表翌日に「BALMUDA The Store Aoyama」で触ったときに、まずはこの点に感動してしまいました。さらに、電源を入れて浮き上がるホーム画面のデザイン、4.9インチの高精細画面と独自の便利機能がいろいろあるという説明に「やられたー」と思いました。このサイズなら、ワンピースやコートやジャケットなど、女性用の衣類のポケットにもすんなり収まります。リュックとかバッグの奥にメインのiPhoneを入れておいて、手元にはこのバルミューダフォンがある…そんな使い方ができるなと。
実際に使い始めて1か月半ほど経ちますが、まさにそういう使い方ができる一台なんですよね。背面にある電源ボタンはオンオフ機能に加えて、スマートフォンのロック解除のための指紋認証機能を持っているのですが、私はいつも左手にスマホを持つので、右手の人差し指を認証登録して、ロック解除しています。その際の押し心地も絶妙でいつも心の中で「よろしくね」と話しかけてしまいます。
ホーム画面のデザインも、普通なら好きな画像や壁紙を選んで自分用にカスタマイズするところだと思うのですが、バルミューダフォンはあらかじめ用意されているものが素敵なので、その必要はなし。背景色やシグネチャー、2本のパーソナルストライプの向きやカラーを好みに応じて設定するだけで「自分だけのバルミューダフォン」が出来上がります。
スケジュール、メモ機能が本当に便利!…だから“デジタルステーショナリー”
バルミューダフォンは「普段使う基本的な機能こそ、シンプルかつ快適に」というコンセプトのもと、スケジューラやメモ、時計や計算機など独自の基本アプリが用意されています。軽さや手に馴染むデザインだけでなく、この基本アプリにほれ込んだのも「欲しい!」と思った大きな理由。特にスケジューラとメモの機能が素晴らしいのです。
このスケジュールアプリは、2本の指で画面を広げたり縮めたりする“ピンチ操作”で1日表示から1年までシームレスに表示範囲を変えられるのが特徴で、週間表示にしたときには、天気や気温も表示されたりします。取材先や会食の場所などもGoogleマップと連携させておけるので、「どこだっけ?」と慌てて住所を調べることもなくなりました。
私は長年、紙の手帳(アクションプランナー)を愛用していて、バルミューダフォンが手元にある今もそれは変わりません。でも、今までのように手帳を広げられないと細かいスケジュールがわからないという心配がなく、ポケットにはバルミューダフォンがあるからさらに安心・便利という感じです。
そして、もっと気に入っている機能が独自のメモ機能。iPhoneにもメモ機能はありますが、時系列の同じ色でずらりと表示されるので探すのが大変だったり、案外あとで見返すことは少ないなと思っていました。でも、バルミューダフォンのメモアプリは、直感的に使えるんですよね。そう、まるで付箋のよう。メモの縁に色を付けて分類しておけるし、場所も自由に入れ替えられます。しかもスケジューラのように自在に伸縮できるので、探しているメモがすぐに見つかるのが便利なのです。
仕事のアイデアのほかにも、読んでいる本で気に入ったフレーズや、今日誰かに言われてうれしかった言葉、新聞の切り抜きをカメラで撮影して1つのメモにまとめてみたり…など、こんなに小さな画面なのに、使い方が無限に広がります。そのおかげで、私は電車の中などでもこのメモを読み返しながら、考えをまとめることが増えました。そして新たな気づきがあればそれもメモしておく。そんなサイクルが出来上がっています。
だから、私にとってはこのバルミューダフォンは“電話もできるデジタルステーショナリー”というわけ。10万円もするのだから贅沢だとは思いますが、私の日々のQOLが爆上がりしているので、まあ、いいかなという感じです。うーん、とはいえ、やっぱりこの価格はちょっと高すぎますよね。通信機能があるから、調べものもGoogleマップとの連携もできるし、SNSだってできるし、急ぎの要件のときには電話もできるわけだけれど、「スマートフォン」という名前ではなくて、私が言うように“電話もできるデジタルステーショナリー”として、もう少し手の届きやすい価格で発売していたら、もっともっとたくさんの人に愛用してもらえるんじゃないかなと思ったりしています。
1月の「販売停止」はどういうことだったの?
1つ、大切なことを書くのを忘れていました。1月初旬に1週間ほどバルミューダフォンが販売停止になっていたことがありました。これは、バルミューダフォンの製造を担当した京セラが、バルミューダとソフトバンクの2社に「技術適合証明(技適)の認証に関して確認すべき事項が生じた」と連絡したため…とのこと。その後、1月13日には、この確認事項が干渉ノイズの許容値であることが明らかになり、14日には、バルミューダはソフトウェアアップデートの提供を開始すると同時に端末の販売も再開しています。
こう書いてもいったい何のことやら?と思われる方も多いと思いますし、私自身もバルミューダフォンの愛用者として心配になったので、バルミューダの広報の方に説明をしていただいた内容が下記の通りになります。
——今回の事象は結局どういう問題だったのでしょう?
例えば、家の中の音がお隣の家に漏れて迷惑にならないようにできるだけ防音するのと同様、電波の使い方も、お隣に迷惑がかからないようにするルールがあるのですが、その漏れに相当するような電波が、ルールよりもほんの少し大きくなる場合がある可能性があったので、そこをルール守れるようにソフトウェアの更新で解決をしました。
——今回の事象による影響は何だったのでしょうか?
製品の安全性や機能には影響はありません。ただし、非常に限定的ではありますが他の通信機器へ影響する可能性があります。ソフトウェアの更新をすることで、影響の可能性を取り除くことができます。
…というわけで、非常に限定的な事象発生であったことはおわかりいただけたかと思います。そして、いろいろな事態を予想した上で、慎重を期して販売を一時止めたという経緯です。結果として非常に世の中に心配を与える形となりご迷惑をおかけしました。
ちょうど1月初旬の連休直前でタイミングが悪かったというのもあるようです。私のバルミューダフォンもすぐにソフトウェアを更新して、何も問題なく使っています。
新デザインのケース「チェスターフィールド」が素敵!
そうそう、まだ手元にはないのですが、2月10日に新しいバルミューダフォンのケースがお目見えしています。その名も「BALMUDA Phoneケース:チェスターフィールド」。ヨーロッパの伝統的なチェスターフィールドソファのパターンから着想を受けてデザインしているとのことで、もこもこ感があって愛着の持てそうな感じです。
バルミューダフォンの本体背面は、さわり心地の良い特殊加工、ヴィンテージ・テクスチャーを施しているので、普段、自宅やアトリエで使う時にはケースなしで使いたいと思っていますが、外出するときにはケースがあった方がやっぱり安心というもの。スマホのケースはつけっぱなしが一般的かもしれませんが、このチェスターフィールドのケースは、「外に行くときにはケースをつけて、家では外して…」という新しい使い方が楽しめそうです。週明けにでも、表参道にあるBALMUDA The Store Aoyamaに出かけて、購入したいと思います。
DATA
- ブランド:BALMUDA
- 商品名:「BALMUDA Phone(バルミューダフォン)」
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