夫婦が「いい関係」でいるために、周囲にいい人間関係を築く。荒井博子さん・昭久さんご夫妻【LEE DAYS】
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LEE DAYS リーデイズ
2022.01.12
夫婦が長く「いい関係」であるためには、周囲にいい人間関係を築くことも大切です。「いつも周囲に人がいる」と噂の荒井さん夫妻に、心地いい人の輪のつくり方を教わりました。
(右)荒井博子さん/Hiroko Arai
(左)荒井昭久さん/Akihisa Arai
高校時代からの幼馴染で、結婚後ふたりで渡米。シアトルやポートランドなどで約10年間のアメリカ生活を経て、2008年にアメリカ・ペンシルベニア州のシューズブランド「ダンスコ」を日本に紹介するために帰国。「ダンスコ」日本総輸入の会社を設立し、現在昭久さんは代表を務め、博子さんは企画やプレス業務を行っている。
公式サイト:http://www.dansko.jp
「人を招くときも気負わなくていい。アメリカ生活で学びました」
「ダンスコの社員旅行には、どうやら社員以外の人も来るらしい」「夫婦の旅行にも、たいてい友だちがついてくる」。
何だか荒井博子さん・昭久さん夫婦のまわりは、いつも風通しがいい。そして周りに人が自然と集まってくる。そんな話がよく聞こえてきます。
「思い返すと彼の実家が、いつでも人が集まっている家でした。息子よりも彼の友人のほうが長くいるなんてことも(笑)。お母さんが料理をふるまってくれることも多く、逆にキッチンを若い私にも自由に使わせてくれて。いつもほどよい距離感が心地よかったです」と博子さん。
もともとオープンな家系に育った昭久さん、アメリカ暮らしの10年でさらにその気質は強化されました。ふたりの家には居間に寝袋を持ち込み、しばらく暮らしていたサウジアラビア人ほか、まるで兄弟のような友人が常に複数。
最初は戸惑っていた博子さんも、次第に「誰かがいても気を遣わないし、気にならない」状態に。
「ある日アメリカ人の友人から『うちにデザート食べに来ない?』とお誘いが。訪ねてみたらスーパーで買ったバケツサイズのアイスクリームがどーんとテーブルに!!
テーブルに置かれたアイスには、チョコソースとナッツが添えられているのみ。日本人の感覚だと『これだけー?』と驚くかもしれないけど、何だか楽しくて。『これでいいんだ』『こんな気楽だから、気軽に人を招けるんだ』と、肩の力が抜けたんです」
「きちんとおもてなしを」と力むと、かえって疲れるし、相手にも気を遣わせてしまうもの。素顔を見せれば、お互い気楽で風通しのいい関係になる。そしてそれは友人だけでなく、帰国してダンスコの仕事を始めてからも、共通する姿勢のようです。
デンマークの木靴にインスパイアされ、1990年にアメリカで生まれた「ダンスコ」。日常のおしゃれ靴としてはもちろん、レストランや医療系で働く人々の靴として、履きやすく腰に負担がないなど、高い機能性でも人気に。
オフィスでも博子さんと昭久さんの席は隣同士で、ちょっとしたことでもすぐに相談できる距離。
「彼はどんな場面でも絶対に落ち込まないし、いつでも楽しそう」「彼女はセンスがいいし、行動力もある」と、お互いの長所を認めあう。
「人間関係に上下を持ち込まない。そのほうが仲良くなれたりします」
「わが社のモットーは『餅は餅屋』。適材適所で、得意な人が得意なことをやり、できないことは無理にやらない」と昭久さん。
一般的な日本企業のように「上司と部下」という関係性はなく、経理や会社の運営全般は昭久さん、企画やプレス業務は博子さん、それに出荷担当、オンライン担当のスタッフがいて、潔く役割分担が行われています。
お互いの長所をリスペクトし、領域を犯さない。けれど言いたいことは、素直に言い合う。ふたりは夫婦間はもちろんのこと、周囲の人たちに対しても、ごく自然にそんな姿勢で接している様子です。
ダンスコの直営店「dansko en…」を営むのは、夫婦の高校生時代の友人、増井薫さん。
「10代の頃からふたりの雰囲気はまったく変わらない。友人と仕事をするとトラブルが多いと聞きますが、彼らとの関係は常に良好です」(増井薫さん)
「ショップにダンスコを求めてくる人は不思議といい方ばかり。荒井夫婦の人柄もあると思います」と増井さん。
定番の型「プロフェッショナル」に、もこもこのシーリングを施した一足。根強いファンが多い独特のフォルム。
「お互いに自由で自然体。そういう関係が、私たちには心地いい」
「こういうフラットな人間関係は、アメリカで学んだことのひとつかもしれません。会社で面接をするときは年齢を聞いてはいけないとか、小さな子どもにも大人と同じように礼節を持って接するとか。でも逆に、年上の方ともフランクに付き合えるので、かえって仲良くなれたりするんです」
ちなみに冒頭の社員旅行にいらしたのは、業界では知らない人がいない大先輩のスタイリストさんだとか。そんなエピソードも、夫婦の気さくな空気がなせる技です。
長年「三角屋根の山小屋」に憧れがあったという博子さん、数年前に手に入れた軽井沢の森にある別荘にも、たびたび友人たちが訪ねてきてくれるそう。
「先日も友達が泊まったときに、『私たち寝坊すけだから、朝食は勝手に好きなもの食べてね』と言ったら、自分で冷蔵庫からヨーグルトとジャムを出し、パンを焼いてコーヒーを淹れ、音楽を聴きながら自分らしい朝ごはんをひとりで楽しんでいてくれたんです。
そんな風に自由に、その人らしくしていてくれると付き合いやすい(笑)。私たちも自由で、まわりも自由。そんな関係と空気感が、私たちは好きなんだと思います」
オフィスで多彩に働く由紀さんとミーティング。友人の友人というご縁で入社し、もうすぐ働き始めて10年になるそう。「荒井さん夫婦はいつも明るくて前向き。上下関係なく、自由な空気で、職場ではいつも笑いが絶えません」
軽井沢の別荘に親戚の子どもたちが集まり、彼らが作ったカレーをみんなでワイワイと。それだけで楽しい。
飼っている犬と一緒に訪ねてくれる友人も多い。ふたりの愛犬ファンネルも、友達が来ると、何だかうれしそう。
撮影/田村昌裕(FREAKS) 取材・原文/田中のり子
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