引田かおりさん・ターセンさんに6つの質問「どうやって風通しのいい夫婦関係を作ってきましたか?【LEE DAYS】
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LEE DAYS リーデイズ
2022.01.05
「24時間ほとんど一緒にいる」というほど、仲の良いおふたり。子どもたちが巣立った後、夫婦ふたりの暮らしをどのように組み立てたのでしょうか。
引田かおりさん/Kaori Hikita
ターセンさん/Tarsen Hikita
ひきた かおり●1958年東京都生まれ。専業主婦、絵本店アルバイトを経て、東京・吉祥寺に夫とパン屋「ダンディゾン」、ギャラリー「フェブ」オープン。
ひきた たーせん●1947年東京都生まれ。IT企業に勤めた後、52歳で早期退職し、妻との仕事をスタート。
公式サイト:https://hikita-feve.com/
夫婦になった最初の10年は、「言いたいことが言えなかった」というかおりさん。キャッチボールを繰り返し、互いに変化をしてきたふたりに、6つの質問を投げかけてみました。
Q1
子どもが手を離れ、ふたりきりの時間が増えたとき、どんなことに気をつけましたか?
A
「まずはこれから先の人生の目的を、ふたりで共有するためにたくさん話をしました。私たちは人生の前半でさまざまなものを得ることができたので、これから先は次の世代や他の方たちにそれらをつないでいきたい、かかわる人が豊かになるためのことがしたいとふたりで決めたから、一緒にそれに向かえたのだと思います」(かおりさん)
「ふたりで店を開くタイミングで、妻を支える決意をしたことです。それまで僕が支えてもらったからね。家事を楽しもう、生活者になろうとも、心に決めました」(ターセンさん)
共通の趣味は読書で、同じ本を読むことで価値観を共有しているとか。右の2冊はターセンさんがかおりさんに、左の3冊はかおりさんからターセンさんにすすめた本です。
Q2
今までで、夫婦最大のピンチは何でしたか? それをどう乗り越えましたか?
A
「新婚旅行の時、お腹が空き過ぎて気持ち悪いのにお店もなかなか決めてくれず、やっとテーブルに着くも、ギャルソンとあれこれメニューについて会話する夫に『この人、無理!』と思ったこと。『言わなきゃわかってくれないんだ』という気づきを得た、象徴的な出来事でした。年を重ねるごとに、私が言えるようになって、乗り越えられたのかも」(かおりさん)
「多少の軋轢はあったかもしれないけれど、僕は夫婦のピンチと思ったことはなかったなあ。ちなみに新婚旅行の話を彼女から聞かされたのはその10年後だから、僕は忘れていました(笑)」(ターセンさん)
Q3
夫が家事をするようになったとき、お互いに気をつけたことは何ですか?
A
「彼がやる気を失うことのないよう、いったん任せたことに口を出さない、得意なことを伸ばす、とにかく褒める、です。相手の領域を侵さないことを少しずつ覚えました」(かおりさん)
「彼女は見た目もきちんと美しく仕上げたいけれど、僕は簡単にできればいいという機能重視。でも、自分を主張するよりも、妻に気分よく生活してもらったほうが、平和な心でごはんを作ってもらえて、僕もおいしいものが食べられて得。だから彼女がこうしてほしいと表現したものに対しては、やり方を合わせるようにしました」(ターセンさん)
家族の写真をひとり一冊のアルバムにまとめたら、しょっちゅう見返すように。そぎ落とすのが得意なターセンさんの仕切りで一日かけて写真を選び、この他は時間をかけて処分。
Q4
夫婦で一緒にいる時間が長くなると、喧嘩が増えませんか?
A
「ここ最近で喧嘩をしたのは、つまらないことでした。わけもなく機嫌が悪くなるのは、コロナ禍のせいだと思う。家にずっといて、いつもと違うことを強いられているから、燻る火種を残さずに言いたいことを言い切りましょう」(ターセンさん)
「喧嘩はします。無理に抑え込むことはないです。私も5〜6年に一回ぐらいは、大噴火するときがあって。でも、その時夫に、『あの時も、この時もと過去の類似例をいろいろ出してこないで、いまのことだけで怒ってくれ』と言われたんです。喧嘩をしてお互いを理解できることがいっぱいあります」(かおりさん)
Q5
長年の関係で培ってきた、喧嘩のあとの仲直りの秘訣やコツはありますか?
A
「若い時は、『ごめんなさい』と言わないと仲直りができないと思っていたんだよね。でも、それがだんだんに変わってきました。わざわざ謝ったりしなくても、ちょっと時間をおいて、日常生活にもどった瞬間に、『ああ、終わったんだな』という確認ができるようになった。日常にもどったらそれでいいのよ」(ターセンさん)
「お互いにそっぽを向いてクールダウンをしながら、仲直りのきっかけをさぐっていたりしますからね。明日は『おはよう』って言おうかな、とか。勝ち負けじゃないし、白黒つけたり、解決したりしなくてもいいんだと思います」(かおりさん)
Q6
言いにくいことを言わなくてはいけないとき、伝え方の工夫はありますか?
A
「夫の機嫌がいいタイミングを見計らって、ユーモアもプラスしながら伝えます。つい最近は、家にいる時の夫の洋服がずっといい加減なのが困ったなあと思って。すごくめんどくさそうだったけれど、機嫌がいい時に着替えてもらいました」(かおりさん)
「妻はシビアなことをずばり言うこともあります。僕が仕事人間だったころに『どんなに仕事ができても、家事が何もできないって人としてどうなの?』と言われたり、思春期の子どもを父権で押さえつけようとした時に『このままいくと金属バッドで殺されるわよ』と言われたりも。今でも忘れられません」(ターセンさん)
5年前から娘さん夫婦と二世帯住宅で暮らすようになり、小さなお孫さんを預かる機会が増えたそうです。それが自分たちの子育てを客観的に振り返る、いい機会になっています。
撮影/濱津和貴 取材・原文/石川理恵 構成/田中のり子
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